ソーシャルエンターテイメント・プログラムを提供するダイアローグ・ジャパン・ソサエティは、歳を重ねることについて考えながら、自分自身の生き方について対話する体験型エンターテイメント「ダイアログ・ウィズ・タイム」を東京・竹芝にて開催する。
開催場所はダイアログ・ダイバーシティミュージアム「対話の森」で、この施設は世代、ハンディキャップ、文化、宗教、民族などの世の中を分断しているたくさんのものを出会いと対話によってつなぎ、ダイバーシティを体感するミュージアムだ。
開催期間は4月27日(土)から6月30日(日)まで。高齢者がアテンド(案内人)となる。
年齢を重ねることを考えるダイアログ・ウィズ・タイム
「ダイアログ・ウィズ・タイム(DWT)」はこれまで世界7カ国で開催され、日本では約28万人を動員した「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」「ダイアログ・イン・サイレンス」に次ぐプログラム。
「未来に会いに行こう。」をテーマに、70代以上の高齢者アテンドと共に、老いを体感できる様々なアクティビティを体験し、限りある命や生き方、時間について対話するソーシャルエンターテイメントだ。
アテンドと参加者が人生経験を共有し、世代を超えて対話することで、年齢を重ねることの豊かさや自分自身のこれからについて考えるきっかけを生み出す。
アテンド候補生はDWTのアテンドスクールを受講
DWTでは、高齢者が案内人・アテンドとなる。このアテンドになるために、アテンド候補は全員が昨秋から始まったDWTのアテンドスクールで研修を受けてきた。
ここでは多様な講師を招き、DWT体験者は子どもから高齢者まで年齢は幅広い。アテンド候補生は80代が多く、参加者との間にジェネレーションギャップも生まれるかもしれないとアテンドスクールを開催。講師は様々な課題に対峙している人たちだ。
講座内容は、ダイバーシティ、LGBTQ、困窮家庭で暮らす子どもの貧困、コピーライターからの言葉を紡ぐ学び、不可能を可能にした音楽家による学びなど。
メモをとる姿は真剣だったが、高齢者にとって長時間椅子に座り講師の話に耳を傾けるのは容易ではなかったはず。やがてアテンドスクールが終了しDWTの開催場所で実地研修が始まったが、顔が若返っていた。
自分自身と対話する部屋を巡るアクティビティが展開
アクティビティはいくつかの部屋を巡って展開する。以下はその抜粋だ。
「時の小路」では、時を重ねることについての10の質問が投げかけられる。参加者は心の中で、問いに答えていく。
「黄色の部屋(Yellow Room)」は、あたたかな黄色い照明で少し視界がぼんやりする部屋。これは白内障で見える世界だ。
手足に重りをつけて筋肉の衰えを実感したり、特殊なゴーグルをつけて緑内障によって視界が狭まる体験をしたり、イヤーマフをして聞こえづらくしたり。そのうえで、段差を歩く体験をする。
「青の部屋(Blue Room)」では、アテンドが生きてきたストーリーを聞いたあと、参加者ひとりひとりがどのように年齢を重ねたいか、様々なシーンの写真を選ぶという形で対話する。
「ピンクの部屋(Pink Room)」では、アテンドと遊ぶ。踊ったり、ゲームをしたり、歌ったり。個々のアテンドが実際に得意なことをする。
部屋はまだ他にもあり、こうして楽しく体も心もほぐれて、アテンドと参加者が仲良くなると、不思議と自分のことを語りたくなる。過去の自分も、未来の自分も互いにじっくりと対話する部屋が設けられている。
「ダイアログ・ウィズ・タイム」で歳を重ねることについて真剣に考えてみよう。
■「ダイアログ・ウィズ・タイム」開催概要
開催期間:4月27日(土)~6月30日(日) ※一部休演日がある
開催場所:ダイアログ・ダイバーシティミュージアム「対話の森」
住所:東京都港区海岸1丁目10-45 アトレ竹芝 シアター棟1F
体験時間:約90分
料金:大人3,850円(税込)、学生2,750円(税込)、小学生1,650円(税込)
予約:公式サイトより事前予約制
「ダイアログ・ウィズ・タイム」公式サイト:https://dwt.dialogue.or.jp
(佐藤 ひより)