登山アプリの技術の最前線に立つヤマレコは、ユーザーの登山体験をより直感的かつ安全にする新機能「音声ガイド」をリリースした。
プレミアムプラン加入で利用できる
今回リリースされた「音声ガイド機能」は、ヤマレコの有料プラン「プレミアムプラン」に加入すると利用できる。この機能は、5月6日(月)リリースのiOS版アプリ「ヤマレコ」バージョン6.83以降で利用可能。Android版アプリは今後のアップデートでリリースする予定だ。
また将来的には、この技術を利用して、危険地点での音声による注意喚起や、ルート上の見どころを説明する機能を実装する計画だという。
音声で案内し、道迷いを防ぐ
「音声ガイド」は、スマートフォンから音声による読み上げを行い、次のような案内をする。
「分岐アナウンス」では、分岐の手前で「まもなく分岐です。ご注意ください」とアナウンスし、ルート間違いを未然に防ぐ。「地名アナウンス」では、登山口や登録された地点が近づくと「まもなく登山口です」「まもなく〇〇(地点名)です」と案内。
「山頂アナウンス」では、山頂に近づく際に「まもなく〇〇山、山頂です」と案内。「スポットアナウンス」は、ユーザーが事前に設定した特定の地点が近づくと、「まもなく〇〇スポットです」と通知してくれる。登山中のナビゲーションにおいて分岐前に知らせる「分岐アナウンス」の機能は日本初(※)。
「スポットアナウンス」のスポットとは、地図上に自分だけの目印を登録できる機能だ。今回の新機能「音声ガイド」と組み合わせればスマートフォンを何度も確認する必要がない。また間違いやすい場所や分岐を事前に登録しておけば、その場所に近づいたら音声で案内するので道迷いを防いでくれる。
トレイルランニングなどで目安となる場所を登録しておくことで、時間の確認だけで目標ペースからの遅れを把握できるほか、休憩したい場所を事前に登録すれば、音声が鳴るタイミングに従い計画的に休憩を取ることができる。
また「〇〇峠の到着時刻が13時を過ぎていれば下山する」など、登頂を諦めて引き返す判断をする場所をあらかじめ登録しておくことで、その地点での通過時刻を基準に引き返す決断ができる。
無料プランでも「ルート逸脱警告」利用可能
登山者は分岐を見落としたり、意図せず登山道から外れてしまい、道迷い遭難に陥ることがある。
同アプリでは無料プランの登山者でも、予定ルートから外れた後に間違えたことに気が付ける「ルート逸脱警告」を利用することができる。
そのうえでプレミアムプランの「音声ガイド機能」を使えば、予定ルートから外れる前に分岐の存在に気づくことができるようになっている。
膨大な登山者の軌跡から分岐を判定
同アプリの「音声ガイド」は、ヤマレコの計画機能「らくルート」に登録されている登山道(ルート)のデータから3つ以上のルートが交差するポイントを「分岐」として案内する。
この分岐の判定はヤマレコに蓄積している膨大な登山者の軌跡を活用している。このような登山道の分岐を判定し、分岐の手前でアナウンスを行う機能は日本初の取り組みとなる。
しかしながら、現状の「らくルート」では、利用者が少ないルートや一般登山者には推奨できない難路などのルートは登録対象から除外しており、全ての山のルートが登録されているわけではない。
そのためルートが3つ以上登録されていないポイントは分岐と判断されず案内ができない。今後はルートの情報を拡充したうえで、意図的に除外している分岐も判断対象に入れることで、より多くの分岐点での案内が可能となるよう改善を進めていくとのことだ。
また、山頂アナウンスや地名アナウンスは、漢字の地名を使って文字を読み上げる機能を使用しているため、実際の地名の読み方と異なる読み方のアナウンスをする場合がある。今後は地名のよみがなのデータも整備し、読み上げの精度を高める予定だ。
「音声ガイド機能」の詳細については、専用リンクから動画で確認しよう。
この機会に、登山アプリ「ヤマレコ」の新機能「音声ガイド」を、チェックしてみては。
ヤマレコ:https://yamareco.co.jp
登山アプリ「ヤマレコ」:https://www.yamareco.com/yamarecomap
音声ガイド機能の詳細:https://youtube.com/shorts/IE-R_XiX7Ds
※ 2024年5月時点、ヤマレコ調べ。日本国内の登山地図アプリにおいて、あらかじめ指定した目印や地名ではなく「分岐」に到着したことを音声等でお知らせする機能について。
(江崎貴子)