日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、茨城県旧大和村(桜川市)を写真とともに紹介する。
Vol.222/茨城県旧大和村(桜川市)
日本には大和という地名が多いことも、この旅の中で感じることのひとつだ。大和と聞くと、日本らしい地名の中の地名。たとえば現在も神奈川県には大和市があるけれど、桜川市で存在していたのは旧大和村だと知り、「村」だとより日本の心を感じられるなあとも思った。田んぼや市街地、サイクリングロード、それぞれの場所が良い光を浴びて、穏やかな日常に包まれている。
その後、雨引観音こと雨引山楽法寺というお寺へ訪れた。開山したのは587年とのことで、1400年以上の歴史を持つのであれば、その長さに驚いてしまう。名木や大木が樹齢1000年を越しているだけでも、その姿を見てハッとさせられるものがあるのに、それよりも長い時間となると、より想像を超えてクラクラする。
雨引観音は桜やあじさい、紅葉など季節に沿った自然を味わうこともでき、ぼくが訪れた季節はちょうどあじさいの見頃だった。参拝客もとても多く、坂が多い境内の中を、みんなで一生懸命にのぼりおりしていく。あじさいが木漏れ日に照らされ非常に美しく、本堂を中心とした境内そのものが、清々しい気配に包まれていたことも印象的だった。いつの間にか立っていた場所の標高も高く、関東平野の広々とした風景を見渡すこともできた。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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