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全現代語訳&別伝も収録した『日本書紀』シリーズ第1巻が発売

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グッドブックスは、『日本書紀』の全現代語訳+解説本の全8巻の刊行を開始する。6月10日(月)発売の第1巻『日本書紀 全現代語訳+解説〈一〉神代─世界の始まり』には、多くの別伝もすべて収録。『古事記』にはない神話のバリエーションが楽しめる1冊となっている。

あの紫式部も読んだ「最古の正史」


今から1300年前に成立した『日本書紀』は1,000年以上にわたって読み継がれてきた「最古の正史」。あの紫式部も読んだといわれている。

これまで『日本書紀』に関する本は、全現代語訳でも解説のないもの、面白い場面を拾い出してまとめたものがほとんどだった。そこで、30巻をすべて現代語に訳し、解説をつけて一般人も親しめるような本にしようとスタートしたのが同シリーズだ。

この国が「日本」と名のりはじめたちょうどその頃に、「私たちの国はこんな国です」と、アイデンティティを内外に示した歴史書が『日本書紀』。ここには、神々の時代から、建国、国内外の緊張や動乱、そして古代国家の安定期に至るまでの興味深い物語がたくさん記されている。

分かりやすい!読みやすい!


読みやすいようさまざまな工夫をこらしているのも本書の特徴だ。例えば、現代語訳と解説は一目で分かるように色分けがしてある。また、多くの別伝は、文字を小さくして本文との違いを強調し、番号も振ってある。

印象的なシーンには、ダイナミックな作風で知られる渡邊ちょんとさんの水墨画を添え、イザナキとイザナミ、アマテラスとスサノヲの誓約(うけい)などは1ページや2ページ(見開きページ)に収めている。

さらに、難しい語句は脚注を、漢字や神様名にはできるだけフリガナをつけるようにし、中学生でも読めるよう配慮したという。

重要な内容を含む「別伝」もすべて現代語訳


『日本書紀」には「一書にいう」という形で多くの別伝が記されている。

一般向けの『日本書紀』の本のほとんどが別伝を割愛しているが、じつは別伝の中には重要な内容が含まれており、また別伝を割愛してしまうと辻褄が合わなくなる部分も出てくる。

そのため同シリーズは、別伝もすべて現代語訳して解説をプラス。『古事記』にない神話のバリエーションを楽しむことができる。

著者は女子大や社会人講座で人気の寺田惠子氏


『日本書紀』は30巻もあり、「長い」「難しい」と思われがちだ。しかし、同シリーズは女子大や社会人講座で人気の寺田惠子氏(学習院女子大学、和洋女子大学講師)が手がける。

寺田氏は社会人講座で、原文を一文一文、現代語に訳しながら解説をしていくスタイルで、30巻を、約8年をかけて3回おこなっている。受講者からは、当時の人々の様子が目の前に浮かぶようだといった声がたくさん寄せられているという。

同シリーズはその講義録をベースに、できるだけ読みやすく構成されている。

寺田氏による解説も同シリーズの魅力だ。

例えば第1巻では、「男女の交わりのシーンを神話に入れたのはなぜか(国生みの段)」「世界の神話におけるアマテラスの特殊性(天のイワヤの段)」「大地母神としてのイザナミ、そして生と死の起源(神々の誕生の段)」「ヤマタノオロチの正体(ヤマタノオロチの段)」などについて解説。

ストーリーの面白さだけではなく、そこに込められた深い意味、また比較神話学の観点から、当時の人々が考えた「日本」を読み解いている。

全8巻を年2冊のペースで刊行!


同シリーズは全8巻からなり、年2冊のペースで刊行される予定だ。

現在発売中のシリーズの第1巻『日本書紀 全現代語訳+解説〈一〉神代─世界の始まり』には、天地開闢から、イザナキとイザナミの国生み、天の岩窟隠れ、天孫降臨、カムヤマトイワレビコ(神武天皇)までの「神代の巻」が収録されている。


四六判・並製、240ページ、本文2色刷で定価は1,870円。同シリーズで『日本書紀』デビューを果たしてみては。

グッドブックスHP:https://good-books.co.jp

(オガワユウコ)

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