文化審議会は、6月24日(月)に開催された文化審議会文化財分科会における審議・議決に基づき、埼玉県北本市の「デーノタメ遺跡」を国指定史跡に指定するよう、文部科学大臣に答申した。
北本市における国による文化財の新指定は、大正11年(1922年)に「石戸蒲ザクラ」が指定されて以来、実に102年振りの2例目。この答申を踏まえ、秋頃予定の文部科学省による官報告示をもって、正式に国指定史跡に指定されることになる。
「デーノタメ遺跡」について
「デーノタメ遺跡」は、大宮台地の江川流域の台地から低地にかけて立地する、縄文時代中期から後期の環状集落を含む大規模集落跡。
台地の居住域には多数の竪穴住居跡が広がっており、中期の環状集落は長径210m、短径160mと大規模で、関東最大級の大きさを誇る。縄文時代中期及び後期の集落は、ともに台地に近接する水場を伴っており、土中では腐ってしまう植物の種実や昆虫の羽、漆塗土器などが大量に検出されている。
約1200年もの長期にわたる水場を伴う大規模な集落が良好に保存されており、当時の植物資源の利用と生活のあり方を知ることができることや、縄文時代中期から後期にかけての環境変化とそれに適応した人々のくらしを知るうえで重要な遺跡であることが、国指定史跡指定のポイントだという。
三宮幸雄市長コメント
北本市の三宮幸雄市長は、「このたび、国の文化審議会におきまして、『デーノタメ遺跡』を国の史跡に指定するよう、文部科学大臣に答申がなされました。『デーノタメ遺跡』の歴史的な価値が認められ、大変うれしく思います。国指定に向けた取り組みの中で、御指導、御助言をいただきました文化庁、埼玉県、市文化財保護審議会、デーノタメ遺跡調査指導委員会、また、史跡の保存に御理解と御協力を賜りました地権者、地元の皆様をはじめ、多くの関係者の皆様に深く感謝申し上げます。『デーノタメ遺跡』は、1,200年以上も継続していた縄文時代の集落遺跡で、人々は自然と『共生』し、資源を『循環』させ、戦争のない『平和』で持続可能な社会を実現していました。今後は、この遺跡をまちづくりのモデルにするとともに、多くの皆様に愛される『デーノタメ遺跡』を目指し、本市の発展につながるよう努めてまいります」とコメントしている。
「デーノタメ遺跡」をきっかけに、北本市に足を運んでみては。
デーノタメ遺跡が国指定遺跡へ:https://www.city.kitamoto.lg.jp/oshirase/16634.html
(ソルトピーチ)