野菜の“タネ”の研究開発を行う種苗メーカー「大和農園」が開発し、2022年10月から種子の販売を開始した、日本初(※)となる赤色のスイートコーン「大和ルージュ」。その収穫が今年も全国各地で始まっている。
赤色のスイートコーン誕生の背景
奈良で創業100年を超える「大和農園」は、生産者が栽培しやすく、環境変化にも対応した、消費者が食べて美味しい、様々な野菜のタネの研究開発を行う種苗メーカー。
ある開発担当者による「スイートコーンに黄色と白色があるのなら赤色があっても面白いのではないか」というアイデアと、「日本を笑顔にしたい」「農業を盛り上げたい」という想いから、新たな挑戦として「大和ルージュ」のタネが開発された。
日本初という希少性と宝石のように赤く輝く美しさで、種子の発売前からSNSなどで話題となり、昨年から全国各地で栽培が開始。
収穫は、温暖地である沖縄県・九州地方・四国地方は6月上旬から、一般地である関西地方や関東地方などは7月上旬頃から、寒冷地の北海道などは9月頃から順次始まる。
さらに、地域によっては年に2回(夏と秋)収穫できるのも魅力の1つとなっている。例えば、通常の黄色いスイートコーンを夏(7月)に収穫した後に「大和ルージュ」を植えて、秋(10月)に収穫することも可能なのだとか。
栽培地域は年々拡大
「大和ルージュ」を町おこしの一環として活用する地域も増加。今年は東日本大震災の被災地復興のため、宮城県石巻市でも栽培が始まった。
また様々な飲食店で、その赤色を活かした料理やスイーツなどが開発され、なかには有名なミシュラン星付きレストランでも「大和ルージュ」を使った料理がメニュー化されている。
成分面でも、一般的なスイートコーンにはない特徴を持っており、ポリフェノールの一種であるアントシアニンがイチゴの2.5倍(100gあたり45mg)と豊富に含まれている。
そんな「大和ルージュ」の栽培状況やレストランなどの飲食店でのメニュー提供、青果販売の告知については、公式InstagramやXでも確認することができる。
夏だけでなく、秋の彩りとしても利用できるトウモロコシに注目が集まりそうだ。
■「大和ルージュ」詳細
Web:https://yamatonoen.co.jp/yamato-rouge
Instagram:https://www.instagram.com/redcornys
Twitter:https://twitter.com/RedcornYs
※2022年9月末時点で、「日本種苗協会品種名鑑」に赤色(紫色)のスイート種のトウモロコシ品種登録なし。
(柿崎真英)