CCF(サーキュラー コットン ファクトリー)と「KISARAZU CONCEPT STORE」は、サステナブルな紙に障がいのあるアーティストの作品をプリントした「ジクレー版画」を、6月15日(土)より常設販売している。
このSDGsアートの発売は、「KISARAZU CONCEPT STORE」の1周年記念プロジェクトとして実現した。
衣類からつくった和紙に障がい者アートをプリント
CCFは、日本の伝統産業の技術を使い、廃棄される衣類から和紙をつくることに成功。その和紙に障がいのあるアーティストの作品をプリントして「ジクレー版画」として発売した。
サスティナブルな和紙に障がい者アートをプリントすることで付加価値を高め、棄てられない紙にしてCO2の削減にも貢献する意図もあるようだ。
なお、「ジクレー版画」とは、専門の技術者が原画をスキャナーで読み取り、それを専用の印刷機(インクジェットプリンター)で印刷した作品。ジクレーは、フランス語でインクを吹き付けることを意味する。
4名のアーティストが参画、販売価格の約50%を還元
この「ジクレー版画」の販売価格の約50%は、障がい者アーティストに収入支援として届けられる。障がい者アーティストの多くは地元千葉県で活動しており、地域貢献にもなると、CCFは考えている。
アーティストは、全日本アートサロン大賞展や柏市美術展での入選実績をもつ髙木彰光(Akimitsu Takaki)さん、
水性ペンで糸を編むように線をつなげる作風からはじまり、同じモチーフをたくさん並べた絵、最近はオリジナルのキャラクターなども描いている、そうみ(Somi)さん、
タイトルのない作品を描くセイヤミズ(Seiyamizu)さん、
粘土アートや切り絵アートが人気の河津天太(Tenta Kawathu)さんだ。
「KISARAZU CONCEPT STORE」について
「KISARAZU CONCEPT STORE」は、ファッションを楽しむテーマパークであり、新たな服のサイクルを生み出す実験場として、2023年6月に木更津にオープンした。
カジュアルウェアからアウトドア、シューズなどあらゆるジャンルのアイテムが約3,000㎡の空間に並ぶ。どんどん試着したくなる試着室「FITTING STUDIO」も用意し、新たな自分を発見できるかもしれない一着との出会いを後押し。
休憩は「THE OPEN CAFE」で。エシカルな食料品等が並ぶ食物販コーナーもある。
また、洋服の新たなサイクルを生み出すための活動を紹介し、体験もできるエリア「FACTORY LAB」を併設。さらに、知る・学ぶエリア「POP UP STAGE」では、アップサイクルブランドやエシカルなものづくりをしているブランド、取り組みなどを紹介している。
そして今後は、繊維のゴミから作ったCCFペーパーを使用した無料ワークショップを「FACTORY LAB」にて年3~4回開催予定。サステナブルな紙を使う体験を通して、障がいのあるアーティストの魅力を知り、循環型の社会に近づけるようなワークショップとなりそうだ。
CCFについて
CCFは、『「着る」を「資源」に』をキーワードに、廃棄される繊維を紙にしてCO2削減を目指す活動を行っている。
具体的には、使わなくなった繊維を粉砕し、和紙や洋紙、内装ボードなどを製造。⽤途開拓も行い、名刺から部屋の壁に使われるまで広げ、環境への負荷を減らす活動を推進している。
CCFによると、繊維の廃棄物を繊維に再生しても、リサイクル率は17.5%と低いのだそう。それに比べると、紙の回収率は85%、古紙利用率は67%であり、紙にすることの方がはるかに高い循環利用となるという。このことから、CCFは洋服の廃棄物から紙をつくり、活用することを始めた。
CCFは、新たなサイクルを生み出す活動団体として、「KISARAZU CONCEPT STORE」において、入場料300円(中学以下無料)や売上げの一部を協賛する「コントリ」に選定。店内の「FACTORY LAB」では、活動紹介や展示も行ってきた。
ゴミを出さずCO2の削減にもなるオリジナルの紙、障がい者アーティストの収入支援や社会参加という、2つのSDGsを同時に達成するアート販売プロジェクトをチェックしてみては。
■KISARAZU CONCEPT STORE
住所:千葉県木更津市金田東2丁目9番1
営業時間:10:00~20:00(最終入場19:30)
入場料:300円 ※中学生以下無料
HP:https://kisarazu-concept-store.com/
Instagram : @kisarazu_putons
(Higuchi)