日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、福島県旧田島町(南会津町)を写真とともに紹介する。
Vol.252/福島県旧田島町(南会津町)
福島県の地域の違いとして、浜通り、中通り、会津とわかれている。ここまで中通りの白河市や須賀川市を巡ってきた。今日は会津へと移動していく。朝から50kmかけて南会津町の旧田島町を目指した。いつの間にか峠に差し掛かり、左右の景色は森林に囲まれ、さらに何キロあるのだろうというトンネルを抜けた(おそらく4.3キロの甲子トンネルで、福島県で一番長いトンネルらしい)。いま自分がどこにいるのかわからなくなったが、ようやく下郷町に入り、赤と青の屋根をした家々が広がる景色を見ると、会津地方にやって来たことを感じられたのだった。そして、下郷町の交差点を左へ折れて道なりに進むと、旧田島町が現れた。鴫山城址の麓や市街地を訪れる。
鴫山城址はおよそ500年前、中世に築かれた山城だ。遊歩道を進めば、30分ほどで頂上まで行けるという。ただ、熊が怖いので、頂上まで訪れることは諦めた。それでも麓には山門の大きな石垣が残っていた。
会津田島駅前には主要道路があり、片道一車線ずつの道だが、かなり道幅が広かった。そのあとに祇園祭のポスターや看板が目に入る。7月下旬に開催される祭りで、行列は非常に見応えがあると。なるほど、雪で道が狭くなることや、ほかにも理由があるかもしれないけれど、道が広いのは祭りの行列のためではないかと思った。祭りを見れば、答えがわかるかもしれない。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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