日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、福島県旧南郷村(南会津町)を写真とともに紹介する。
Vol.255/福島県旧南郷村(南会津町)
旧伊南村を北へUターンしてまもなく、旧南郷村に入った。市街地は旧伊南村と同じく、伊南川沿いに広がっている。南郷総合支所でカブを停めて、周辺を散策した。支所の目の前を貫通するトンネルがまちの目印のようにも感じられる。「ハローショップ こはま」という地元のコンビニも見つけた。正確にはコンビニではないのかもしれないが、形が明らかにコンビニのようなお店に、旅をしているとたまに出会うものだ。
高清水自然公園という高原地へ行くかどうか直前まで迷ったが、時間を見て断念することにした。やはり会津はそれぞれのまちが広い。そして、トンネルを抜けた先に広がる「道の駅 きらら289」を訪れた。289という数字は国道のこと。お店に入ると食事処があり、急にお腹が空いてきた。時間がないからと我慢してきたはずが、いざ食べられると体が認識すると、空腹を主張しはじめるのだ。
定番の食堂メニューが並ぶ中で、一際目立っていたのは「トマトラーメン」だった。そういうものが気になる年頃でもある。と思ったが、おじいさんやおばあさんたちも、しっかりトマトラーメンをすすっていた。特徴はトマトスープである。でも、イタリアンかといえば、違う。和食のラーメンだ。そして、トマトのさっぱりした味が仄かな下支えをして美味しい。ラーメンにもいろんな可能性があるものだなあと。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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