県内最大規模の水門メーカの乗富鉄工所は、9月29日(日)に福岡県柳川市の乗富鉄工所広場内にて“ツクル”に触れて、知って・楽しめる「ツクルフェス」のイベントを開催する。

“ツクル”を通してこだわりのものを作る・探す・楽しむ

「ツクルフェス」では、多数のワークショップや物販、飲食ブースやステージ企画を行う。“ツクル”に触れて・知って・楽しんでもらうイベントとなっている。

イベントの事前申し込みは不要、入場料は無料だ。

ワークショップブースでは、九州のものづくり企業が集い普段体験できないワークショップを体験できる。い草を使ったミニ畳作りや手織りの体験、水引体験、陶器作り、溶接体験など、さまざまなツクルを楽しむことができる。

ものづくりが好きな人にはもちろん、初心者の人でも楽しめる内容という。自分だけのこだわりのものを、作ってみてほしい。

ちょっと変わったユニークな企業が出店するのは、ブランドショップブース。

情熱大陸にも取り上げられた、線香花火の始まりの形「スボ手牡丹」を作る国内唯一の職人がいる筒井時正玩具花火製造所。「手袋の下着」や「TEMASK(てますく)」などで、数多くのメディアから注目を集める軍手工房など「そんなのあったのか！」と発見できるそうだ。乗富鉄工所の職人が手掛けるキャンプ用品“ノリノリライフ”も出店する。

実際に、見て触ってこだわりの商品を探してみよう。

九州の人気グルメが集結した飲食ブースも注目だ。軽食からスイーツ、クラフトビールなど子どもから大人まで楽しめるグルメがたくさん。

福岡大学商学部の飛田ゼミ・藤野ゼミは、学生が事業計画から商品開発、投資家へのプレゼン、販売、株主総会を行い会社経営を学ぶという「創業体験プログラム」として、期間限定のオリジナル商品を販売。大学生がイチから本気でツクった商品にも注目だ。

ステージ企画では、二組が出演する。福岡市を中心に活動するシンガーソングライターの和色さん、「シーンから生まれる音」を音楽でデザインするアーティストのcellticさんがツクルフェス会場を盛り上げる。

変化を遂げた町工場が手掛ける“ツクルフェス”

創業76年の福岡県内最大規模の水門メーカーである乗富鉄工所。用途に応じて水門をオーダーメイドで多種多様なものづくりを手掛けてきた。ものづくりを通して、独自の発想力や技術力が育ってきたが、5年前職人の高齢化や集団辞職が続き深刻な人手不足に陥いる。

そんな中で、職人の技術や発想力を活用し、外部デザイナーや大学生と共同で自社商品の開発・販売を開始。そうすると、国内外の数々のアワードを受賞し、採用活動も好転したとそう。数年前まで、「何を作っているか分からない」と言われていた町工場が地域で有名になり、今では様々な人たちと有形無形のものを作っているという。

乗富鉄工所は、業界外に飛び出したことで人と繋がり、未来が開けた。そして、地域に素晴らしい技術を持つかっこいい町工場や素敵なクリエイターが多く存在することを知ったそうだ。ツクルことの楽しさやかっこよさを、地域の人に届けたいという想いからツクルフェスは誕生した。

“ツクルフェス”への想い

現在、身の回りはたくさんの“もの”で溢れ、欲しいものはネットで検索すれば、早く・安く・安定して手に入れることができる。豊かさの一方で、どのくらい幸せになれたのか。昨今ものづくりにおいて、生産性がより重視され、その裏側には少しでも安く、安くと消費されている人が多く存在する。

そんな社会の中で、乗富鉄工所はイベントを通して多くの人に“ツクル”に触れ、ものつくりの持つ楽しさや手仕事の価値を感じてほしいという。小さな町工場の小さな活動が、個人、地域、社会に対して好影響を与えられると信じてイベントを開催する。

若手達が前例のないイベントの企画全般を担う

イベントを企画するのは、平均年齢24.5歳の入社1～2年目の若手社員。前例がない中でも、イベントに関わる全てを決定し、周囲の人を巻き込みながら開催に向けて動いている。企画者の本業は様々。本業の傍らで、好きなことや得意なことを活かしたイベント企画を実施している。

様々な“ツクル”に触れて、モノづくりの楽しさや手仕事の感じてみては。

■ツクルフェス
場所：福岡県柳川市三橋町柳河 乗富鉄工所 イベント会場内
日時：9月29日(日) 10:00～16:00
※雨天の場合、10月12日(土)に延期
ツクルフェス公式Instgram：https://www.instagram.com/_tsukuru_fes_

乗富鉄工所公式ホームページ：https://www.noritetsu.com

(西原愛華)