日本対がん協会は、子宮頸がんの原因になるヒトパピローマウイルス(HPV)感染を防ぐワクチンと、その定期接種に関する情報をまとめた特設サイトをリニューアル。
同協会公式サイト内に、特設サイト「子宮頸がんの予防のために HPVワクチン」として公開した。同特設サイトの監修は、大阪大学大学院医学系研究科産科学婦人科学講師の上田豊氏だ。
HPVワクチンについて6つのテーマでわかりやすく解説
特設サイト「子宮頸がんの予防のために HPVワクチン」は、最新の知見を反映し、定期接種の対象者となる小学6年~高校1年相当の女性にもわかりやすい内容になっている。
テーマは全部で6つ。「01. HPVワクチンとは」「02. HPVワクチンの子宮頸がん予防効果」「03. 公的な費用による無料接種(定期接種)」「04. HPVワクチンの接種間隔」「05. HPVワクチンの副反応」「06. ⽇本におけるこれまでの経緯」で構成されている。
例えば、「02. HPVワクチンの子宮頸がん予防効果」では、HPVワクチンの種類についてイラスト付きでわかりやすくまとめている。
Q&Aや参考動画も掲載
また、知りたいことがすぐに見つかるHPVワクチンについてのQ&Aも掲載。「HPVについて」「ワクチン接種について」「副反応について」「子宮頸がん検診について」という4つの項目別に計15のQ&Aを確認できる。
なお、これらのQ&Aは、6つのテーマごとの「関連Q&A」として、各テーマの末尾にも掲載されている。
さらに、参考動画として、5月17日(金)に開催された、上田豊氏による対がんセミナー「⼦宮頸がん予防のHPVワクチン 接種率アップに向けた課題」も閲覧可能だ。
この動画では、HPVワクチンの積極的勧奨が差し控えられていた2013~2021年度の間に公費でのHPVワクチン接種を逃した女性の接種や、定期接種対象者になっている小学校6年~高校1年生相当の女性の接種率のアップといった課題を取り上げ、接種率の推計などとあわせて解説している。
キャッチアップ接種対象者への情報提供も
同特設サイトでは、2025年3月末までのキャッチアップ接種対象者への情報提供も意識した。
1997年4⽉2⽇~2008年4⽉1⽇に⽣まれた人を対象に、無料でHPVワクチンを接種できる「キャッチアップ接種」が公費で⾏なわれている。キャッチアップ接種の公費負担は2025年3⽉までとなる。
合計3回の接種(9価ワクチンのみ、2回の場合もある)が必要で、完了するまでに約6か月間かかるという。全て無料で受けるためには、9月までに1回目の接種を受ける必要がある。
「03. 公的な費用による無料接種(定期接種)」の解説の中で、厚生労働省の「ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの接種を逃した方へ~キャッチアップ接種のご案内~」というサイトへ遷移できるようになっているので、気になる人はチェックしよう。
日本対がん協会について
日本対がん協会は、1958年に設立された公益財団法人。
「がんで悲しむ人や苦しむ人をなくしたい」との目標のもと、民間の立場で「がん予防・検診の推進」「がん患者・家族の支援」「正しい知識の啓発普及」という3つの柱に沿った活動に取り組んでいる。
身近に接種対象者のいる人は、特設サイト「子宮頸がんの予防のために HPVワクチン」をチェックしてみては。
「子宮頸がんの予防のために HPVワクチン」URL:https://www.jcancer.jp/about_cancer_and_checkup/hpv_vaccine
(Higuchi)