日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、宮城県旧若柳町(栗原市)を写真とともに紹介する。
Vol.298/宮城県旧若柳町(栗原市)
次に向かったのは旧若柳町。旧金成町もだったけれど、岩手県の一関市と接しているので、一関市に関する看板もいくつかあった。そして、旧若柳町では「くりでんミュージアム」と「伊豆沼」に訪れた。
くりでんミュージアムに向かう途中は、とにかく田園風景が美しかった。どこまでも広々と田んぼが広がり、人の手によってつくられた風景でありながら、人の手を超えた美を覚えた。
そして、くりでんミュージアムを見学した。この辺りは2007年まで、くりはら田園鉄道が通っていた。線路は今朝訪れた、細倉マインパークの方まで伸びていたそうだ。そして、名前はくりはら鉄道ではなく、くりはら田園鉄道。そう、田園という名前を見て、さきほど感動した田園風景は、地元の方々にとっても素晴らしいものなのだ、と感じられて嬉しかった。
その後、伊豆沼へ。伊豆沼と伊豆沼近くにある内沼は、1985年に釧路湿原に次いで、国内で2番目のラムサール条約湿地に指定されている。沼のそばには「宮城県伊豆沼・内沼サンクチュアリセンター」も建っていて、館内を見学することができた。資料展示が非常に豊富で、伊豆沼や内沼が、とても大切に守られていることを感じた。何より、渡り鳥が集まってくる越冬期に訪れたくなった。
建物から出て最後に伊豆沼のそばまで歩いて行くと、ツンとした匂いが鼻に届き、穏やかな風を感じた。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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