日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、宮城県旧米山町(登米市)を写真とともに紹介する。
Vol.308/宮城県旧米山町(登米市)
大崎市の旧田尻町から、登米市の旧米山町へ。ここからは、登米市の旧市町村を巡っていく。米山町で気になっていたのは『道の駅 米山』だ。何より、道の駅に横綱の銅像があるという情報が気になっていた。
横綱の名は、丸山権太左衛門(まるやまごんたざえもん)。いかにも強そう。
さらに注目すべき点は、彼が“第3代横綱”であること。現在の横綱照ノ富士は第73代だが、丸山関はワン、ツー、スリーでいう、スリーだ。(ちなみに、第73代の内閣総理大臣は中曽根康弘だが、第3代は山縣有朋である。)
と、一概には比較できないかもしれないが、長い歴史の中にも必ずはじまりからその時代を駆け抜けた人物がいる。
道の駅に着くと、まだ朝なので地元の方々が掃除をしている頃だった。そして、道路に向かって体を向ける形で、丸山権太左衛門の銅像が建っていた。筋骨隆々で、体重がすごく重そうには見えないが、いかにも力強そうな姿だった。
道の駅を訪れたあと、7kmほど東へ走り、平筒沼に向かった。道中は平野が多く、田んぼも多かった。そして、周辺は公園として整備されていて、広々と感じられる。湖でも池でもなく沼という区分が、宮城県では多いなあと思う。使われていない船には緑が生い茂っていて、沼の静けさがあった。季節によって感じられる印象も、きっと違うはずだ。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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