more trees(モア・トゥリーズ)は、国内外24か所目となる新たな活動地として、離島を除き“日本一人口の少ない秘境”奈良県野迫川村(のせがわむら)と「森林保全および地域活性化に関する連携協定」を結ぶ。協定締結にあたり、10月2日(水)に、more trees現代表・隈研吾氏が設計を手がけた神宮前の小さな森「AEAJグリーンテラス」に野迫川村の吉井善嗣村長を迎え、協定式を開催する。

野迫川村とmore treesの出会いの背景

野迫川村は奈良県の西南端に位置し、和歌山県と隣接している。村の北部には古くから開けた信仰の山・高野山があり、南には高野龍神国定公園の一部である伯母子岳や護摩壇山が険峻な山容を見せて連なっている。冬季は寒冷で多量の降雪があり、夏季は冷涼で避暑地として広く知られている。

紀伊山地の北斜面に位置する野迫川村は、平均標高700mと標高が高く、年間を通して雲海が発生しやすいことから「天空の国」と呼ばれ、その絶景をひと目見ようと海外からの訪問者も増えているという。

息を呑むほど美しい雲海の舞台となるのは、村の総面積の97％を占める「森林」だ。

戦後に植樹したスギやヒノキだけでなく、ブナやナラ、シデ類など四季を肌で感じることができる300種近くの広葉樹の森も4,000ha以上広がり、豊かな森林資源を有している。

一方、野迫川村の住民は300人を少し超えるほどで、離島を除くと「日本一人口の少ない過疎の村」だ。林業が村の基幹産業でありながら担い手が減っていくなか、日本最少の人口で、日本有数の森林資源をいかに活かし維持して次世代へと手渡していくか。野迫川村がその方策を模索していたときに出会ったのが、森林保全団体のmore treesだった。

都市と森をつなぎ、野迫川村ならではの森づくりへ

more treesは、音楽家の坂本龍一氏が創立し、建築家の隈研吾氏が代表を務める森林保全団体だ。国内外24か所の地域で進める森の保全活動、国産材を活用した商品の企画・開発、イベントを通じた森の情報や魅力の発信など、「都市と森をつなぐ」をキーワードにさまざまな取り組みを行っている。

地域の実情や風土に合わせて「木を植え、育て、適切に伐り、活用すること」を基本とした森の保全活動では、都市の人々とも協働して森づくりを進めることを大切にしている。

森周辺の地域単独では解決できない問題やその地域特有の資源や可能性に対し、都市側の企業をつなぎ、クリエイターやアーティストをつなぎ、専門家をつなぎ、生活者をつないでいくことによって、森と都市がともに生き生きとしていく森づくりを目指している。

野迫川村においても、今後同村での活動に賛同した企業や専門家と協働していく予定だという。他にもさまざまなステークホルダーとのパートナーシップを構築しながら、日本屈指の秘境ならではの景観や文化を育んできた森林の多面的機能の回復を目指し、地域における関係人口の創出にも尽力していくとしている。

協定式について

協定式は10月2日(水)の15:00～16:00に、日本アロマ環境協会(AEAJ)グリーンテラス3Fイベントスペースで行われる。

当日のプログラムは、「オープニング」1分、more trees事務局長・水谷伸吉氏による「more treesの活動と野迫川村との出会い」10分、野迫川村長・吉井善嗣氏による「野迫川村の紹介」10分、「協定書署名／記念撮影」5分、「今後の展望」5分、「質疑応答」20分の予定。プログラムの途中で、隈研吾氏からのメッセージも紹介される。

more treesと野迫川村の今後の活動に注目だ。

more trees HP：https://www.more-trees.org
野迫川村 HP：https://www.vill.nosegawa.nara.jp

■AEAJグリーンテラス
住所：東京都渋谷区神宮前六丁目34番24号
HP：https://www.aromakankyo.or.jp/greenterrace

(yukari)