日本韓食振興協会は静岡県熱海市と共催で、熱海梅園内の韓国庭園をメイン会場とした「日韓グルメフェア2024 in 熱海」を、11月16日(土)・17日(日)に開催する。日本一遅い紅葉の地として知られる熱海にて、「熱海梅園もみじまつり」のオープニングとして昨年に引き続いて行われる。
日韓のコラボを力強く発信
かつては「近くて遠い国」といわれた日韓両国だが、1998年からの韓国・金大中大統領政権下で日本の大衆文化が段階的に開放された。2000年には、熱海の地で森喜朗首相と金大中大統領(いずれも当時)が日韓首脳会談を行い、それを記念して熱海梅園内に「韓国庭園」造成された。
「日韓グルメフェア2024 in 熱海」は、来年の日韓国交正常化60周年につなぐイベントとして、熱海の地から、日韓のコラボレーションを力強く発信していく。
色付きはじめた紅葉をバックに、韓国の伝統家屋「韓屋(ハノク)」の趣を存分に満喫しながら、日韓両国のグルメや文化公演を楽しむことができる。
韓国庭園を「キムジャン(キムチ作り)」の聖地に
イベントの目玉となるのは、「キムチ名人」趙善玉(チョ・ソンオク)氏が講師を務める「キムジャン(キムチ作り)体験」。2013年にユネスコ世界文化遺産に登録された「キムジャン文化」を知ってもらい、発酵する本物のキムチ漬けを体験してもらうことを目的にしている。
キムジャンは、越冬を前に家族や近所と春過ぎまでに食べるキムチを準備する、朝鮮半島の伝統行事だ。作ったキムチは持ち帰ることができる。
体験時間は両日12:00〜13:30、参加料は2000円(税込)、定員は各回50名。参加希望者は公式サイト・メール・FAXで申し込みを。
熱海梅園韓国庭園でのキムチ作り体験は、年4回の定例行事としての実施を目指しており、2025年1月26日(日)にも開催が予定されている。
オリジナルの「熱海キムチ」を開発
また「日韓グルメフェア2024 in 熱海」は、韓昌祐・哲文化財団の助成を受け、行事の開催とともに熱海の地域ブランドとしての「熱海キムチ」の開発を進めている。
地元熱海の緑葉会 陽光の園にて、「熱海キムチ」の素材となる“チョンガク大根”を栽培してもらい、熱海の地元の食材を使った薬念(ヤンニョム)を用いて漬けた、オリジナリティの高いキムチだ。イベント当日にお披露目をし、試食品を提供する予定なのでお楽しみに。
中央広場では舞台イベントを実施
熱海梅園中央広場では、日韓のコラボレーションをコンセプトに、2日間にわたり舞台イベントも実施する。
11月16日(土)は、韓国の伝統打楽器チャンゴの演奏を中心とする「韓国花郎(ファラン)演戯団」による舞台公演、地元熱海からは三味線や太鼓にあわせて舞踊を披露する「熱海芸妓」、韓服と和服でパフォーマンスするダンスユニット「Lil’Betty」が出演。
11月17日(日)は、「熱海芸妓」のほか、熱海市中央町を拠点とするジャズバンド「工藤 Jazz Quartet」による演奏、韓服と和服がコラボするファッションショー「日韓Heritage Fashion Show」が行われる。
さらに、韓国の民俗芸能「農楽」の部隊が園内を練り歩く。昨年の民団大田支部チャンゴチームに続き、11月16日(土)は韓国花郎演戯団、17日(日)は韓国伝統音楽グループ「のりぱん」が登場し、お祭りムードを盛り上げる。
グルメや民族衣装なども楽しめる
このほか、韓国のチヂミやトッポッキなどの定番屋台グルメをはじめ、日韓グルメの飲食ブースが出店し、美味しい料理を堪能することができる。
また、韓服普及協会による民族衣装「韓服」の有料レンタルも行われるので、美しい紅葉を背景に撮影を楽しむこともできる。
さらに、「今韓国の地方が楽しい!各地の食や文化をご紹介」と題して、韓国の江原特別自治道、慶尚北道、慶尚南道、全羅南道の各地方自治体がブースを出展し、地方の魅力をアピールする。
韓国の伝統キムチを伝えるコンテスト
同時に日本韓食振興協会主催「第8回キムチグランプリ」が開催される。
日本で流通しているのは、あまり発酵が進まないタイプの「浅漬け風キムチ」「和風キムチ」などだが、本来のキムチは時間が経つにつれて発酵が進んで酸味が生まれ、深みが出るもの。このキムチグランプリの実施を通して、韓国の伝統キムチを伝えていく。
応募作から書類審査を経た商品を絞った「一般部門」と、協会が選定した「大手企業部門」に、イベント来場者から投票してもらう形で、開催当日にグランプリを決定する。
「日韓グルメフェア2024 in 熱海」に参加して、韓国のさまざまな文化に触れてみては。
■熱海梅園
住所:静岡県熱海市梅園町8-11
日韓グルメフェア公式サイト:https://g-fair.jp
日本韓食振興協会URL:https://www.kanshoku.net
(山本えり)