京都料理組合は、京都の有名料亭100店舗以上が趣向を凝らした料理や伝統の心技を展示する「第118回 京料理展示大会」を、12月13日(金)・14日(土)に京都市勧業館みやこめっせで開催する。
歴史あるイベント「京料理展示大会」
明治時代より100年以上続いている「京料理展示大会」は、京料理文化の発信と発展に深く関わり、京料理に従事する人々と京料理に興味がある人とのつながりを結ぶ役割を長きにわたり果たしてきた。
第1回目は明治19年に開催。東京遷都で衰退の危機にあった京都の経済・文化、京料理を盛り立てたいという想いで、技を盗まれるのを避けるため決して公にしなかった各料理屋の料理が一堂に会したのは画期的なことだった。
「第118回 京料理展示大会」では、京都の有名料亭100店舗以上が集結し、各店が趣向を凝らした料理や伝統の心技を展示するほか、有名料亭の料理人による「料理教室」や魚に手を触れずにさばく食の儀式「生間流式庖丁」、京都五花街の舞妓さんによる「京舞」、有名料亭の食事券が当たる「お楽しみ抽選会」など例年好評のコンテンツが盛りだくさんだ。
特設食堂で「京料理点心」の販売
会場内には特設食堂が開設され、和食の魅力をより身近に楽しめるよう、料亭の点心が特別価格で販売される。
今年は、井傳・辰巳屋・天喜・はり清・三嶋亭・瓢亭(持ち帰り用のみ)が参加する。京料理点心のほかにも、いづうの鯖寿司、京朱雀すし市場の蒸し寿司、河道屋養老のきつねそば、コーヒーなども販売される。
料理は食券での引き換え制となるので、あらかじめ会場内で食券の購入が必要。食券販売は10:00~で、売切れ次第販売終了となる。引換時間は11:00~14:00。
京都屈指の料理人による料理教室
「京料理教室」は、京都屈指の料理人による伝承の技や個性あふれるレシピを自ら実演する料理教室で、ステージでのデモンストレーションとして行われる。教室開催時には数量限定のレシピも配布される。
講師と実演メニューは、12月13日(金)11:20~「木乃婦」高橋拓児氏による「鱈の揚げ煮・蓮根のかにあんかけ御飯」、13日(金)14:00~「山ばな平八茶屋」園部晋吾氏による「一番だし・白みそのお雑煮・紅白なます」、14日(土)11:20~「いづう」佐々木勝悟氏による「鯖姿寿司」、14日(土)13:15~「はり清」森本知行氏による「サワラと豆腐の揚げだし・鶏とカブの和風シチュー」となっている。
食の儀式「式包丁」や舞妓による京舞を披露
「式庖丁」は、平安時代から宮中で節会などのおめでたい日に行われてきた「食の儀式」。このような様式が出来上がったのは平安時代中期以降、藤原道長・頼道の時代で、公家風だ。烏帽子に袴、狩衣姿という当時の衣装を身にまとい、大きな俎板にのせた魚や鳥を直接手を触れずに庖丁刀とまな箸で切り分け、おめでたい形を表す技で、その流儀のひとつが生間(いかま)流式庖丁。生間流は1100年以上も脈々と引き継がれ、今回のステージでは、現在30代目家元である生間正保氏がその技を披露する。
また、恒例の京舞も披露される。京都五花街(祇園甲部、宮川町、先斗町、上七軒、祇園東)の舞妓たちが舞を披露し、会場に華やかさを添える。
だし巻き作りコンテスト
事前にエントリーした参加者が調理の腕前を競う「だし巻き作りコンテスト」も開催。エントリーしているのは、プロの料理人から一般の学生や主婦、会社員など多彩な顔触れ。主催者が用意した玉地とフライパンでふっくらきれいに巻いていく。優勝者には有次の庖丁がプレゼントされる。
「だし」や職人の道具を展示
京料理店の若手経営者が集まり、日々新しい料理を研究している「京都料理芽生会」のブースでは、和食の基本である「だし」の取り方を紹介し、飲み比べも行う。また、匠の技をささえる京料理に欠かせない道具たちに焦点を当て、実際に料理人が使っている様々な調理器具や道具などを特別に展示する。
イベント実施概要
「第118回 京料理展示大会」の入場料は、前売一般800円、当日一般1,000円、学生券800円。ファミリーマート設置の新型マルチコピー機にてイープラスから「キョウリョウリ」で検索でき、手数料なしで発券できる。京都料理組合・組合員各店でも販売している。
「第118回 京料理展示大会」に参加して、京料理の文化や有名料亭の料理人の技に触れてみては。
■第118回 京料理展示大会
日時:12月13日(金)・14日(土)10:00~16:00
会場:京都市勧業館みやこめっせ 3階 第3展示場
住所:京都府京都市左京区岡崎成勝寺町9−1
詳細(PDF):https://kyo-ryori.com/assets/data/Kyoryori_Tenjitaikai108.pdf
京都料理組合事務局:https://kyo-ryori.com
(山本えり)