小・中・高等学校向けの教科書を発行する光村図書出版は、書籍『今日も誰かの誕生日』(二宮敦人氏作/中田いくみ氏絵)を、12月7日(土)に発売した。
『今日も誰かの誕生日』について
『今日も誰かの誕生日』は、児童文学総合誌「飛ぶ教室」で連載された連作短編小説。各回に主人公をすえて、誕生日に起こる出来事や心の動きが丁寧に描かれた心揺さぶる短編集だ。
温かなストーリーの中に、二宮敦人氏ならではの巧妙な仕掛けが光っているのも同書の魅力。誕生日の日の6つの物語を楽しんでほしいとしている。
同書は定価1,540円(税込)、仕様は四六判(188mm×128mm/164ページ)、詳細は下記の光村図書出版HPで確認を。
内容紹介
第1話「一日違いの誕生日」は、一日だけ誕生日が違うことで一学年違いになってしまった、いとこ同士の女子高校生二人の話だ。第2話「僕と家族の誕生日」は、17歳の誕生日に自分が生まれたときの話を聞き、家族への思いをめぐらす男子高校生の話。
第3話「さんざんだった誕生日」は、誕生日の日の朝、突然の腹痛におそわれた26歳の青年の奇跡の出会いについて。第4話「自分の、自分による、自分のための誕生日」は、11歳になった少年が、自分のために開催した自分のための誕生日の話。
第5話「ごくふつうの、なんにもない誕生日」は、バイト先の八百屋の「おっちゃん」を祝いたいのに祝わせてもらえない高校生の話だ。第6話「毎日が誰かの誕生日」は、ケーキ職人と、ケーキ屋になりたい小学4年の少女との誕生日ケーキにまつわる話となっている。
作者からのコメント
作者の二宮敦人氏は、誕生日って何だろうと考えた時に浮かんだのが、全ての人が全ての時全ての場所で祝福されるイメージだったという。
「それが幻想だとしても、少なくともそう望んで誕生日は作られ、脈々と受け継がれてきたのではないか。だとしたらどんな誕生日からも確かな希望がほの見えるはずだと考え、この物語を作りました」とコメントを寄せている。
なお、12月現在、二宮敦人氏による朗読動画を公開中だ。下記のYouTubeでは、第4話「自分の、自分による、自分のための誕生日」の冒頭を作者が読んでいるのを視聴できる。
著者プロフィール
作者・二宮敦人氏は、1985年東京都生まれの作家。『!(ビックリマーク)』(アルファポリス)でデビュー。作品に『最後の秘境 東京藝大-天才たちのカオスな日常』『ぼくらは人間修行中-はんぶん人間、はんぶんおさる。』(以上、新潮社)、『世にも美しき数学者の日常』(幻冬舎)、「最後の医者は桜を見上げて君を想う」シリーズ、「郵便配達人花木瞳子」シリーズ(以上、TOブックス)、『サマーレスキュー 夏休みと円卓の騎士』(文藝春秋)などがある。
絵・中田いくみ氏は、画家・漫画家。漫画に『かもめのことはよく知らない』『つくも神ポンポン』(以上、KADOKAWA)、書籍装画に「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」シリーズ(新潮社)、絵本に『スープとあめだま』(岩崎書店)などがある。
『今日も誰かの誕生日』の編集担当者は、連載に入る前に二宮敦人氏が「誕生日を祝うこと」について、「『人生は生きるに値する』とか『あなたがいてくれて世界はよくなっている』とか、そういう発想から来ていると思う。それが毎日どこかで起きているのは、あらためて思うとすごい」と話していたと振り返った。
同書では、誕生日をテーマにした話の大事なところが見えた瞬間を経て、二宮敦人氏ならではの絶妙な仕掛けが施された物語を、中田いくみ氏によるカバー絵、扉絵とともに楽しめる。この機会に、二宮敦人氏と中田いくみ氏による珠玉のバースデー・ストーリー『今日も誰かの誕生日』を読んでみては。
YouTube 朗読動画:https://youtu.be/yoMXWiwFX0I
光村図書出版HP:https://www.mitsumura-tosho.co.jp/shoseki/tobunohon/book-th014
(さえきそうすけ)