瀬戸内ミライデザインは、日本の伝統文化である着物や帯など廃棄寸前の生地をアップサイクルしたファッションブランド「Re:ADY B」の立ち上げを発表した。
着物や帯などアップサイクルし新たな服を創出
「Re:ADY B」は、日本中のタンスに40兆円規模で眠るとされている着物や帯など廃棄寸前の生地をアップサイクルして、世界に一つだけのユニークなファッションアイテムを製作するファッションブランド。
関わる全ての人がやりがいを持って自分らしく働ける環境を創出しながら、事業も、人も、ともに成長していくことを理念としている。
日本が古来より育んできた技術が生んだ、既にこの世界に在る美しい素材(着物や帯など)の力を借りながら、アパレル業界で問題とされている大量廃棄の課題に取り組み、新たなブランドの概念を構築。
日本文化の象徴である着物や帯を再利用して新しい価値を創出し国内外に展開することで、社会課題解決に取り組んでいく。
4つの社会課題解決の取り組みについて
社会課題解決の取り組みの一つ目は、就労継続支援B型事業所「だんでらいおん」を運営するsmall.stepに、バッグ製作における工程の一部を業務委託し、障がいのある人の就労を支援すること。
障がいのあるなしに関わらず、成果物に応じた報酬を支払うことで、スキルを身につける機会と働く喜びを提供しながら、就労継続支援B型事業所における低工賃問題(※1)の解決に挑んでいく。
二つ目は、着物の廃棄問題への取り組み。衣料品の廃棄量は年間約50万トンとされていて、そのうち68%が可燃ゴミ・不燃ゴミとして捨てられており、着物や帯をアップサイクルすることで、環境への負荷を軽減する(※2)。
三つ目は伝統文化の継承。日本の伝統文化と現代のデザインを融合したアップサイクル商品を展開し、日本の美を国内外へ発信する。
四つ目は女性の働き方改革。「Re:ADY B」は、コアメンバー全員が子育て中の女性であり、結婚や出産といったライフイベントがキャリアに影響するケースがある女性の働き方の改革として、それぞれのライフスタイルに合わせたフレックスな働き方を推進している。
「8-way clutch bag」について
「Re:ADY B」の「8-way clutch bag」は、柄の違う帯を2枚使用した、全てが1点ものの製品。色や質感、模様の違う生地を両面で使うことによって独自性と使用用途の幅を持たせ、普段使いからパーティーまでさまざまな場面で使用できる規格となっている。
既に海外の展示会「Silicon Valley November Summit 2024」でも市場調査を実施。多くの人から好評を博している。
「Re:ADY B」のこれから
同ブランドは、これまで、第8期Campsアクセラレーションプログラム「PANORAMA」および「J-StarX Local to Global Success Program 2024」アクセラレーション/海外渡航フェーズにて採択されている。
当面の目標は国内の企業や団体との協業を進め、瀬戸内ミライデザインがこれらのプロジェクトのHUBとなること。そして事業規模を拡大し、世界に誇るJAPANブランドへと成長することを目指している。
障がいのある人の就労支援や着物の廃棄問題などの社会課題を解決しながら、運営メンバー自身もやりがいとビジョンを持って働き、日本の美を世界へと発信していく。
瀬戸内ミライデザインについて
瀬戸内ミライデザインは、ひろしまサンドボックスをきっかけに広島市に設立。オープンイノベーションによって、都心と地方、人と人など、さまざまな“縁”をつなぎ、関わった全ての人の幸せな未来をデザインするプロジェクトチームで、社会課題を解決する事業を通じて、より良い未来を創造することを目指している。
着物や帯などを再利用した、広島発エシカルファッションブランド「Re:ADY B」のアイテムをチェックしてみては。
Re:ADY Bについて:https://readyb.store/pages/aboutready
瀬戸内ミライデザイン公式サイト:https://sfdesign.co.jp
※1 福祉的就労の利用者には労働関連法規が適用されておらず、就労継続支援B型作業所の2023年度平均工賃は月額で17,031円、時間額233円。
※2 環境省HP調べ
(丸本チャ子)