
困窮家庭に育ち不安定なこども時代を過ごしたサバイバーの人形遣いたちが所属する人形劇団「舞台アート工房・劇列車」は、2月4日(水)~3月31日(火)の期間、経済的な理由から体験の機会が限られている親子とともに無料の「人形劇アート体験」を実施するためのクラウドファンディングを「GIVING100 by Yogibo」にて実施している。
体験格差解消を目指す「ニココ(255)プロジェクト」
経済格差の拡大に伴い、こどもの体験機会の格差も深刻化しているという。福岡県久留米市が令和6年度に実施した「子どもの生活実態調査報告書」では、「経済的な理由で」「こどものための本が買えなかった」世帯は、「一般層」で0.1%、「困窮層」で33.8%に達している。
「アートを体験させたい(したい)」ニーズが、経済的理由によって叶えられない子どもと親が確かにいる。しかし、そこに苦しんでいる親子がいることはまだ十分に可視化されていないと、同団体は感じている。
同団体の上演チームメンバーは、困窮家庭に育ち、不安定なこども時代を送ったそう。この体験格差の問題を自分自身の問題として深く理解している。
「体験格差」の解決は、個人の力では困難かもしれない。だからこそ、255人の輪をつくって支え合い「なんとかしたい」想いで「ニココ(255)プロジェクト」を立ち上げた。
「ニココ(255)プロジェクト」は、当該親子たちを255人の輪で支え、人形劇を開催する10月17日(土)まで255日間かけて実施する。
人形劇を観るだけじゃない1日
10月17日(土)当日は、人形劇を観る以外にもいろいろなプログラムを実施する。

「ドラマダイアログ(観劇対話)」の様子
その1つが観劇対話(ドラマダイアログ)。劇をみたことを土台にいろんなことを話しあう。それは「他者とともに自分をみつめ、自分の可能性をみつける時間」だ。
また、舞台裏探検ツアーやボランティア体験なども実施する。
人形劇当日までの実施企画

こどもと大人で製作したウェルカムダンボールアーチ(2024年7月6日)
3月7日(土)には、久留米市石橋文化センターおよびオンライン(zoom)にて、久留米市のこどもと家庭の実態から「体験格差」を考えるシンポジウムを開催する。
また、4月には、連携する他の市民活動団体や行政との協議をはじめ、7月・8月に「ニココ(255)プロジェクト当日を支える大人と子どもでつくる準備会」ボランティア養成講座も実施予定だ。
代表理事のコメント

「舞台アート工房・劇列車」代表理事の釜堀茂さんは、「こども時代の私を支えたのは図書館で『無料で』借りることができる本の中に広がる別世界であり、大人になってからは自らが作る人形劇の別世界でした。ですから、アートが心を支えるという実感を自分自身の身をもって感じてきました。
人形劇は『観る』ために『集う』ことで、同じ会場で観ている他の方々と、目に見えないつながりが生まれます。まるで空気のように見えないつながりを『目にみえるつながり』にした取り組みが『ドラマダイアログ』です。
本プロジェクトは、無料でこどもに体験機会を提供するだけでなく、多様な体験を通して参加した親子のみなさんが心に『希望』を灯すことを願うプロジェクトです。(一部抜粋)」とコメントしている。
クラファン応援メッセージ

劇団バク(伝究工房)の代表・近藤京三さんは、「小さい時から(落ち着きがなく周りの人と何かが違うな〜と)いつも自分の居場所が分からない異端児でした。そんな僕がこの歳まで何とか幸せに生きてこれたのは人形劇に出会いそれを仕事に出来たからだと思ってます。(一部抜粋)」とメッセージを寄せている。

同団体の体験の場に参加した保護者・久保花奈子さんは、「困難を背負う子ども達は自分自身を守るため鎧をまとい、一日一日を凌ぎ生きています。アート体験の場では、劇の物語になぞらえることで自分の気持ちを吐露しやすく、自然と鎧を脱げる場に成り得ます。この活動を応援しています。」とメッセージを寄せている。
舞台アート工房・劇列車について

P新人賞2022受賞作品『どんぐりと山猫というはなし(一郎くんのリスタートに改称)』では、不登校の少年を描いた
舞台アート工房・劇列車は、「だれもが主人公になれる社会をアートのちからでめざす」をビジョンに掲げて活動中。こどもの居場所を支える市民団体等(子ども食堂やフリースクール等)とともに、こども・親子に人形劇体験を届ける取り組みを2020年度から行っている。
クラウドファンディング挑戦からはじまるニココ(255)プロジェクトの実施によって、体験貧困状態にあるこどもや親子の存在に光をあてることができ、より多様で連続的なアート体験の提供もできるようになると考えている。
GIVING100 by Yogibo:https://congrant.com/jp/yogibo
プロジェクト名:人形劇のちからを親子の希望へ~255人でつくる255日のプロジェクト
目標金額:1,000,000円
■こどもの「体験格差」を考える市民シンポジウム
日時:3月7日(土)13:30~16:30
対面会場:石橋文化センター・石橋文化会館・2階小ホール
会場住所:福岡県久留米市野中町1015
参加費:1,000円
申込:https://forms.gle/Pqwpo1A7oXdUDEcm7
舞台アート工房・劇列車 HP:https://www.dramatrain.jp
(Higuchi)