
企業のブランディングなどを⼿がけるcrackは、企業理念をアートとして可視化してきた取り組みを振り返る個展「crack philosophy ART gallery」 を、東京·原宿の「JOINT AROUND the CORNER」にて、8⽉29⽇(⼟)に開催する。
企業×アートで目指すもの
「ART(アート)ブランディング」とは何か。
crackによると、企業には、それぞれの歴史や社会的な存在意義、目標とするビジョンなどがある。しかし、その「理念」をカタチにすることは意外に難しく、キャッチコピーやスローガン、ロゴなどに反映させることが一般的。
ただ、それだけでは、企業が積み重ねてきた歴史や想い、目指す未来を、社内外に伝え、共感として広げていく役割を十分に果たしているとは言い切れないのではないか……と考え、企業の理念を、人の心を動かし、記憶に残る「象徴」として表現する方法を模索してきた。

crackが最初に手がけた「エフエー」のアートブランディング作品(Guillermo Arismendi 作)
代表の大野氏は、新しい企業ブランディングのあり方を模索する中で、企業の理念そのものを世界的なアーティストたちとともに「アート作品として表現する」という構想にたどり着いた。
2022年4月、この大胆な提案に、北海道札幌市で高級民泊などを運営する不動産会社「エフエー」から賛同をもらい、「ART(アート)ブランディング」が生まれた。
「当たり前」を価値として捉える
企業のもつ素晴らしい価値は、実は「社内の人間には気づきにくい」という側面もあるという。日常の業務が「当たり前」だと思っているためだ。
そこで大野氏は、アート制作に先立つ事前調査を重視。経営層や社員、取引先、顧客など、企業に関わるさまざまな人との対話を重ね、その企業にとってはあまりに「当たり前」で、言葉やカタチになっていない日々の判断や振る舞い、受け継がれてきた想いを丁寧にたどった。
この過程で、まず企業の内側では見過ごされがちな「当たり前」を、社会にとって意味のある価値へと捉え直す手がかりを見出す。その上で、社員一人ひとりの人生観や働く理由にも光を当てながら、その企業にしかない「理念の核」を浮かび上がらせる。
こうして浮かび上がった企業固有の「理念の核」を、アーティストとともにアートとしてカタチにする挑戦を始めた。

広島を拠点に世界的な活動を展開する「IC4DESIGN」に作成を依頼した「裕進運輸様」(本社・三重県)のSymboling
その後、全国のさまざまな企業から依頼を受けるうちに、アートを起点に、音楽やファッションなど表現の領域を広げながら、企業の理念や思想を社会に伝えるブランディング「Symboling(シンボリング)」へと発展した。
企業が重ねてきた歴史や想いを表現
こうした活動を通して、企業がもつ「社員すら気づいていない価値や魅力」をアートなどへ変換する取組を続けて、「自社を自慢できない社員をゼロにする」をモットーに実績を積み重ねてきたcrack。
ここで自分たちの軌跡も振り返り、さらなる飛躍を多くの人と体感、共有できるイベントを企画することになった。

「大代ゼンテックス」の理念アート(miho murakami 作)
今回の「crack philosophy ART gallery」は、これまでの「理念アート」を⼀堂に展⽰。
この展⽰空間は、特定の企業の理念を説明するためだけの場ではない。作品を通して⽴ち上がるのは、企業が積み重ねてきた「歴史」、そこで働く「⼈々の想い」や「誇り」。
来場者には、アートを介して、まだ⾒ぬ企業の理念が持つ熱量や可能性の⽚鱗を感じてもらいたいという。

当⽇は、同社代表の⼤野陣氏によるスタンドアップセッションも実施。理念アートが⽣まれた背景、企業の価値を「象徴」へ変換することの意味、そして同社が今後めざす「企業と表現の関係性」を、展⽰作品と接続しながら伝える。
企業のブランディングとアートとの融合。この展示会を通じて、新しい発見があるかもしれない。
■「crack philosophy ART gallery」開催概要
日時:8月29日(土)11:00~20:00
会場:JOINT AROUND the CORNER 別館 103
住所:東京都渋谷区神宮前3-25-18 THE SHARE
入場料:無料。誰でも自由に観覧可能
「crack」HP:https://www.crack-inc.co.jp
(鈴木 京)