
新潟の米、日本酒、発酵文化を軸に商品開発や事業開発に取り組む「FERMENT8」は、魚沼産コシヒカリから日本酒をつくるプロジェクト「廣新」の新商品として、精米歩合90%の「廣新 飯米醸造」150ml/1,320円(税込)を発売。9月15日(火)〜23日(水・祝)にJR東京駅にて開催される期間限定イベントで初お披露目している。
魚沼産コシヒカリからつくった3種の日本酒

魚沼産コシヒカリから日本酒をつくるプロジェクトである「廣新」の名は、この取り組みをともに進める覺張氏の家に伝わる屋号から取っている。「廣新」では、最初に魚沼産コシヒカリを大きく磨いた「純米大吟醸」をつくった。当時FERMENT8の樺沢敦氏が代表を務めていた津南醸造の商品開発にも採用され、「GO」シリーズへと展開し、現在も国内外で販売されている。
次に挑戦したのは、米をまったく削らずに酒を造る「玄米醸造」。農薬を使わずに育てた魚沼産コシヒカリの玄米を使用した。「大きく磨く」純米大吟醸と「まったく磨かない」玄米醸造という、同じ魚沼産コシヒカリで、両極端の酒造りを試してきた。
そして今回、普段食べている白米に近い精米歩合90%で醸した日本酒「廣新 飯米醸造」が登場した。
普段食べている白米に近い状態で醸す「飯米醸造」

「廣新 飯米醸造」で使うコシヒカリは、酒造用の特殊な精米機ではなく、実際に一般のコイン精米機で精米した。一般的な大吟醸酒では精米歩合50%以下まで米を磨くが、今回は約1割しか削っておらず、普段家庭で食べる白米に近い状態。これを津南醸造にて醸造している。FERMENT8では、このように食用米を食べるときに近い状態のまま日本酒の原料として使う酒造りを「飯米醸造」と名づけている。
純米大吟醸のように大きく磨くのでもなく、玄米のままでもない。普段食べている米に近い状態で、日本酒をつくる。魚沼産コシヒカリで酒造りを続けてきた中で、新たにたどり着いた方法だ。
食用米を日本酒の原料へ
食用米と酒米は、現在それぞれ異なる市場の中でつくられ、流通している。酒の需要が減れば酒米が余る一方、食用米では不足や価格高騰が起き、その後には在庫や価格の変動が問題になることもある。しかし、米は需要に合わせて短期間で生産量を増やしたり減らしたりできる農産物ではない。
そこでFERMENT8が考えたのが、食用米を酒造りにも使えるようにすること。普段食べている米が日本酒の原料になれば、農家がつくる米の行き先は食卓だけではなくなり、酒蔵にとっても、地域で日常的につくられている米を使った酒造りという選択肢が増える。
飯米醸造は、酒米を否定するものでも、日本酒をすべて食用米で造ろうというものでもない。米の使い道を増やし、一般的な農業と酒造りが、今よりもっと行き来できるようにするための一つの方法だ。
9月15日から東京駅の期間限定イベントで販売
「廣新 飯米醸造」は、9月15日(火)〜23日(水・祝)に東京駅・グランスタにて開催される期間限定イベント「JRE Local Hub 燕三条 POPUP & SHOWCASE in 東京駅」にて販売される。少量生産のため販売数量には限りがあるので、興味のある人は早めに手に入れよう。
「飯米醸造」の考え方をまとめた一冊の本
今回の商品発売にあわせて、書籍『飯米醸造』(樺沢敦著/ FARM8 BOOKS発行) 1,650円(税込)も刊行された。日本酒と米の関係、酒米が現在のように使われるようになった背景、魚沼産コシヒカリを使った純米大吟醸や玄米醸造の実践、今回の90%精米による飯米醸造までをまとめている。単に「食用米でも日本酒が造れる」という技術の話だけではなく、農家、米、酒蔵の関係をどうつくり直せるかについても考えられた書だ。
noteでも「飯米醸造」を全6回で公開
また、「飯米醸造」という考え方については、FARM8公式noteでも全6回の記事として公開されている。第1回「酒米が余った6年後、今度は食べる米が余っている。」から、日本酒と酒米の歴史、魚沼産コシヒカリでの醸造、食用米の酒が広がりにくい理由、農家と酒蔵の関係までをまとめている。
魚沼産コシヒカリを普段食べている白米に近い状態で醸した日本酒「廣新 飯米醸造」を味わってみては。
■JRE Local Hub 燕三条 POPUP & SHOWCASE in 東京駅 開催概要
開催期間: 9月15日(火)〜23日(水・祝)
会場:東京駅(改札内)地下1階 グランスタ スクエアゼロ
住所:東京都千代田区丸の内1-9-1
FERMENT8公式サイト:https://ferment8.jp
廣新公式サイト:https://hiroshin.ferment8.jp
飯米醸造 note:https://note.com/farm8/n/n2e6e2230995f
(山本えり)