南極観測などで活躍する海上自衛隊の砕氷艦・しらせが25日、稚内港末広埠頭に接岸した。稚内港の寄港は2016年9月以来10年ぶりで、今年は南極観測開始から70年の大きな節目。しらせの受け入れなどを担う稚内市の南極観測70周年記念事業実行委員会では26、27日にしらせの一般公開を行い、市民などが南極と稚内の深い繋がりに親しみを寄せた。
しらせ隊員や、これから第68次南極地域観測隊として任務に就く隊員を含む約180人の乗員を乗せ、20日に神奈川県横須賀港を出港し、航海を経て稚内港に入った。末広埠頭では接岸に合わせ、稚内大谷高校吹奏楽部の演奏や花火打ち上げで温かく迎えた。
入港式では稚内市や市議会、各官公庁、団体の関係者など約50人が隊員らを歓迎。工藤広市長が「第1次南極観測船・宗谷で南極に行った際、犬ぞり隊が同行。稚内は南極樺太犬が訓練した土地で、夏祭りにも南極という言葉を使い、生活の身近な部分にある。稚内までお越し頂き大変感謝」と挨拶。工藤市長としらせの小坂樹範艦長が記念楯を交換し、稚内市からは今年で竣工90周年の北防波堤ドームをデザインした楯を贈った。小坂艦長は「日本の南極観測が始まり、今年で70周年。稚内は南極と縁が深い土地。今日の出会いを大切に絆を更に深めていきたい」と述べた。
出席者のうち、かつて海上保安庁から第21次隊として任務に就いた経験を持つ門馬勝彦さん(82)は「当時は砕氷艦ふじで南極に向かったが、しらせと船体のカラーリングが似ている。海氷の上を滑りながら進んでいく感覚を思い出しました」と語った。
このあと、出席者や市内の中学生、高校生を対象に艦内を特別公開し、南極観測業務に興味を寄せていた。28日の出港式では、稚内高校吹奏楽部の演奏などで見送りした。
しらせは基準排水量1万2千650トン、全長138メートル、幅28メートル、高さ15・9メートルと大型。厚い海氷を割りながら南極に進み、隊員や物資の確実な輸送に繋げている。(梅津眞二)


道北ネット
名寄新聞社が運営する道北エリアの情報サイト
<関連記事>
