竹浪比呂央(ネブタ・スタイル有限責任事業組合 代表・青森県青森市)は、朝日新聞社が運営するクラウドファンディング「A-port」を通じて、ねぶたのライト「KAKERA」を国際見本市に出品し、ねぶたの美しさで世界を魅了する活動に対して支援を募集します。
「ねぶた」は、東北の夏の夜をいろどる巨大な光の造形、光るアートです。実際に運行したねぶたから切り取った和紙を再利用してつくった照明器具「KAKERA」を初めて国際見本市に出品し、世界に向けて紹介。ねぶたの美しさで世界を魅了しようという活動に対して支援を募ります。
ねぶた師の後継者育成のために
ねぶた師は、子供たちの憧れの職業であり、また多くの人から尊敬される存在ですが、経済的な側面から見ると、ねぶた師への道は極めて厳しいものです。大型ねぶたの実制作は季節労働であるため、一人前になるまで10年はかかるといわれる修業期間にも、他に定職に就くことはできません。そんなねぶた師の世界に生業を提供するため、ねぶた独自の技術と感性を活かした多彩なデザインプロダクツを制作し、世界市場に向けて販売していくことで、ねぶた師をめざす若者たちに生活基盤を提供し、後継者を育成して、ねぶた文化を永続させることに寄与できると考えています。
照明器具KAKERAとは
ねぶたは400年を超える歴史があると言われています。もともと東北各地で七夕に行われていた灯籠流しがその起源といわれているため、その年の祭りが終わるやいなや解体されてしまう存在です。
照明器具「KAKERA」は、そのねぶたのはかなさを長く記憶にとどめるため、実際に運行されたねぶたの色彩和紙の希少な端きれ=「ねぶたのかけら」を新たに価値あるものとしてアップサイクルしました。
「KAKERA」は限定製造で、1台のねぶたから最大で300個までしかつくらないこととしています。これは、ねぶたの彫刻としての面構成が非常に繊細であり、さらに「墨跡」「蠟引」「彩色」の三大技法が用いられたパートを厳選しているためです。この希少な「かけら」を、ねぶた囃子の響きや跳人たちの熱気も伝えたいという思いを込めて、1点1点選別し照明器具につくりこんでいます。
KAKERAを国際見本市で紹介
2016年3月にドイツ・フランクフルトで開催される、世界最大の照明国際見本市“ライトアンドビルディング”で、実際に運行したねぶたから切り取った和紙を再利用してつくった照明器具「KAKERA」を紹介します。青森ねぶたの美しさをひとりでも多くの世界の方にお届けします。
クラウドファンディングの実施にあたって
平成元年に大型ねぶたを制作して以来、ねぶたの芸術・文化としての価値向上や、ねぶた師が職業として成立するように後進の育成などに取り組んできております。特に、ねぶた師をめざす若者たちが長い修行期間中、経済的に生活が厳しい現状が続いていては後継者が育たず、やがてねぶた祭りはなくなってしまうという危機感を持っています。何とかしたいとの強い思いから、ねぶた師の世界に生業を提供するプロジェクトとして、NEBUTA STYLE・照明器具「KAKERA」をつくることに取り組んできました。海外での見本市の出店は、世界に広めていくための第一歩と考えております。
朝日新聞 A-port プロジェクトページ(詳細)
https://a-port.asahi.com/projects/nebuta