山科精器及びHong Kong BlueSky Technologies Innovationより出資/シリーズAを視野に開発を加速
エンドルミナル・ソリューションズ株式会社(本社:大阪府大阪市)は、検診特化型ディスポーザブル内視鏡システムの開発推進に向け、山科精器株式会社(本社:滋賀県栗東市)およびHong Kong BlueSky Technologies Innovation Co., Limited(本社:香港市)を引受先とする総額8,500万円のシードラウンド資金調達を実施しました。

本資金により、開発中の内視鏡及びAI支援システム、検診情報DXシステムの高度化を進めます。
当社が開発する世界最細径4ミリのディスポーザブル内視鏡システムは、従来のバリウム検査に代わる新しい検診インフラとして、苦痛や感染リスクを軽減し、大規模集団検診の効率的な実施を可能とします。
■資金調達の背景
胃がんは、我が国で年間約4万人の方の命を奪う代表的ながんの一つです。早期発見のための検診が行われていますが、現行のバリウム検査は、がん検出精度の低さやレントゲン被ばくの問題が長く指摘されてきました。当社は、バリウムに替わる検診法として内視鏡検査に注目。受診者にやさしく、高精度で安価なディスポーザブル内視鏡システムの開発に取り組んでいます。今回のシード資金調達を通じて研究開発を加速し、我が国だけでなく世界規模で胃がんの早期発見と死亡数軽減に貢献してまいります。
■当社コメント
中島 清一 (創業者代表・取締役、大阪大学次世代内視鏡治療学特任教授)

現在、胃がん検診の主流であるバリウム検査は、がんの検出精度やレントゲン被ばくといった課題を抱えています。一方で、現行の胃カメラは検診目的に開発されたものではなく、検診に使うには明らかにオーバースペックであり、コストや運用負荷の高さも普及の妨げとなっています。私たちはこうした課題に向き合い、胃がん検診に特化した、シンプル、高精度、安価な単回使用の「世界最細」内視鏡の開発を進めています。検診現場の負担を最小限に抑えつつ、より多くの人が質の高い検診を受けられる仕組みの構築をめざしています。
今回の出資を契機に、技術開発の加速と社会実装の推進を両輪として、『胃がん死亡ゼロ社会』の実現に向けた取り組みをさらに前進させてまいります。
神田 拓哉(共同創業者・取締役COO)
日本における胃がん検診の受診人数は2,000万人を超え、開発中の製品は大きな社会的意義と市場性を有しています。さらに中国や韓国をはじめとする東アジアでは胃がんが主要ながん種であり、高い検診ニーズを背景に、当初から国境を越えた展開を視野に入れています。本シード調達により開発を前進させますが、社会実装に向けては今後も継続的な支援が不可欠なプロジェクトです。
2026年末から2027年初旬にシリーズA調達を予定しており、国内外の事業会社との連携を通じて、アジアを起点にグローバル展開を加速していきたいと考えています。胃がん検診の在り方を次のステージへ進めるべく、長期的な視点で共に挑戦いただける投資家・事業会社からのご連絡をお待ちしております。
■出資者コメント
大日 陽一郎 (山科精器株式会社 代表取締役社長)

エンドルミナル・ソリューションズ社が開発を進める「胃がん検診に特化したディスポーザブル内視鏡システム」は、外科医でありながら医療機器開発に20年取り組んでこられた中島清一先生が、これまで積み上げてきた経験を集結し、胃がん検診を根本から変革する挑戦です。社会課題の解決に向けた高い意識と情熱を持つチームの方々とご一緒できることを大変うれしく思います。
今回の出資を通じて、開発・事業を推進し、一日も早く世界中の胃がん検診が高度化されることを期待しております。
張 本炎 (Hong Kong BlueSky Technologies Innovation Co., Limited CEO)

胃がんは、特に東アジアを中心に依然として深刻な健康課題とされています。早期発見につながる有効かつ負担の少ない検診手段の確立は、世界的に喫緊の課題となっています。
エンドルミナル・ソリューションズ社が開発している胃がん検診システムは、「簡便さ」「経済性」「高い精度」を兼ね備え、日本における地域医療格差の是正に留まらず、検診インフラが十分整っていないアジアをはじめとする世界各地において、胃がんによる死亡率低減に大きく寄与できることを期待しています。
当社は今回の出資を通じて、エンドルミナル・ソリューションズ社の革新的な技術と「胃がん死亡ゼロ社会」への揺るぎない志に共鳴し、「医療に国境はない」という理念のもと、一日も早い製品の実用化と社会実装を支援してまいります。あわせて、本システムが将来的に世界標準となる胃がん検診の選択肢の一つとして普及する未来を、同社と共にめざします。
■弊社メディカルアドバイザー(がん検診領域専門医)コメント
加藤 勝章(宮城県対がん協会がん検診センター所長、「対策型検診のための胃内視鏡検診マニュアル改訂版」編集委員会委員長)
本邦において、公的ながん対策として胃内視鏡検診が導入されてから約10年が経過した。現行の胃内視鏡検診は、主に保険診療の枠組みを活用した個別検診を中心に運用されており、高い診断精度を有する一方で、地域医療への負荷が大きいという側面も抱えている。
その結果、検査実施体制のキャパシティの限界や医療機関の地域偏在、さらには高コスト構造といった課題が顕在化し、その恩恵を十分に受けられていない地域が依然として存在している。
エンドルミナル・ソリューションズ社が開発を進める検診特化型ディスポーザブル内視鏡システムは、胃がんスクリーニングに必要十分な性能を維持しながら、従来の内視鏡検診が抱えてきた「集団処理能」「アクセシビリティ」「経済性」という課題に対して、有効な解決策となり得るものと期待している。
本システムが社会実装されれば、巡回バスによる集団検診に依存せざるを得なかった地域においても、胃X線検診(バリウム検査)に代わる選択肢として、精度の高い胃内視鏡検診を提供できる可能性が広がる。
受診者を放射線被曝という不利益から解放しつつ、居住地域にかかわらず、誰もが等しく質の高い胃がん検診を受けられる社会の実現に向けて、本システムに寄せる期待は大きい。
■今後の開発
当社は、デバイス開発に加え、検診業務をサポートするAI支援システムおよび検診情報DXの開発にも取り組んでいます。
本AI支援システムは、検診時に取得される画像情報等を活用し、観察・記録・判定といった検診業務一連を支援・効率化することを目的としています。あわせて開発を進める検診情報DXでは、検診結果や関連情報をデジタル化・一元管理し、検診機関や自治体の業務効率化とデータ利活用の高度化を図ります。さらに、本検診情報DXにより、受診者自身が検診情報を継続的に確認できる仕組みの構築を目指しています。これにより、受診者の健康意識向上や継続的な受診行動を促進するとともに、検診機関における説明負荷の軽減、自治体における検診事業の質向上や運営効率化にも貢献します。これらの詳細な技術内容については、特許出願を含む知的財産戦略の進展に合わせて、順次開示する予定です。
中期的には、デバイス、AI支援システム、検診情報DXを一体で設計することで、検診の効率化と質の均質化を同時に実現し、胃がん検診の新たなスタンダード確立を目指します。
■本件に関するお問い合わせ先
エンドルミナル・ソリューションズ(株) 担当: 神田
URL: https://endoluminalsolutions.com/contact/