JAXA・東京大学の研究成果を基盤とし、グローバルでの早期警戒システム(EWS)に資する大雨/洪水予測や水資源/気候変動リスクの予測を行うAquniaが設立から基盤整備を経て、事業活動を本格始動
株式会社Aqunia(本社:東京都中央区、代表取締役:出本 哲、以下「Aqunia」)は、2025年8月の設立以来、技術基盤の構築・検証・パートナーシップ形成など事業の基盤整備を進めてまいりました。この度、その基盤を踏まえ、グローバルでの洪水予測・水資源・気候変動リスク予測事業の本格展開を開始することをお知らせします。
Aquniaは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)および東京大学の研究成果を予測システムの中核基盤として活用し、独自技術とあわせて各国・各地域で利用可能な洪水・水資源予測ソリューションを展開しています。現地の地上観測網が未整備なグローバルサウス等の政府機関に対しても、独自技術により高精度な「大雨・洪水予測」の社会実装を推進し、水害被害の軽減に貢献します。それと同時に「水資源予測」を通じて、水不足の問題にも貢献します。さらに中長期的な「気候変動リスク予測」等を通じて、民間企業も含めた組織におけるリスク評価や対策投資を実現し、官民双方の気候変動適応に向けた意思決定を支援します。

世界の水災害・水資源/気候変動リスクを予測するAqunia設立、本格始動
■ 背景:気候変動時代における国際防災協力と広域・高精度な予測への期待
気候変動により水災害が世界規模で激甚化するなか、日本政府は防災技術・インフラの海外展開を国家戦略として明確に位置づけ始めています。高市首相は2026年2月の施政方針演説において、日本の防災ノウハウや技術を積極的に世界へ展開する方針を表明。同年3月には災害対策の新たな司令塔となる「防災庁」設置法案が閣議決定され、国土強靭化の取り組みが加速するとともに、官民一体での国際防災協力に向けた制度的基盤が整いつつあります。
こうした政策の潮流のなかで、特に重要な市場として浮上しているのがグローバルサウスです。一例として、2025年12月には、中央アジア5カ国の大統領が訪日し、高市首相も立ち会うなか、経済産業省主催「中央アジア+日本」ビジネスフォーラムが開催され、グリーン・デジタルなど幅広い分野で158件の協力文書が締結されました。
日本とグローバルサウス諸国との経済協力を官民一体で加速する姿勢が明確に示された中で、気候変動への対応・防災もこうした連携の重要テーマの一つとして位置づけられており、水災害リスクの予測・軽減に向けた日本技術への期待は高まっています。
しかし、これらの地域では地上観測網の整備が不十分なケースが多く、広域をカバーしながらも現場の意思決定に資する精度を持つ予測情報の提供は、依然として技術的な難題です。Aquniaは、この課題を解決する予測システムの提供を通じて、日本発の防災技術が世界に貢献する流れを加速させます。
■ 技術基盤:JAXA及び東京大学の研究成果と独自ローカライズ技術の融合
Aquniaの技術基盤は、JAXA及び東京大学が開発した全球水循環シミュレーションシステム「Today's Earth」の研究成果です。本システムは、衛星データを融合した陸域の水循環シミュレーションシステムで、地球全域の河川流量・土壌水分量・浸水リスクといった水循環情報を継続的に推定・予測する特徴を備えています。地上観測なしには把握困難なこれらの情報を全球規模で算出できる点が、本システムの強みです。2026年3月にTE-Globalが更新され、約10km格子での全球陸域水循環情報のリアルタイムモニタリングと、5日先までの予測が可能になりました。
参考)https://www.eorc.jaxa.jp/water/index_j.html
当社は、地球規模の予測技術に対し、地域の詳細なデータを反映させる独自の「ローカライズ技術」を融合させています。グローバルモデルと、各地域の詳細モデルや現地の地上観測及び衛星観測データとをシームレスに繋ぐことで、「世界中をカバーする広域性」と「現場で使える地域適合性」の両立を実現します。
現在、東京大学芳村圭研究室との共同研究を通じ、技術のブラッシュアップを行っており、さらなる社会実装に向けて推進してまいります。
【コメント】東京大学 生産技術研究所 芳村 圭 教授
「私が取り組んでいるグローバルリアルタイム洪水予測は、単に予測精度を高めるだけではなく、社会に実装され、市民がその価値を実感できて初めて意味を持つ技術です。しかしながら、大学における研究だけでは、その「実装」の部分に踏み込める範囲にはどうしても限界があり、場合によっては机上の議論にとどまっているのではないかと葛藤しています。Aquniaのような企業が担う社会実装の取り組みによって、こうした限界が突破されることを大きく期待しています。」
■ 実績:公的機関・民間財団による事業採択
設立間もない中、公的機関・民間財団により以下の助成事業に採択されています(抜粋)。本ソリューションの社会的意義や実現性について、一定の評価をいただいているものと受け止めています。
1. 経済産業省「令和6年度補正 グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(小規模実証・FS事業)」(採択)
株式会社Specteeとともに、ベトナムにおけるSNS等を統合したAI危機管理情報プラットフォームと洪水予測ソリューションの現地ローカライズ実証を実施。早期警戒システム領域での事業化を目指します。
2. 東京都・東京都中小企業振興公社「航空宇宙産業への参入支援事業 宇宙製品等開発経費助成」(採択)
衛星データと連携したグローバル洪水予測システムの開発・改良を推進します。人工衛星から得られる観測データを活用し、コア技術のさらなる高度化とグローバル展開に向けた実証を進めています。
3. 公益財団法人PwC財団「2025年度秋期 地球環境(災害予測)」助成(採択)
広域・ローカル双方に対応した洪水浸水予測ツールの開発に対し、助成が決定。気候変動に伴い激甚化する洪水被害の軽減に資する予測システムの構築を推進しています。
■ Aqunia代表取締役 出本 哲のコメント
「気候変動による水災害や水資源の問題が世界規模で深刻化するなか、観測網が十分に整備されていない地域でも、人々の意思決定を支える予測情報を届けることが急務だと考えています。アカデミックの研究成果をベースにしながら、世界中での社会実装に向けた技術開発と展開をスピード感を持って実現するため、Aquniaを設立しました。今後、東南アジア・中央アジア・アフリカなどのグローバルサウス地域を含め、防災・気候変動適応領域にて日本発の技術が世界で貢献する流れを本気で加速させて参ります」

プロフィール少年期から気象予測・気候への関心が強く、14歳で気象予報士資格取得(当時最年少)、東京大学大気海洋研究所修士。PwC、アーサー・ディ・リトル(ADL)にて戦略コンサルティング、AIスタートアップ・アラヤCSO、気候テックスタートアップGaia Vision共同創業者を経て、2025年8月、Aqunia創業。
■ 会社概要
会社名 : 株式会社Aqunia
代表者 : 代表取締役 出本 哲
設立 : 2025年8月
所在地 : 東京都中央区日本橋
事業内容 : 洪水・水資源・気候変動リスクの予測システム開発および関連コンサルティング
公式サイト: https://aqunia.com
【問合せフォーム】
https://aqunia.com/contact/