約1,800kWの電気と約3,800kWの熱を供給するコージェネレーション
フォレストエナジー株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:沼 真吾)は、和歌山県新宮市における木質バイオマス発電事業(以下、新宮プラント)の資金調達について、株式会社紀陽銀行をアレンジャーとするプロジェクトファイナンスによるシンジケートローン契約を締結致しました。新宮プラントは2020年12月の稼動に向け新たな一歩を踏み出します。
新宮プラントについて
新宮プラントは、年間約2万トンの原木を紀南地域から集材、自社工場でウッドチップに加工・乾燥して、約1,800kWの電気(約3,900世帯分)及び約3,800kWの熱(温水)を供給します(コージェネレーション、以下「コジェネ」)。
新宮プラントには当社が提携するオーストリアSyncraft Engineering GmbH(以下、Syncraft)のガス化設備とJenbacherのガスエンジンを各4台設置します。本件はSyncraftのガス化設備を使う、日本での初めてのプロジェクトになります。Syncraft製品は発電効率29%、総合エネルギー効率は約85%と高いこと、樹皮(バーク)を含む原木を丸ごと燃料として使用できること並びに安定した稼働実績を有することから、近年オーストリアを中心に実績を伸ばしています。
新宮プラントではチップ工場と乾燥機を併設することで、燃料供給元で加工・乾燥工程を負担することなく、間伐材・低質材の流通量を増やすことができるため、地域の素材生産会社及び林業者の事業拡大を通じた森林整備の促進に役立つものと考えます。このような、国内のバイオマス資源を100%使用したバイオマス発電所の普及を通じて、地域で未利用になっている木質資源に適切な価値をつけることで地域経済の活性化を図ると同時に森林の健全な再生・成長を支援してまいります。
今後は、超小型コジェネ設備Volter 40の紀南地域での販売も開始します。Volter 40はグリーンハウスや工場など熱需要地の近くに設置することを想定した40kWの電気と100kWの熱を供給する超小型設備であり、地域における木質バイオマスによる熱利用をさらに促進するものです。新宮プラントから乾燥ウッドチップの供給や設備のメンテナンスサービスを提供することで、地域資源循環型エネルギーシステムの構築を進めていきます。

ご参考1.:新宮プラントの事業概要
[表1: https://prtimes.jp/data/corp/27017/table/9_1.jpg ]
事業概要は本件発表時点での計画であり、今後変更となることがあります。
ご参考2.:フォレストエナジーの地域資源循環型エネルギーシステム
2017年に経済産業省並びに農林水産省の連名による「地域内エコシステム」が公表され、地域経済振興・分散電源の拡大・熱利用の促進を図る活動が本格化しました。しかしながら、多くの地域で適用できる汎用的な事業モデルはまだ確立されていません。その背景には、地域で熱を使う配管網がないことや適格な木質燃料を安定的に手に入る商流がないなど、ほとんどの地域で事業インフラが整っていないことが大きく影響しています。これら課題を解決するため、当社は規模の異なるコジェネ設備を組み合わせ、地域全体で連携する事業モデルを提唱します。今後、新宮プラントを中核とした地域資源循環型エネルギーシステムを構築していく予定です。

[表2: https://prtimes.jp/data/corp/27017/table/9_2.jpg ]
ご参考3.:Syncraftのコジェネ設備

[表3: https://prtimes.jp/data/corp/27017/table/9_3.jpg ]
ご参考4.:Volter のコジェネ設備
