既存の実験機器の入れ替えなく、実験操作をロボットに置き換える自動化システムを実機展示。自動化が難しいとされる遠心工程では、トミー精工様との共同検討によるモジュールを初公開。
人が行っている実験操作をロボットで代替する技術を開発する Tsubame Lab 株式会社(本社:東京都文京区湯島、代表取締役 CEO:楢崎 鴻司朗)は、2026年9月2日(水)から4日(金)まで幕張メッセで開催された JASIS 2026 に出展しました。本リリースでは、当日ブースでご紹介した内容と会場の様子をお知らせします。

JASIS 2026 の Tsubame Lab ブース。実験自動化システムと AMR を展示しました。
JASIS 2026 について
JASIS は、一般社団法人日本分析機器工業会および一般社団法人日本科学機器協会が主催する、分析機器・科学機器の総合展示会です。2026年は「ラボオートメーション・フィジカルAI」をテーマのひとつに掲げており、Tsubame Lab もその一社として実機によるデモンストレーションを行いました。

[表1: https://prtimes.jp/data/corp/180662/table/9_1_bed6548596a96a9c4464b869753e81a4.jpg?v=202609242245 ]
背景 ─ 研究のスピードと再現性を左右する「実験作業」
企業・大学の R&D 現場では、試薬調製・分注・搬送・記録といった反復作業の多くを、現在も研究者やスタッフが手作業で担っています。AI により仮説生成や解析が高速化されていく一方で、実際のラボでの「実験作業」は研究のスピードと再現性を左右する重要な工程として残されています。
Tsubame Lab では、ロボットを介して実験機器をPC上から操作できるようにし、研究者や AI がオンラインから実験を実行できる研究自動化環境の構築を進めています。インキュベーターからの取り出しやタッチパネル操作、分注、キャップの開閉といった、人の手で日々くり返している操作をロボットに置き換えていくことで、研究室にすでにある実験機器はそのままに、工程ごとのモジュールとしてご提供しています。
当日ご覧いただいた展示
1. 7つのモジュールを連結した、プラスミド構築ワークフローの自動化
搬送・秤量・コロニーピッキング・分注・キャップ開閉・インキュベート・遠心の7つのモジュールを連結し、一連の工程を自動化する構成をお見せしました。モジュールは1台単位で導入でき、必要に応じて追加することで、自動化する工程を広げられます。搬送は、ロボットアームを搭載した自律走行搬送ロボット(AMR)が担い、試薬棚・保管庫・実験台・測定機器の間を移動します。コンベアやレールを床に固定して搬送する方式と違い、実験室に据え付けの工事を行う必要がありません。試薬やチップが切れるたびにアラートで人が呼び出される、といった場面を減らせます。

連結した7つのモジュール。搬送・秤量・コロニーピッキング・分注・キャップ開閉・インキュベート・遠心の各工程を担います。
2. 遠心工程の自動化 ─ 株式会社トミー精工様との共同検討
上記7つのモジュールのうち、今回初めて公開したのが、この遠心モジュールです。ラボオートメーション分野では難易度が高いとされる、遠心機ローターの取り出し、チューブのセット、遠心、チューブの取り出しまでの一連のフローを自動化しました。株式会社トミー精工様との共同検討によるもので、同社の微量高速冷却遠心機を用いています。遠心は多くのプロトコルで発生する一方、機器の構造上、自動化が後回しにされてきた工程です。そのため、前後の工程を自動化しても、ローターの着脱やチューブの出し入れのために人が立ち会う必要が残っていました。遠心を含めて自動化できると、AMR による搬送と組み合わせ、一連の実験を人の介在なく続けて動かせる範囲が広がります。


遠心モジュール。ローターの取り出しからチューブの着脱までをロボットアームが担います。
3. 分注に特化した卓上パッケージ「JASIS 2026 Small Package」
ピペット操作に特化した卓上型の自動化パッケージです。横70cm × 奥行き50cm、重量20kg と小型で、実験台の上からクリーンベンチの中まで、置きたい場所にそのまま設置できます。本体は 11kg と 9kg の2つに分かれるため、専門の据え付け作業を必要とせず、研究者ご自身の手で持ち運び、レイアウト変更や別室への移動も気軽に行えます。制御には独自基盤ソフト「Tsubame Studio」を用いており、プログラミングなしで動作を組み立てられます。
[表2: https://prtimes.jp/data/corp/180662/table/9_2_c19d10c6a7424b6ef4a90de4ea4bc918.jpg?v=202609242245 ]
※記載内容は参考情報であり、動作・仕様等を保証するものではありません。構成・工程により変動します。

分注特化の卓上パッケージ「JASIS 2026 Small Package」。実験台上で使用可能です。
当日の様子
会場では、製薬・化学・食品・素材メーカーの研究開発部門の方々、分析機器メーカーの方々、大学・公的研究機関の研究者など、多くの皆さまにブースへお立ち寄りいただきました。分注や秤量といった個別工程の自動化から、遠心のように自動化が難しいとされてきた工程、既存機器をどこまでそのまま使えるかまで、幅広いテーマについてご質問・ご意見をいただきました。
実験自動化に取り組む方々と直接対話し、現場のニーズや課題を伺えたことは、私たちにとって大きな収穫となりました。いただいたご意見は、今後の製品・サービスの開発に活かしてまいります。

ブースで実機をご覧いただく様子。研究者・技術者の皆さまと直接対話しました。
今後の展望
- 自動化モジュールの拡充
- 既存の実験機器との接続範囲の拡大 ─ メーカーを問わない機種対応
- AMR が装置間を移動することで、1台の装置ではなく研究室全体を一つのシステムとして自動化する範囲の拡大
- ラボ機器を外部のソフトウェアや AI から呼び出せるようにし、研究者がオンラインから実験を実行できる環境を段階的に実現
- 機器メーカーとの共同検討の継続 ─ 自動化が難しいとされてきた工程への展開
引き続き、研究現場の自動化に貢献できるよう取り組んでまいります。
代表コメント
「実験の自動化は、大きな設備を新しく入れることだと思われがちです。JASIS で見ていただきたかったのは、いま研究室にある機器を、そのまま自動化できるということでした。1台から始めて、必要になったら足していける。遠心機も例外ではありません。トミー精工様との共同検討により、これまで自動化が難しいとされてきた遠心の工程を、いつもの遠心機のまま自動化できることをお見せしました。研究者が反復作業から解放され、本質的な問いと判断に集中できる環境づくりを、機器メーカーの皆さまとともに進めてまいります。」
─ Tsubame Lab 株式会社 代表取締役 CEO 楢崎 鴻司朗

代表取締役 CEO 楢崎 鴻司朗
会社概要
[表3: https://prtimes.jp/data/corp/180662/table/9_3_d4431442d83e421243c3409010cb8145.jpg?v=202609242245 ]
Tsubame Lab 株式会社は、2025年に設立されたラボラトリーオートメーションのスタートアップです。ロボット・AI・クラウド技術を組み合わせ、研究者がオンラインから実験を設計・実行・記録できる新しい研究インフラ「Cloud Lab」の構築を進めています。実験機器やロボットを API/MCP 経由で操作可能にすることで、実験の再現性向上や研究開発の効率化に貢献することを目指しています。