
株式会社スキマメディア(本社:愛知県名古屋市、代表取締役:上田 大季)は、昨今のデジタル広告市場における消費者の行動変容について、公開されている最新データを基に独自の分析を行いました。
調査の背景・目的
近年、デジタルマーケティング市場が拡大を続ける一方で、生活者の間では「広告疲れ(Ad Fatigue)」と呼ばれる現象が深刻化しています。 「Web広告の効果が以前より落ちている」「若年層にリーチできない」といったマーケティング担当者の課題意識に対し、その根本原因を明らかにするため、株式会社スキマメディアは公開されている最新の市場データ(アプリランキングおよび意識調査)を多角的に分析いたしました。
本レポートは、数値データに基づいて「消費者の本音」を可視化し、これからの時代に求められる「嫌われない広告コミュニケーション」のあり方を提言することを目的としています。
Q. なぜ人々は、お金を払ってまで広告を消すのか?
日本のApp Storeにおける「2024年トップ有料アプリランキング」において、広告ブロックアプリ「280blocker」が1位を獲得しました(出典:Apple「App Store 2024年トップ有料アプリランキング」他)。 これは2023年に続く2年連続の首位であり、一時的なブームではなく、生活者の切実なニーズとして定着していることを示しています。また2025年位おいても12/6時点で有料アプリランキング”2位”にランクインしています。

▼ App Store 2024年 トップ有料アプリランキング(日本)
(出典:各種メディア報道およびApple発表データを基に作成)
分析: iPhoneユーザーの多くが、ゲームや便利ツールよりも、「広告を消すこと」にお金を払っています。これは、「無料の情報を見るためなら広告を我慢する」という従来のインターネットの前提が崩れ、「お金を払ってでもノイズ(広告)を排除したい」という強い拒絶反応を示しています。
A. Z世代の約9割が動画広告に「不快感」
なぜ、これほどまでに広告は嫌われてしまったのでしょうか? その背景には、スマートフォンの普及と共に爆発的に増えた「動画広告」や「割り込み型広告」の存在があります。
2024年に公開されたZ世代(18歳~27歳)を対象とした意識調査によると”89.9%”ものユーザーが動画広告を「不快」と感じていることが明らかになりました。

▼ 広告フォーマット別「不快」と感じる割合(Z世代)
(出典:株式会社ICA「Z世代が抱く広告のイメージに関する調査」2024年発表データより)
分析: 特に「動画広告」「バナー広告」など、Web上の広告に対する不快感が突出して高いことが分かります。一方で、テレビCMや雑誌広告などの「従来型メディア」への不快感は相対的に低く、「コンテンツへの強制的な割り込み」が嫌悪感の主因であることがデータから読み取れます。
現代の広告において重要なのは「見せられる広告」→「見たい広告」
オンライン広告が「不快なノイズ」として排除される一方で、「リアルな体験空間」における広告は見直されつつあります。
同調査において、屋外ビジョンや店舗内のポスターなど「自分のペースで視認できる広告」に対しては、動画広告に比べて不快感が少なく、肯定的な評価が見られました。
▼ データから導き出される「嫌われない広告」の3条件
体験を阻害しない(動画の途中で止まらない)
自分のペースで見られる(強制視聴ではない)
場所の文脈に合っている(コンテキストマッチ)
◎スキマッチが提唱する「これからの広告」
株式会社スキマメディアが提供する『スキマッチ』は、こうした消費者のインサイトを捉え、「サウナ室」や「ジムのロッカー」といった「スマホを置いた瞬間の、没入できるスキマ時間」を価値あるメディアとして再定義しています。
「アドブロッカーが1位」という事実は、マーケターへの警告であると同時に、「リアルな場所」の価値再発見への道標でもあります。 デジタルで届かない顧客層へ、スキマッチは「記憶に残る体験」を通じてアプローチします。