五月雨手配、AI自動計画、完工前の損益予測などを搭載し、2026年9月30日より提供開始

株式会社日本コンピュータ開発(本社:神奈川県海老名市、代表取締役:江口 圭司、以下「NCK」)は、個別受注・多品種少量生産を行う中小・中堅製造業向けの生産管理システム「FUSE」を全面刷新し、2026年9月30日より新しい「FUSE」として提供を開始します。
新しいFUSEでは、BOM(部品表)の完成を待たず、確定した部品から先行して手配できる「五月雨手配」、納期・作業負荷・設備能力などの条件をもとに生産計画のベース案を自動作成する「AI自動計画」、完工前から案件の損益着地を把握する「リアルタイム着地点予測(EAC管理)」などの機能を新たに搭載しました。
短納期化や人手不足、設計変更への対応など、個別受注製造業を取り巻く課題に対し、受注から設計、調達、製造、原価までの情報を一元的に管理し、案件の進行中から判断・対応しやすい生産管理を支援します。
■FUSE全面刷新の背景
個別受注・多品種少量生産を行う製造現場では、顧客ニーズの多様化や短納期化への対応が求められています。
特に産業機械、金型・治具、試作・精密加工などでは、製品ごとに仕様が異なることに加え、設計途中での仕様変更や、納期の長い部品を早期に手配しなければならないケースがあります。
一方、生産計画や部品手配、進捗確認などをExcelやホワイトボード、担当者個人の経験に依存している場合、変更への対応や情報共有に負荷がかかりやすくなります。
また、人手不足や熟練者の退職が進むなか、生産計画や見積、工程判断などを特定の担当者に依存し続けることも、製造現場における課題の一つとなっています。
NCKでは20年以上にわたり、中小製造業向けのシステム導入を支援してきました。こうした現場で蓄積してきた知見と、従来のFUSEで培ってきた生産管理機能をもとに、個別受注製造業の業務変化により柔軟に対応できるよう、FUSEを全面的に刷新しました。
■「完了後に確認する管理」から「進行中に判断できる管理」へ
新しいFUSEでは、業務が完了してから実績を確認するだけではなく、案件の進行中から状況を把握し、次の判断につなげやすくする機能を強化しています。
1.BOM完成前から手配できる「五月雨手配」
個別受注生産では、すべての図面やBOMが完成するまで部品手配を待つと、納期の長い部品の調達が間に合わない場合があります。
新しいFUSEでは、BOM全体が完成していない段階でも、設計が確定したユニットや部品から先行して手配できます。
設計、調達、製造を順番に進めるだけではなく、確定した部分から並行して業務を進めやすくすることで、短納期案件への対応を支援します。
また、手配後に設計変更が発生した場合には、発注済み・未入荷の部品など、変更の影響を受ける情報を確認できる仕組みを備えています。
2.生産計画のベース案を作成する「AI自動計画」
生産計画は、受注納期や各工程の作業負荷、設備の稼働状況など、複数の条件を考慮する必要があります。
特に多品種少量生産では、案件ごとに工程や納期が異なるため、計画担当者の経験に依存しやすい業務の一つです。
新しいFUSEの「AI自動計画」では、納期、作業負荷、設備能力などの条件をもとに、生産計画のベース案を自動作成します。
担当者は作成された計画を確認し、現場固有の条件や状況に応じて調整することで、ゼロから計画を組み立てる業務の負担軽減を図ることができます。
作成した計画は、ガントチャートや生産計画ボード上で確認・調整できます。
3.完工前から採算を把握する「リアルタイム着地点予測」
個別受注生産では、案件の完了後に原価を集計した結果、想定以上にコストがかかっていたことが判明するケースがあります。
新しいFUSEでは、案件ごとに
- すでに発生しているコスト
- 発注済みで今後発生するコスト
- 未手配分として今後発生する予定コスト
などを組み合わせ、完工時の損益着地を予測する「リアルタイム着地点予測(EAC管理)」に対応しました。
案件の進行中から採算状況を確認できるようにすることで、赤字リスクの早期把握や、対応判断を支援します。
4.設計用BOMと製造用BOMを分けて管理
新しいFUSEでは、設計段階で使用するE-BOM(Engineering BOM)と、実際の製造に使用するM-BOM(Manufacturing BOM)を分けて管理しながら、両者の情報を連携できます。
設計変更が発生した場合や、製造現場で代替部品を使用する場合などにも、設計上の構成と実際の製造構成を分けて管理できます。
これにより、設計変更が多い個別受注生産における部門間の情報共有を支援します。
■E-BOM/M-BOMとは
E-BOMは、製品の設計情報をもとに構成された部品表です。
M-BOMは、実際の製造工程や組立手順などを考慮して構成された、製造用の部品表です。
5.個別受注と見込生産をつなぐ「ハイブリッド在庫引当」
完全な一品モノだけでなく、共通部品や中間品をあらかじめ製造・在庫し、受注後に個別仕様へ対応する生産形態にも対応します。
共通部品を「フリー在庫」として管理し、受注確定後に案件ごとの「製番在庫」へ振り替えることで、個別受注生産と見込生産が混在する現場での在庫管理を支援します。
■現場で使い続けるため、導入プロセスも見直し
新しいFUSEでは、機能だけでなく導入プロセスも見直しました。
NCKが目指しているのは、システムを導入することそのものではなく、実際の製造現場で継続的に使われる状態をつくることです。
本格導入前に「プレ要件定義」を実施
FUSEでは、本格導入前に「プレ要件定義」を実施します。
現在の業務フローや管理方法、システム化したい範囲などを整理し、FUSEの標準機能で対応できる部分と、個別対応が必要な部分を確認します。
本格投資前に業務との適合性や必要なカスタマイズを整理することで、導入後のミスマッチを抑えることを目的としています。
プレ要件定義の費用は60万円(税抜)です。
業務整理から運用定着まで伴走
NCKでは「定着率100%」を目標に、システム導入だけでなく、業務整理、要件整理、導入、運用定着まで専門スタッフが伴走します。
従来FUSEから継承している「セミオーダー型」の考え方を生かし、企業ごとの業務や運用方法に合わせたシステム構築を支援します。
■製造現場での利用を想定したUI
新しいFUSEでは、製造現場で日常的に利用することを想定し、タブレット端末やバーコードを活用した操作に対応しています。
実績登録やピッキングなどでは、大型ボタンやバーコードスキャンを活用することで、キーボードによる文字入力の負担を抑えます。
管理者だけでなく、実際に作業を行う現場担当者が日常業務の中で利用しやすい操作性を重視しています。
■20年以上の製造業向けシステム導入ノウハウを継承
NCKは20年以上にわたり、中小製造業向けの業務システム導入を支援してきました。
従来のFUSEでは、見積、受注、出荷、購買、生産計画、工程、実績、在庫、BOM、図面、原価、BIなど21の機能を提供してきました。
新しいFUSEでは、これらの知見を継承しながら、
- 販売管理
- 購買管理
- 在庫管理
- 生産工程管理
- 生産計画管理
- 実績管理
の6つのパッケージ体系へ再整理しています。
必要な領域から導入し、企業ごとの業務に合わせて構成する「セミオーダー型」の考え方は、これまでのFUSEから引き継いでいます。
■新しい「FUSE」概要
- 製品名:生産管理システム「FUSE」
- 提供開始日:2026年9月30日
- 主な対象:従業員30~300名程度、個別受注・多品種少量生産を行う中小・中堅製造業
- 主な対象業種:産業機械・工作機械、金型・治具、試作・精密部品加工、プラント・設備機器メーカーなど
- 主なパッケージ:販売管理、購買管理、在庫管理、生産工程管理、生産計画管理、実績管理
- 利用環境:クラウド/オンプレミス
- 導入期間:最短3ヶ月~
- プレ要件定義:60万円(税抜)
- サービスURL:https://kaizen-navi.biz/fuse
■今後の展望
NCKは今後も、個別受注・多品種少量生産を行う製造企業の業務変化や現場課題に対応しながら、FUSEの機能・サービスを継続的に強化してまいります。
生産管理に必要な情報を一元化するだけでなく、現場で蓄積されるデータを計画、原価、見積など次の判断に生かせる仕組みを充実させ、製造現場と経営の双方が状況を把握しやすい生産管理の実現を支援してまいります。
株式会社日本コンピュータ開発
株式会社日本コンピュータ開発は、自社プロダクトの開発・提供を通じて、製造業をはじめとする中小企業の業務改善やDXを支援する企業です。
1984年に日立製作所の孫会社の位置づけで設立され、日立グループとの関係の中で培った技術力を基盤としながら、現在は自立した事業運営のもとで、自社製品・ITソリューションの開発と提供を行っています。創業5年目に独自の経営理念を定めて以来、既存の常識にとらわれず、お客様や現場の課題に向き合いながら事業を展開しています。