9割のケアマネジャー、判定結果に納得できない経験「あり」
介護関連メディア事業を手掛ける株式会社インターネットインフィニティー(本社:東京都中央区、代表取締役社長:別宮 圭一)は、運営するウェブサイト「ケアマネジメント・オンライン」の会員ケアマネジャーを対象に、要介護認定の判定結果に不服がある場合の対応について、調査を行いました。
高齢者が要介護状態になると、保険者(市区町村)に要介護認定の申請を行いますが、ケアマネジャーはこの申請を代行できる立場にあります。要支援1、2もしくは要介護1~5のいずれに該当するかは、コンピュータによる一次判定と、調査員による認定調査、主治医意見書に基づき、介護認定審査会で最終的な判定が下されます。
しかし、時には判定基準が不明瞭だったり、本人の状態が適切に反映されていなかったりして、思いがけない判定結果が出ることもあるようです。
ケアマネジメント・オンラインでは、そのような思いがけない判定結果を受け取った場合に、ケアマネジャーがどのような対応をしているのか、調査を行いました。
■調査結果ポイント■
○ 9割のケアマネジャー、判定結果に納得できない経験「ある」
○ ケアマネジャーにとって、納得できない判定とは?
○ 納得できない判定には、7割が「区分変更を申請」
○ 妥当な判定でも、本人や家族が不満を訴えるケース、7割が「ある」
○ 妥当な判定でも、2人に1人は「区分変更を申請」
【調査概要】
期 間:2016年1月12日~1月15日
方 法:インターネット調査
対 象:「ケアマネジメント・オンライン」の会員ケアマネジャー
回答数:691名
■調査結果詳細■
○9割のケアマネジャー、判定結果に納得できない経験「ある」
保険者が判定した要介護認定について、617名(89.3%)のケアマネジャーが、納得できないと感じることが「ある」(よくある+ときどきある+たまにある)と回答しました。頻度の差はありますが、ほとんどのケアマネジャーが判定に納得できない思いをした経験があることがわかりました。
○ケアマネジャーにとって、納得できない判定とは?
どのような判定に「納得できない」と感じるのか具体的に聞いたところ、以下のようなコメントが寄せられました。(一部抜粋)
・独居の方の介護度が軽く、家族が同居で訴えが多い方だと介護度が重くなる。
・まったく認知症がないのに主治医意見書に重度の認知症があると記載され、介護度が重くなった。
・主治医意見書が前年のものを提出されており、状況が現状と大きな乖離があった。認定調査でその乖離を聞き取り、記載されていたが、医師の意見が正確であると判断され、大幅に軽く認定結果が出た。
○納得できない判定には、7割が「区分変更を申請」
判定に納得できない場合、どのような対応をとるか聞いたところ、最も多かったのは「区分変更を申請する」(438名、71.0%)で、「ご本人やご家族の判断に任せる」(307名、49.8%)を大きく上回ることがわかりました。
出た判定をそのまま受け入れるのではなく、納得できない場合には再び申請を行い、よりご利用者の状態に即した判定を受けようとしていることがうかがわれます。
○妥当な判定でも、本人や家族が不満を訴えるケース、7割が「ある」
一方で、判定結果について、ケアマネジャーは納得していても、本人や家族が納得せず、不満を訴えてくるといったケースもあるようです。回答したケアマネジャーのうち、506名(73.3%)はそのようなケースを経験したことが「ある」(よくある+ときどきある+たまにある)と答えました。
○妥当な判定でも、2人に1人は「区分変更を申請」
判定が妥当でも、本人や家族が納得していない場合、ケアマネジャーはどのような対応をとるのでしょうか。前問で「ある」と答えたケアマネジャーにたずねたところ、最も多かった回答は「判定の妥当性を説明する」(340名、67.2%)で、次に多かったのは「区分変更を申請する」(238名、47.0%)でした。
ケアマネジャー自身は判定に納得していても、本人や家族が納得していない場合には、およそ2人に1人のケアマネジャーが区分変更の申請を行っていることがわかりました。
専門家が審査しているとはいえ、要介護認定の審査は人の手で行われており、判定基準にばらつきが出やすいと言われています。なかには、十分な議論もなく判定が下されていると疑われるケースもあるようです。
本調査では、介護認定審査会についてケアマネジャーが感じていることについても自由にコメントしていただきました。
詳しくは、「ケアマネジメント・オンライン」をご参照ください。
(URL:http://www.caremanagement.jp/ ※特集-介護アンケートのページを参照)
<株式会社インターネットインフィニティーについて>
当社は、「日本の介護を幸せなものにする」という経営理念を掲げ、インターネットと介護を融合することにより、次代の介護の在り方や新たな価値を創造し、今日よりも価値ある介護を明日の日本へ提案し続けています。2001 年設立。 http://iif.jp