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日本新薬株式会社

食品の微生物リスクを非破壊・経時的に評価する新手法を開発

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デジタル画像解析により植菌試験の評価工程を効率化、食品開発の迅速化に貢献


図1. 顕微鏡システム(イメージ図)

 日本新薬株式会社(本社:京都市南区、代表取締役社長:中井 亨、以下「当社」)は、京都大学大学院との共同研究により、顕微鏡観察とデジタル画像解析を組み合わせることで、食品表面における微生物の増殖を、簡便・迅速かつ経時的に評価できる新たな非破壊評価手法を開発しました(図1)。
 本手法は、従来コロニーカウント法(図2)を中心に行われてきた、時間と手間を要する植菌試験の評価プロセスに対し、評価工程の効率化と、食品上での微生物増殖の連続的な把握を両立するものです。例えば、評価工程を従来の約72時間から最短約6時間へと大幅に短縮でき、食品の保存性評価や日持向上剤の効果検証において、微生物の増殖傾向を早期に把握することが可能となります。
 当社は、本研究成果を活用し、食品分野における腐敗リスク評価や日持ち評価の効率化に貢献するとともに、食品開発・品質評価の現場で活用しやすい評価技術の確立を目指します。なお、本成果は、2026年5月25日に「日本顕微鏡学会 第82回学術講演会」にて口頭発表しました。


図2. 従来手法(コロニーカウント法)と開発手法(画像解析法)の比較

<研究背景>
 当社は、医薬品事業で培ってきた研究開発力と高度な分析・評価技術を活かし、機能食品事業においても、人々の健康と豊かな生活創りに貢献する製品開発に取り組んでいます。特に、食品の品質保持に関わる日持向上剤の分野では、60年以上、研究開発と製品提供を進め、食の安心・安全に貢献してきました。
 食品メーカーでは、微生物による腐敗リスクを評価するために、食品に菌を接種し、その増殖挙動を確認する「植菌試験」が広く行われています。この評価では一般的にコロニーカウント法が用いられており、菌数を定量的に把握できる信頼性の高い手法として、食品分野において重要な役割を担っています。一方、従来のコロニーカウント法では、サンプルの破砕、希釈、培養、コロニー計数といった複数の工程が必要であり、評価に時間と手間を要することに加え、食品の破壊を伴うため同一サンプルの経時変化を追跡することが困難でした。
<研究概要>
 今回の研究では、食品表面で微生物そのものを安定して直接観察することが難しいという課題に対し、親水性メンブレンフィルター等を活用した観察条件を設計することで、微生物の増殖に伴って周囲に生じる画像上の変化を安定的に捉え、食品表面における微生物増殖を評価できる可能性を示しました。これにより、植菌試験における食品表面の微生物増殖を、時間と手間がかかり、サンプル破砕を必要とするコロニーカウント法に依存せず、画像情報に基づき定量的に評価できる新たなアプローチを提示しました。本手法により、例えば、従来約72時間を要していた評価工程を、最短で約6時間へと大幅に短縮できる可能性があります。さらに、従来はサンプル破砕のために複数試料の準備が必要であったのに対し、同一サンプルを経時的に観察できることから、単一サンプルでの評価が可能となり、試作および評価工程全体の省力化に寄与することが期待されます。
 なお、本研究で用いた顕微鏡観察系の構築にはシグマ光機株式会社(本社:埼玉県日高市)の協力を得ております。
<展望>
 本手法を活用することで、食品表面における微生物増殖の変化を画像情報として取得し、評価工程の効率化と同一サンプル上での連続的な変化把握を両立できます。このような特徴により、本手法は、製品開発段階における処方検討、保存試験条件の予備評価、日持向上剤の効果比較、腐敗リスクのスクリーニング評価など、食品開発および品質評価のさまざまな場面での活用が期待されます。将来的には、食品メーカーにおける植菌試験の省力化にとどまらず、開発サイクルの短縮や迅速な意思決定、さらには品質トラブルの未然防止に貢献する評価基盤としての展開を目指します。
 当社は、今後も科学的知見と技術開発を通じて、食品分野における品質評価技術の高度化に貢献してまいります。
<本研究の関連文献>
 Tamiya, H., Tsuda, K., Akasaka, N., Kikuchi, R., Ogawa, J., 2024. Construction of a convenient microbial-growth observation system based on microscopic image analysis applicable to the evaluation of preservative effects. Food Control 163, 110541.
https://doi.org/10.1016/J.FOODCONT.2024.110541
<本研究に関するお問い合わせ先>
日本新薬株式会社 機能食品カンパニー 食品科学研究所
〒601-8550 京都市南区吉祥院西ノ庄門口町14
https://www.nippon-shinyaku.co.jp/foods/

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