~「共育てはこれからの時代に必要」など、ポジティブな回答が7割、子育てと両立しやすい職場では「働き続けたい」と考える男女が78.0%~
厚生労働省の共働き・共育てを推進する広報事業「共育(トモイク)プロジェクト」(※1)は、7月31日(金)に調査結果等の公表イベントを行い、「若年層における仕事と育児の両立に関する意識調査(速報)」を公表しました。
本調査により、若年層の仕事と育児の両立に関する意識を明らかにし発信することで、共働き・共育て(※2)推進に向けた社会的機運の醸成、企業における両立支援制度の活用促進を図っていきたいと考えています。
(※1)「共育(トモイク)プロジェクト」とは、共働き・共育ての推進のため、「職場」や「家庭」におけるいわゆる“ワンオペ”の実態を変え、男女ともに誰もが希望に応じて仕事と家事・育児を両立し、「共に育てる」に取り組める社会を目指す、厚生労働省の広報事業です。特に、”企業”へのアプローチを主軸に、雇用環境・職場風土の改善等、多くの企業が「共育て」しやすい環境作りに積極的に取り組めるよう、普及啓発活動を展開しています。(共育プロジェクト Webサイト https://tomoiku.mhlw.go.jp/)
(※2)「共育て」とは、パートナー同士が協力し合って、家事・育児に取り組むことをいいます。

<調査結果(速報)のサマリー>
今回の意識調査の結果(速報)のサマリーは以下のとおりです。
【意識の変化】
- 「共育てはこれからの時代に必要」など、若年層の約7割が共育てにポジティブな回答をしています。
- 若年層の約6割が「自分と配偶者・パートナーが同じくらい主体的に子育てを行いたい」と回答しています。
- 若年層の約7割が、会社選びの際に、若年層の約7割が「仕事(キャリア)とプライベートの両立を意識している」と回答しています。
【現状】
- 配偶者・パートナー間における希望する家事・育児分担割合は「5:5」が約4割で最多であるが、実際に「5:5」での分担を実現できている家庭は約2割であり、希望と実際にギャップが存在しています。
- 「自分の職場は子育てとの両立がしやすい」と感じている場合、そうでない場合に比べ、「今の職場で働き続けたい」との回答割合が44.9ポイント高く、約8割となっています。
【企業に求めること】
- 仕事と育児の両立に積極的に取り組みたい若年層は、若年層全体に比べて、仕事と育児を両立できる環境があればキャリアアップしたいと思う割合が21.9ポイント高くなっています。
- 子育て中の人が企業等に求めることの上位は、「業務量の適正化」「上司・管理職の理解促進」「長時間労働等の削減」「制度を利用しやすい雰囲気づくり」「家事・育児分担の見直しに関する支援」が挙げられています。
なお、調査結果の詳細は別紙のとおりです。
【調査概要】
調査目的:
1.共働き・共育てに関する若年層の意識を把握する。
2.若年層の育休やワーク・ライフ・バランスへの意向を明らかにする。
3.学生・若手社会人に加え、子育て期の社会人の仕事と育児の両立に関する意識や意向についても調査を行う。
調査手法: WEBによる定量調査
※性年代別等人口に合わせたウェイトバック集計を実施
※各ページグラフ内の数値は四捨五入しているため、合計値が100%とならない場合がある
調査対象:全国 17-39歳男女 高校生・大学生など及び社会人
回答数: 15,845人
調査実施日: 2026年6月13日(土)~2026年6月17日(水)
<調査結果の詳細>
■家事・育児と仕事の両立や共育てに対する意識の変化
〇育休取得意向
子どもをもつことを希望する若年層の約9割が、育休の取得を希望。
そのうち約7割が、1か月以上の育休取得を希望。
男女別で見ると、男性の5割超、女性の約8割が1か月以上の育休取得を希望。

〇共育てに対する意識
若年層の約7割が「共育て」は「これからの時代に必要」「より子育てしやすい社会になる」「家族との理解や信頼を深める」など、ポジティブな回答。
「共育てのかたちは家庭ごとにそれぞれ」「社会や職場の支援が必要」との回答も約7割。

〇子育てに対する関与意向
若年層の約6割が「自分と配偶者・パートナーが同じくらい主体的に子育てを行いたい」と回答。

〇仕事と子育てに関するジェンダー意識
育児や家事に関する項目について、若年層の約8割が、性別は関係ない、と回答。

〇仕事(キャリア)とプライベートの両立意識
若年層の約7割が、会社を選ぶ時に、仕事(キャリア)とプライベートの両立を意識している、と回答。

〇子どもが生まれたあとに希望する働き方
子どもが生まれたあとの働き方の希望は「フルタイムで定時帰宅」が約4割で最も多い。
男性では「フルタイムで定時帰宅」が約4割、「フルタイム+残業」が約2割の順で多く、
女性では「短時間勤務」が約4割、「フルタイムで定時帰宅」が約3割の順で多い。

■仕事と家事・育児の両立に関する現状
〇希望する働き方の実現状況
希望する働き方ができている人の割合は、子どもが生まれる前と後で、6割超から約5割に減少。

〇家事・育児分担割合の希望と現実
子育て世代が希望する家事・育児分担割合は「5:5」が最も多く、約4割。
男女別でみても「5:5」が最多。
一方、実際の分担割合は、「5:5」が約2割。女性の分担割合が高くなっている。

〇配偶者・パートナーの家事・育児参画による影響
配偶者・パートナーが今よりも積極的に家事・育児に関わるようになった場合、
男性に比べ女性は、項目全般において、プラスの影響がある、との回答割合が高い。

〇希望の働き方を実現する上でハードルになりそうなこと
子育てをする時期に希望する働き方を実現する上でハードルになりそうなこととしては、
「業務量」「長時間労働」「突発的な業務」「上司の理解」「勤務時間の柔軟な調整」が多く挙げられている。

〇職場の両立のしやすさと希望する働き方の実現度合い
子どもが生まれたあとに希望する働き方ができている人は、できていない人に比べて、
「自分の職場は子育てとの両立をしやすい」と感じている割合が、37.0ポイント高い。
配偶者・パートナーの職場の場合についてみても、同様に、28.2ポイント高い。

〇職場の両立のしやすさと今の職場で働き続ける意向
「自身の職場は子育てとの両立がしやすい」と感じている人は、そうでない人に比べて、
「今の職場で働き続けたい」と回答した割合が44.9ポイント高く、約8割。

〇両立のための家庭における工夫
希望する働き方ができている人は、配偶者・パートナーとの間で「勤務予定や繁忙期の共有」「家事・育児分担の定期的な話し合い」を行っているとの回答割合が高い。
「特に行っていることはない」のみ、希望する働き方ができていない人の回答割合が高い。

■共育て実現のために企業に求めること
〇両立の意向とキャリアアップ志向
仕事と育児の両立に積極的に取り組みたい若年層は、若年層全体に比べて、
「仕事と育児を両立できる環境があればキャリアアップしたいと思う」割合が21.9ポイント高い。

〇就職活動時に知りたい企業に関する情報
就職/転職活動をするにあたって知りたい情報は、男性/女性の育休取得率が上位に。
男性は、「男性の育休取得率」「男性の育休取得日数」を知りたい割合が高く、
女性は、「女性の育休取得率」「出産・育休後の復職率」を知りたい割合が高い。

〇就職したい気持ちが高まる企業の取組に関する情報
就職意欲が高まる情報として、「両立支援制度の充実」「育休取得者のサポート体制」
「育休後の復帰やキャリア形成に関する支援」「経営者の方針の明示」など、
「職場環境や支援制度」に関するものが多く挙げられている。
男性の育休取得率・日数等については、回答割合が男女でほぼ同水準となっている。

○働きやすい職場づくりや両立支援等に関する社内の取組
社内で積極的に取り組まれていると思うこととして、
「有給休暇取得の促進」が約5割、「残業時間の抑制」は約4割の回答となっている。
両立支援に関する「経営層のメッセージ」や「男性育休取得促進」などは、約3割の回答。

○両立を実現できている要因
希望の働き方や子育てとの両立ができていると感じる要因として、
「業務量が適切で、時間の余裕がある」「同僚・チームの理解や協力」「業務量や労働時間を調整できる」「上司・管理職の理解」「長時間労働の職場ではない」が多く挙げられている。

○両立を実現するために企業等に求めること
子育て中の人が企業や周囲に求めることとして、
「業務量の適正化」「上司・管理職の理解促進」「長時間労働・残業の削減」「制度を利用しやすい雰囲気づくり」「家事・育児分担の見直しに関する支援」が多く挙げられている。

本調査について転載される場合は、出典が「厚生労働省委託事業「共育(トモイク)プロジェクト」」であることを明記くださいますよう、お願いいたします。
<推進委員からのコメント>
共育(トモイク)プロジェクト推進委員座長である羽生祥子氏は、今回の調査結果を踏まえて、次のようにコメントしています。
1. 若年層の育休ニーズの変化と職場の理解について
「男女ともに『1か月以上』の育休取得希望が半数を超えており、このニーズを職場も正しく理解する必要があります。もはや『男性=いわゆる「取るだけ育休」』で済む時代ではないことがよく分かります。」
2. 家庭内での課題から「職場全体の課題」への意識転換について
「保育園の送迎や病児対応など、若年層では男性も非常に意欲的であり、育児に関する項目で約8割が『性別は関係ない』と回答しています。『両立が大変な時期』はもはや女性だけの課題ではないということを、職場全体で正しく理解していく必要があります。」
3. 多様化する働き方の希望と企業の意識改革について
「子どもが生まれた後でも、フルタイムで定時帰宅を希望する女性が約3割と、時短勤務の希望に迫ってきています。まさに『脱ワンオペ・共育』のニーズの現れであり、企業人事は『子どもが生まれたら時短勤務』というステレオタイプになっていないか、意識のバージョンアップが必要です。」
4. 仕事と家庭の両立がもたらす組織へのインパクトについて
「家庭と仕事の『両輪』があるからこそどちらもポジティブに続けていけますし、結果的に幸福度も高まります。幸福な気持ちで家庭と職場を行き来する社員が増えることは、間違いなく組織全体の大きなパワーになります。」

また、同じく共育(トモイク)プロジェクト推進委員の平野翔大氏は、次のようにコメントしています。
1. 両立の壁と「職場のワンオペ化」という構造課題について
「両立のハードルとして、男女問わず『業務量』『長時間労働』『突発的な業務』の3つが大きな壁となっています。これはまさに『職場のワンオペ化』という構造的課題を如実に表していると感じます。」
2. 求職者が求める「復職後のキャリア環境」と定着について
「求職者は単に『育休が取れるか』ではなく、『長期的に両立しながらキャリアを築いていける環境か』をしっかり見極めようとしています。こうした姿勢の発信は、採用活動だけでなく『入社後の定着や就労継続』においても極めて重要になってくると実感します。
3. 若年層男性における「主体的な育児意識」の実態について
「『パートナー主体で良い』と考えている男性は15%にとどまっており、『育児は女性のもの』という意識はもはや少数派と言えます。実に85%もの男性が『自らも主体的に関わろう』としているのが、今の若い世代のリアルな意識です。」
4. 職場環境と家庭の「マイナスの相互作用」を解消する必要性について
「お互いの職場環境や社会の理解不足といった外的な要因が家庭に作用し、家庭内での偏りを生み、それがさらにキャリアへと影響する……という『マイナスの相互作用』が起きています。こうした相互作用をプラスの方向に変えていくためにどうしたら良いか、という問いが投げかけられています。」
