「お金の判断を教わらないまま社会へ出る」子どもたちへ──金融教育で“未来を選ぶ力”を育む
一般社団法人日本金融教育支援機構(共同代表理事:平井梨沙・阿部奈々、所在地:東京都千代田区、以下「当機構」)は、特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン(以下、ピースウィンズ・ジャパン)およびロート製薬株式会社が主催する助成事業「ロート子どもの夢基金」において、第3回助成先(拡大枠)として採択されました。
本事業は、社会的養護の子どもたちおよび社会的経済的に困難な家庭の子どもたちを対象に、『未来を選び取る力』を育む金融教育実践型プログラムです。
【参考:ピースウィンズ・ジャパンによる「ロート子どもの夢基金」第3回助成先発表】
https://peace-winds.org/news-info/51495

■事業の背景と社会的課題
社会的養護のもとで暮らす子どもや、経済的に困難な家庭で育つ子どもたちは、進学や就労といった人生の重要な選択を、「お金に関する十分な知識や判断軸を持たないまま」迫られるケースが少なくありません。
特に児童養護施設の退所者は、退所後すぐに自立した生活を求められる一方で、金銭管理や社会制度に関する十分な学びの機会がないまま意思決定を行う必要があります。
その結果、生活の不安定化や金銭トラブルのリスクが高まり、貧困の連鎖につながる可能性も指摘されています。
また、従来の支援は生活支援や就労支援に重点が置かれる傾向にあり、「お金に関する判断力」を体系的に育む機会は十分に整備されているとは言えません。
こうした背景を踏まえ、当機構では、金融教育が必要とされながらも十分に届いていない層への支援が急務であると捉え、本事業を企画しました。
■事業の概要
本事業は、社会的養護下や経済的に困難な状況にある中高生を対象に、金融教育講座と動画制作ワークショップを組み合わせた実践型プログラムです。
知識の習得にとどまらず、学びをアウトプットとして表現する機会を通じて、主体的な意思決定力の育成を目指します。
プログラムでは、当機構が提唱する「お金の8つの力」(使う・稼ぐ・納める・貯める・備える・贈る・借りる・増やす)を軸に、実生活に即した金融リテラシーを体系的に学ぶ機会を提供します。
実施概要:
- 対象:児童養護施設・自立援助ホーム等に所属する中高生
- 実施地域:全国3地域
- 参加人数:約60名
- 実施期間:2026年4月~2027年3月
主なプログラム内容:
- 金融講座(全8回/オンライン・対面のハイブリッド形式)
- 1分動画制作ワークショップ(学びのアウトプット機会の創出)
- 学習成果の可視化(評価指標の設計およびアンケート実施)
- フォローアップ講座および成果報告会の実施

当機構が提唱する「お金の8つの力」(使う・稼ぐ・納める・貯める・備える・贈る・借りる・増やす)
■本事業の特徴
本事業の最大の特徴は、金融教育を単なる知識習得にとどめず、当機構の理念にも掲げている「人生の選択肢を広げる力」として位置づけている点にあります。
金融知識のインプットに加え、動画制作によるアウトプットを組み合わせることで、学びを自らの言葉で再構成し、実生活に結びつける実践的なプログラム設計としています。
さらに、本事業では参加者を「支援される存在」にとどめるのではなく、自らの学びを他者に発信する“担い手”へと転換することを重視しています。
これにより、個人の成長にとどまらず、周囲への波及効果も生み出すことを目指します。

金融教育講座(インプット)と動画制作(アウトプット)を組み合わせ、学びを実生活の意思決定につなげる本事業の設計
■期待される成果
本事業では、金融教育を通じて、参加者の意識と行動の両面に変化をもたらすことを企図しており、以下のような成果が期待されます。
- お金や進路に関する判断を「自分ごと」として捉えられるようになる
- 将来に対する不安が軽減され、主体的な意思決定ができるようになる
- 必要な情報収集や相談行動が取れるようになる
さらに、本事業で得られた成果を基にプログラムのモデル化を進め、全国展開が可能な金融教育事業としての制度化を目指します。
■事業責任者メッセージ
この度は「ロート子どもの夢基金」第3回助成事業に採択いただき、誠にありがとうございます。
私たちは、金融教育こそが、子どもたちの未来の選択肢を広げる最も本質的な力であると考えています。
子どもには本来、無限の可能性があります。
誰もが平等に、自分の力で未来を選び取る権利があるはずです。
しかし現実には、家庭の経済的な事情などにより、その選択肢が制限されてしまう子どもたちがいます。
ただ、その課題の本質は「お金がないこと」だけではありません。
進学や挑戦をあきらめてしまう子どもたちの多くは、「お金にどんな選択肢があるのか」「どうすれば道を切り拓けるのか」を知らないまま、自ら可能性を狭めてしまっているのです。
だからこそ必要なのが、金融教育です。
金融教育は、単なる知識ではありません。
それは、社会の中で生きていくための“言語”であり、自分の人生を選び取るための“力”そのものです。
お金の知識を得ることで、初めて見える選択肢があります。
「できない」と思っていたことが、「どうすればできるか」に変わる瞬間が生まれます。
金融教育は、子どもたちの未来を制限するものではなく、未来をひらくものです。
私自身も、地域の方や学校の先生とのつながり、何気ない一言や小さなきっかけによって、人生の方向が大きく変わってきました。
その原体験があるからこそ、「知ること」が人生を変える力になると、強く実感しています。
一人でも多くの子どもたちに、金融教育という“力”を届けたい。
そして、「知らなかったから選べなかった」という状況を、社会からなくしていきたいと考えています。
金融教育を通じて、困難な状況にある子どもたち一人ひとりが、自らの意思で人生を切り拓く力を育み、選択肢を広げていく。
それこそが、私たちの目指す社会です。
本助成金を活用させていただきながら、どんな環境に生まれても、自分で道を選べる社会の実現に向けて、私たちは取り組んでまいります。
事業責任者 岩井純一
■ロート子どもの夢基金について
「ロート子どもの夢基金」は、子どもたちが置かれている環境に関わらず、自らの未来を描き挑戦できる社会の実現を目指し、社会的養護や経済的困難の中にある子どもたちを支援する団体・事業を対象に助成を行う取り組みです。
第3回助成では9団体が採択されています。
詳細はピースウィンズ・ジャパンの発表をご参照ください。
https://peace-winds.org/news-info/51495
■当機構について
一般社団法人日本金融教育支援機構は、「人生の選択肢を増やす金融教育」を理念に掲げ、学校・企業・地域と連携しながら、子どもから大人までを対象とした金融教育の普及・実践を行っています。
一般社団法人 日本金融教育支援機構
共同代表理事:平井 梨沙 阿部 奈々
東京都千代田区神田駿河台2-11-7-B106号室
電話:03-6674-1435
設立:2022年12月28日
公式サイト:https://faincation.com/
メール:info@faincation.com
