このたび、ソニー生命保険株式会社(代表取締役社長 井原 勝美)は、2013年7月30日~8月2日の4日間、小中学生の子どもを持つ20歳~59歳の男女に対し、「子どもの将来と教育費に関する調査」をモバイルリサーチ(携帯電話によるインターネットリサーチ)で実施し、1,000名の有効サンプルの集計結果を公開しました。(調査協力会社:ネットエイジア株式会社)
【アンケート調査結果】
◆ 「夏休みの過ごし方は子どもの将来に影響する」72.2%
◆ 「夏休みに家族の絆を深めたい」88.2%
◆ 「夏休みは子どもが将来を考える機会を設けたい」80.6%、中学3年生の親では94.7%
◆ 夏休みに人気の体験学習 1位「自然活動体験」2位「ものづくり体験」3位「料理体験」
小中学生の親である全回答者1,000名に、子ども(複数いる場合は末子について、以下同様)の夏休みの過ごし方に関する意識について聞いたところ、《夏休みの過ごし方は子どもの将来に影響を及ぼすと思う》の項目に『そう思う』(「非常に」+「やや」、以下同様)と同意した割合は7割強(72.2%)となりました。一年で最も長い休みである夏休みが子どもの将来に与える影響について、多くの親が関心を寄せていることがうかがえます。
また、《普段以上に子どもと会話をしようと思う》と考えている親が84.3%と、会話などのコミュニケーションを通じて、夏休みに《家族の絆を深めたい》(88.2%)との思いを抱いている方も多いようです。
さらに、夏休みを子どものライフプランニング(将来設計)の良い機会だと捉えている親も多いようで、《子どもの将来について子どもと一緒に考えようと思う》では『そう思う』が82.4%、《子どもが将来のことを考える機会を設けたい》では80.6%となりました。これらの割合は子どもが大きくなるにつれ増える傾向がみられ、中学生3年生の親になると、それぞれ9割超(91.0%、94.7%)に達しました。
家族の絆を深めたり子どものライフプランニングを考えたりするには絶好の機会だと捉えられている夏休み。それでは、親は夏休みに子どもにどんな体験をさせようと考えているのでしょうか。
全回答者1,000名に、夏休みにどんな体験学習に取り組ませるか(取り組ませたか)聞いたところ、最も人気があったのは「自然活動体験(キャンプなど)」で27.1%、次いで「工作・ものづくり体験」(24.8%)、「料理・お菓子づくり体験」(23.5%)が続きました。キャンプなどの“夏ならでは”の自然体験や、工作や料理など、“手作り”の要素がある体験が人気のようです。そのほか、「工場・施設見学」(11.5%)や「ボランティア体験」(7.7%)、「職業体験」(6.2%)、「環境問題体験」(5.1%)、「農業体験」(5.0%)、「防災体験」(4.4%)などの社会の見学・参加体験を用意している親もいるようで、夏休みを自身の将来や生活環境を考えるきっかけにして欲しいと願う親心がうかがえました。
◆ 叱るより褒めて育てた方が“勉強”や“親の仕事”に興味を持つ傾向
子どもを褒めて育てる家庭と叱って育てる家庭では、どちらがより子どもの好奇心を育むことができるのでしょうか。
まず、子どもを育てる際、褒めることと叱ることどちらが多いかを聞いたところ、『褒めることが多い』(「どちらかと言えば」含む、以下同様)方が50.3%、『叱ることが多い』方が49.7%と、およそ半々にわかれました。
次に、《学業》や《スポーツ・運動》などに対し、子どもがどの程度興味・関心を持っているかを聞いたところ、褒められることが多い子どもは《学業》や《芸術・芸能》、《親の仕事》に対して興味を抱く割合が高くなり、《学業》では68.4%(叱られることが多い子ども53.0%)、《芸術・芸能》では62.0%(叱られることが多い子ども53.7%)、《親の仕事》では53.2%(叱られることが多い子ども42.2%)となりました。悪いことをしたときに子どもを叱るのは大切なことですが、子どもを褒めてあげる機会を叱る機会よりも多くすることで、子どもの好奇心をより育むことができるようです。
◆ 子どものライフプランニングで“自主性”を尊重する親が多い傾向
「安定した仕事よりもやりたい仕事を追求して」7割強、「学歴は気にしない」6割半
◆ 子どもへの経済的な支援「大学卒業まで」7割半
「芸能やスポーツのプロを目指すなら経済的に支援する」7割弱、
「子どもが希望すれば留学資金も支援する」5割半
子どもの将来に関する親の希望を聞いたところ、《職業選択》について、『親の思いを汲んでほしい』(「どちらかと言えば」含む、以下同様)が7.5%であるのに対し、『子ども自身で決めて欲しい』が92.5%となりました。同様に、《職業》については『安定した仕事について欲しい』(28.6%)と考える親よりも『やりたい仕事を追求して欲しい』(71.4%)と考える親が多く、《学歴》については『高学歴を望む』(35.3%)親よりも『学歴は気にしない』(64.7%)と考える親が多いことから、子どもの自主性を尊重し、子ども自身の意思で将来の進路を決めて欲しい、と考えている親が多数派であることがうかがえます。
次に、子どもの将来に関する支援について聞いたところ、《子どもの将来のための準備を自分の楽しみよりも優先している》に『あてはまる』(「非常に」+「やや」、以下同様)と回答した割合は62.6%、《子どもが将来なりたいものを見つけるためには、出費をおしまない》では64.7%となり、自己犠牲や経済的な支援をおしまないと考えている親が過半数となっています。
また、実際にどの段階まで経済的な支援を考えているのかを聞いた項目では、《大学卒業までは金銭支援するつもり》に『あてはまる』と回答した割合は7割半(74.1%)、《子どもがスポーツ・芸術などの分野でプロを目指す場合、金銭支援するつもり》では7割弱(68.5%)、《子どもが留学を希望したら、金銭支援するつもり》では5割半(56.5%)となりました。子どもがどんな進路を選んでも金銭支援をしたいとする意見が多数派となっています。
◆ 「子どもの独立までにいくらかかるか把握していない」48.5%
◆ “子どもの将来のための備え” ひと月に平均21,842円捻出
それでは、子どもの独り立ちまでにかかる教育費をどの程度把握し、準備しているのでしょうか。
《子どもの独立までにどのくらいの教育費がかかるか把握している》の項目に『あてはまる』と回答した親は51.5%、『あてはまらない』(「全く」+「あまり」、以下同様)は48.5%と、半数近くの親がどのくらいの教育費がかかるか把握していない状況が明らかになりました。
また、実際に《子どもの将来のための備え》として支出している金額を聞いたところ、ひと月あたりの平均支出額は21,842円で、内訳は《学資保険》に平均6,364円、《教育費のための積立金》に平均15,478円となりました。
この、《子どもの将来のための備え》について、子どもの独立までにかかる教育費を把握している親と把握していない親とでどの程度差があるか比較すると、把握している親ではひと月平均30,712円支出しているのに対し、把握していない親では12,422円と、約2.5倍の差がみられました。
お子様が幼稚園から大学まですべて国公立の学校に進学された場合でも、教育費に1,000万円以上必要になることがわかっています※。お子様が将来の目標や夢を見つけた際に経済的な支援などで応援してあげたいと考えるのならば、将来必要になる教育費を把握して、いざというときに資金不足とならないように計画的に準備をしてあげてはいかがでしょうか。
※参考:ソニー生命「ライフプランニングデータ集」
http://www.sonylife.co.jp/examine/lifeplan/data/dream/education.html
◆ “なりたい職業像”を持っている割合 小学校低学年で4割強、中3で5割半
◆ “大学進学”の夢や目標を持っている割合 小学校低学年で1割半、中3で4割強
◆ 親の仕事に関心がある子どもは“なりたい職業像”が定まりやすい傾向
◆ “生き方”人生の羅針盤を持っている中学生 43%
子ども自身はいつ頃将来の夢や目標を考え始めるのでしょうか。子どもの将来設計の決定状況について質問しました。
現時点で子ども自身が将来の夢や目標を持っているか聞いたところ、《将来の職業》について、「はっきり目標が決まっている」は6.4%、「ばくぜんとした夢を持っている」は40.8%となり、合わせて5割弱(47.2%)が『目標、または夢を持っている』と回答しています。小中学生のうち、半数近くが“将来なりたい職業像”をなんとなく描き始めている様子がうかがえます。
この、《将来の職業》について、『目標、または夢を持っている』割合を子どもの学年別にみると、小学校低学年の段階では41.5%、中学校1年生になると54.1%と5割半近くまで上昇し、中学校2年生になると将来の職業をより具体的に考え始めるためか少し下落し43.3%、中学校3年生では再度上昇し54.1%となりました。中学校入学後や卒業前の節目をきっかけに将来なりたい職業について思いを巡らせ、夢や目標を持ち始めているのかもしれません。
また、この傾向は《大学進学》についても同様で、小学校低学年の段階では『目標、または夢を持っている』割合は14.2%で、中学校1年生になると38.7%に上昇、中学校2年生で30.4%に下落し、中学校3年生で再度上昇し41.6%となりました。
さらに、《将来の職業》や《大学進学》に対する夢や目標の状況を、親の仕事に興味・関心を持っている子どもと持っていない子どもとで比較すると、親の仕事に興味・関心を持っている子どもは『目標、または夢を持っている』割合が高くなり、《将来の職業》で56.7%(興味・関心を持っていない子ども38.5%)、《大学進学》で33.7%(興味・関心を持っていない子ども23.5%)となりました。子どもが“将来の職業像”や“大学進学”などの進路を考えるにあたり、親の働いている姿や仕事の話などから大いに影響を受けているようです。
また、将来設計の根本的な指針にもなる《生き方》については、小学生の段階では3割(30.0%)が『目標、または夢を持っている』と回答していますが、中学生の段階では13ポイント上昇し4割強(43.0%)となっています。子どもたちが思春期に、“何のために生きるのか”と考え始め、人生の軸となる考え方や羅針盤のようなものを急激なスピードで形成していく姿をうかがい知る結果となりました。
◆ 「子どもの将来の相談に答えられる自信がない」 27.8%
それでは、子どもの将来について、いつ頃親子間の話題に上がり始めるのでしょうか。親子間の進路相談状況について質問しました。
《子どもの将来について、子どもとよく話し合っている》の項目で『あてはまる』と同意した割合を子どもの学年別にみると、中学校入学以降から目にみえて将来の話が話題に上る割合が高くなっていき、小学校高学年では47.3%、中学校1年では半数を超え57.1%、中学2年では62.2%、中学3年では74.4%となっています。
一方で、《子どもに将来の相談をされたら、アドバイスできる自信がある》との項目に『あてはまらない』と回答した割合が3割弱(27.8%)ほどみられ、子どもから進路相談を受けることを不安視している親も少なくないことが明らかになりました。
◆ 子どもの学外学習費用 平均14,171円
◆ “学歴重視タイプ”の家庭は学習塾などの教室費用5割増し
◆ 「子どもの教育費には消費税の軽減税率を」88.6%
◆ イマドキの子どものおこづかい 小学生の平均1,256円、中学生の平均2,770円
◆ 小中学生の携帯・スマホ料金 平均月額4,190円、おこづかいよりも高い傾向
◆ 子どもの携帯・スマホ料金を支払っている 小学校高学年の親で3割、中3では7割
子どもの《学外学習費用》として支出している金額を聞いたところ、ひと月にかかる金額は平均14,171円となりました。その内訳は、運動系のクラブ活動や習い事などの《運動費用》が平均3,659円、文化・芸術系のクラブ活動や習い事などの《芸術活動費用》が平均1,633円、通信教育や学習用の書籍購入などの《家庭学習費用》が平均3,021円、学習塾などの《教室学習費用》が平均5,859円となっています。様々な方面で費用がかかる学外学習の中で、とりわけ学習塾などの教室学習にお金をかけている傾向がうかがえました。
また、《学外学習費用》を子どもの学年別にみると、学年が上がるほど《教室学習費用》の比重が大きくなり、それに伴って《学外学習費用》の負担額が多くなるようで、高校受験をする年齢となる中学校3年生では《学外学習費用》の平均額が22,461円、そのうち《教室学習費用》が14,158円となりました。
また、学習塾などの《教室学習費用》については、子どもに『高学歴を望む』と考える“学歴重視タイプ”の家庭では平均8,770円と全体の平均(5,859円)より5割ほど高い水準となりました。
このように、小中学生を子育てしている家庭では様々なシーンで子どもの教育にお金をかけているなか、2014年4月には消費税の引き上げという負担増が発生する予定となっています。このことについて意見を聞いたところ、《子どもの教育費(習い事や学習教材などの費用)は、消費税の軽減税率を導入して欲しい》の項目に『あてはまる』と同意した割合は88.6%となりました。
次に、子どもの《おこづかい》の金額を聞いたところ、子どもにおこづかいを渡している人(715名)をベースとした平均額は2,158円、小学生は平均1,256円、中学生では平均2,770円となっています。
対して、子どもの《携帯・スマホ使用料》は、支払っている人(396名)ベースで平均4,190円と、おこづかいよりも高額の費用がかかっていることがわかりました。
また、子どもの学年別に《携帯・スマホ使用料》を親が負担している割合をみると、小学校低学年、中学年では2割以下(それぞれ17.8%、19.5%)ですが、小学校高学年で3割(30.5%)、中学校1年生で4割半(45.2%)、中学校2年生で5割半(55.5%)、中学校3年生で7割(69.0%)となっています。小学校の高学年から中学生の期間に子どもに携帯電話を与え、その費用も負担している家庭が多いようです。
◆ 2020年オリンピックイヤーまでの7年、子育て世代の見通しは?
「景気好転」7人に1人、「子育て環境改善」8人に1人
現在、日本では消費税の増税やTPPへの参加、義務教育期間の見直しなどが検討されており、今後、子どもや家庭を取り巻く社会・経済環境が大きく変わっていく可能性があります。そこで、東京でオリンピックが開催される可能性がある7年後の“2020年”までを一つの目処に、世の中がどのように変わっていくと感じているか、今後の見通しについての質問を行いました。
7年後、「今より良くなっていると思う」と明るい見通しを持っている割合は、《日本の景気》で15.1%、《就職活動の厳しさ》では12.5%、《社会保障》では5.9%、《子育ての環境》では12.2%となりました。日本の景気や子育ての環境が良くなると予想する意見が1割から1割半ほどみられましたが、今回質問した全ての項目において、「今より良くなっていると思う」とする回答よりも「今より悪く(厳しく)なっていると思う」との回答が大幅に上回り、子育て世代の方々が今後の社会情勢や経済環境を不安視している様子がうかがえました。今後の生活を取り巻く環境の変化を慎重に見極めようとしている結果かもしれません。ライフイベントなどに関するお金の出入りを見える化し、将来のリスクに備えるライフプランニングの重要性が今後一層増していきそうです。