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日本医療政策機構(HGPI)

【開催報告】第143回HGPIセミナー「がん対策基本法成立から20年―過去を振り返り、次の20年を描く―」

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日本医療政策機構(HGPI)では、医療政策のオピニオンリーダーやイノベーターを招き、さまざまな医療政策のテーマに関するセミナーを開催しています。

今回のHGPIセミナーでは、国立がん研究センター がん対策情報センター本部 副本部長の若尾文彦氏をお迎えしました。若尾氏は、がん対策基本法が成立した2006年に「がん情報サービス」の立ち上げに携わって以来、20年にわたり、がん情報提供、患者支援、がん教育、普及啓発など、市民にがん医療を届ける領域の第一線でご活躍されてきました。本セミナーでは、2006年のがん対策基本法成立から20年を迎える節目に、これまでの歩みを振り返るとともに、当機構が2026年2月に実施した患者・当事者を含む全国の市民1万人を対象とした「がんに関する全国調査-がん対策基本法成立から20年を迎えて-」の結果も交えながら、次の20年に向けたがん対策の課題と展望についてご講演いただきました。

ポイント

- がん対策基本法成立から20年が経ち、がん診療連携拠点病院の整備、全国がん登録の開始、がんゲノム医療の保険収載など、制度・医療技術の両面で大きな前進が見られた。一方、これらは「動き出したが、道半ば」の段階にあり、継続的な評価と改善が求められる。
- 2040年を見据えると、生産年齢人口の減少と専門医不足が予測されるなか、がん医療提供体制の集約化・均てん化が大きな政策課題となっている。手術療法では、外科医が2025年比で約40%減少すると推計されており、地域における役割分担の明確化と都道府県単位での議論が不可欠である。
- 第4期がん対策推進基本計画では、ロジックモデルが導入され、データに基づくがん対策の評価体系の整備が進んでいる。全国がん登録、院内がん登録、患者体験調査、遺族調査等の「物差し」がようやく揃いつつあるが、拠点病院の患者体験調査への参加率向上等、PDCAサイクルを支えるデータ基盤のさらなる強化が必要である。
- 日本医療政策機構が2026年2月に実施した全国調査では、医療機能の集約化に「賛成」が46.8%、「反対」が21.6%、「わからない」が31.6%と、30%強が判断を保留しており、市民の意見形成は途上にあることが明らかとなった。今後の制度設計には、わかりやすい論点提示、患者・市民参画、世論調査による継続的なモニタリングが求められる。
- 持続可能ながん医療を実現するためには、医療機関の機能の明確化、市民への情報提供、かかりつけ医による振り分け、移動等の負担に対するサポート、そして国民の理解に基づく合意形成が鍵となる。これらは、がんに留まらず日本の医療制度全体に共通する課題である。

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【開催概要】

■登壇者:若尾 文彦 氏(国立がん研究センター がん対策情報センター本部 副本部長)
■日時:2026年4月28日(火)18:30-19:45
■形式:オンライン(Zoomウェビナー)
■言語:日本語
■参加費:無料
■主催:日本医療政策機構(HGPI)

【登壇者プロフィール】

若尾 文彦(国立がん研究センター がん対策情報センター本部 副本部長)
1986年横浜市立大学医学部卒業。横浜市立大学医学部付属病院臨床研修医、国立がんセンター病院放射線診断部レジデント、同医員、医長、国立がん研究センターがん対策情報センターがん情報提供研究部長、センター長、がん対策研究所事業統括等を経て2023年4月より現職。東京大学公衆衛生学教室 客員研究員、京都大学大学院医学研究科 非常勤講師なども務める。

■日本医療政策機構とは: https://hgpi.org/

日本医療政策機構(HGPI: Health and Global Policy Institute)は、2004年に設立された非営利、独立、超党派の民間の医療政策シンクタンクです。市民主体の医療政策を実現すべく、独立したシンクタンクとして、幅広いステークホルダーを結集し、社会に政策の選択肢を提供してきました。特定の政党、団体の立場にとらわれず、独立性を堅持し、フェアで健やかな社会を実現するために、将来を見据えた幅広い観点から、新しいアイデアや価値観を提供しています。設立以来、女性の健康、がん対策、認知症、薬剤耐性、再生医療、グローバルヘルスなど、当時は十分に議論されていなかったテーマをいち早く政策課題として提示し、法制度や国家戦略の形成、国際的な政策議論に反映されるなど、具体的な政策の前進に寄与してきました。こうした継続的な取り組みは、国内外の政策関係者や国際機関からも一定の評価を受けており、日本発の医療政策シンクタンクとして国際的な対話の場に参加し続けています。
日本国内はもとより、世界に向けても有効な医療政策の選択肢を提示し、地球規模の健康・医療課題を解決すべく、これからも皆様とともに活動を続けていきます。

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