専門知見が継続的に介在する高度な安全管理体制を社会実装
株式会社Medii(本社:東京都新宿区、代表取締役医師:山田裕揮、以下、Medii)は、一般社団法人 日本小児神経学会(以下、日本小児神経学会)と連携し、デュシェンヌ型筋ジストロフィーに対する国内初の再生医療等製品「エレビジス(R)点滴静注」(以下、エレビジス)(製造販売元:中外製薬株式会社、以下、中外製薬)の安全管理・適正使用を支援する専門家相談体制を構築しました。2026年3月上旬より、実際の症例登録に伴う本格運用を開始しています。

本取り組みは、日本小児神経学会が公式に組成したエキスパートパネル「BRIDGE-NMD」※1への症例相談を、Mediiが運営する医師向け専門医相談サービス「Medii Eコンサル」を用いて実現したものです。本体制は、エレビジスの「適正使用ガイド」にも明記され、国内の高度医療における新たな安全管理の枠組みとなります。
※1 BRIDGE-NMD(Building Recommendations in Developing Gene Therapy for Neuromuscular Disorders、神経筋疾患遺伝子治療安全性最適化ネットワーク)。小児神経、小児肝臓内科、小児肝臓外科、小児循環器、小児免疫、小児腎臓内科、小児血液内科の医師で構成される専門家チーム。
背景
希少疾患をはじめとする未だ有効な治療法が十分でない領域においては、一刻も早く新薬を患者へ届けるため、条件及び期限付承認制度によって実用化を早める取り組みが行われています。一方で、この制度は早期に得られたデータから推定された有効性に基づき承認がなされるため、定められた期間内で有効性を検証していくことが、承認を継続するための不可欠な条件となります。
こうした中、2025年5月13日に中外製薬は、進行性の難病であるデュシェンヌ型筋ジストロフィー(Duchenne muscular dystrophy、以下、DMD)を対象とする国内で初めての再生医療等製品として、エレビジスの条件及び期限付承認に該当する製造販売承認を取得し、2026年2月20日に販売を開始しました。本品は、1回限りの投与で疾患の進行に伴う不可逆的な筋障害が生じる前に、DMDの原因となるジストロフィンの欠損を補うよう設計された治療法です。
本品を用いた治療の導入にあたっては、患者の安全を最優先に、適正使用をより確実に進めていく観点から、副作用が発現した場合を想定し、肝臓や循環器等を含む複数診療科にまたがる専門領域の医師による、投与可否判断や投与後の迅速かつ的確なマネジメントが重要です。以上の背景から、処方施設の認定医(主治医)による高度な臨床判断を、各科のエキスパート専門医が迅速に支援する安全管理体制を構築し、個々の症例における適切なマネジメントを積み重ねていく仕組みが求められていました。
取り組み内容
本システムは、処方認定医である主治医を中心に、複数のエキスパート専門医の知見で一人の患者を支えるチーム診療をデジタル上で実現するものです。中外製薬の協力のもと、Mediiと日本小児神経学会が共同で構築しました。

エレジビス治療における専門チームの連携図
現場の医師と多診療科のエキスパートが一体となる「ワンチーム」の形成
本システムでは、主治医と日本小児神経学会のエキスパートパネル「BRIDGE-NMD」が同じチャットルームに参加し、症例を共同管理し情報共有や相談を行います。運用開始後は、院内の他診療科(肝臓や循環器等)や地域のフォローアップ医も加わることができる連携機能の拡充を予定しており、多角的な視点で一人の患者を見守る体制を構築します。エキスパートの知見をシームレスに現場へ届けることで、主治医による高度な臨床判断を支え、高度な安全管理体制を実現します。
※本体制は診断や治療行為を行うものではなく、主治医による臨床判断を前提として、医師間の情報共有と相談を支援する仕組みです。
※本体制における医学的助言は、日本小児神経学会が組成したエキスパートパネルが担い、Mediiや中外製薬が個別症例の診療判断や相談内容に関与することはありません。
各者コメント

国立精神・神経医療研究センター トランスレーショナル・メディカルセンター長/脳神経小児科 部長
小牧 宏文 先生
画期的な治療薬を、いかに安全かつ適正に届けるかは学会にとって重要な使命です。当初はメール等でのコンサルテーションも検討しましたが、共有いただく必要のある臨床情報の機密性や情報蓄積の面でも限界がありました。こうした懸念をクリアし、セキュアな環境で、かつ理想的な連携体制を実現できたのがMedii Eコンサルでした。
この仕組みは、医師間連携における一つのモデルケースになると考えています。今後は副作用マネジメントだけではなく、専門医への紹介を検討されている先生方向けの症例相談窓口の開設も進め、我々の知見が全国の先生方のご判断の一助となり、一人でも多くの患者さんとご家族の希望ある未来に寄与できればと願っています。

株式会社Medii 代表取締役医師
山田 裕揮
今回の取り組みは、DMDに対する国内初の再生医療等製品における高度な安全管理体制を、デジタル技術を用いて実装する先進的な取り組みだと受け止めています。
このシステムは、複数診療科にわたるエキスパート専門医の知見を迅速につなぐことで、適切なマネジメントを支える新たな医療連携の形です。これにより、早期承認制度によって実用化された革新的な治療の選択肢が、今後も安全かつ適正に提供され続け、将来この治療を必要とする患者さんにも届け続けられる強固な医療体制の一助となることを目指します。
この仕組みが、他の疾患領域においても一つの解決策となり、広く社会に普及していくことを願っています。今回の取り組みを起点に、「誰も取り残さない医療を」という私たちのミッションを体現し、一人ひとりの患者さんが最適な医療を受けられる社会の実現に貢献してまいります。
株式会社Mediiについて
Mediiは「誰も取り残さない医療を」というミッションを掲げ、希少疾患やがんなど診断技術や治療法が高度に進化する領域を中心に、医療課題の解決に取り組んでいます。その解決策として、医師が無料で利用できる臨床疑問解消プラットフォームを開発・提供。医学調査に最適化したAIによって効率的にエビデンスを調べられる「Medii Q」と、複雑な個別症例について経験豊富な専門医に相談できる「Medii Eコンサル」で、主治医の迅速でより良い意思決定を支え、患者の早期診断と治療の最適化に貢献しています。また、製薬企業との協業プロジェクトを展開することで、主治医・エキスパート専門医・製薬企業・患者それぞれに価値をもたらす四方良しで持続可能な新しい医療インフラを構築しています。

Medii Eコンサル:https://medii.jp/e-consult(第5回日本サービス大賞 厚生労働大臣賞)
Medii Q:https://medii.jp/q(2025年日経優秀製品・サービス賞 最優秀賞)
会社名:株式会社Medii(メディ)
所在地:東京都新宿区新宿1-23-1 THE PORTAL 新宿御苑 4F
設立:2020年2月20日
資本金:1億円
代表者:代表取締役医師 山田 裕揮
URL:https://medii.jp
※Medii QおよびMedii Eコンサルは、医師間の情報共有または高度な医療コミュニケーションのための情報の提供支援を目的としたものであり、診断や治療の有効性や安全性を保証する医療機器ではありません。