概要
争いを予防し、人と人が共存できる社会をつくる認定NPO法人REALs(リアルズ:リーチ・オルタナティブズ、理事長:瀬谷ルミ子)は、世界各地で起きる紛争や社会的分断の背景にある「対立」「不平等」「排除」に向き合い、争いが起きる前に人と人をつなぎ直す平和構築活動に取り組んでいます。
リアルズは、2025年12月より日本政府資金による国連食糧農業機関(FAO)と連携し、トルコ南東部カフラマンマラシュ県とキリス県の農業従事者や地域住民を対象とした事業を実施しています。
このたび2026年1月末に、トルコ南東部カフラマンマラシュ県において、農業・食品分野の研修生および地域住民を対象とした一連の研修を開始し、200名以上がライフスキル研修と社会的結束に関する啓発セッションに参加しました。
本事業は、震災後の地域において、雇用支援と社会的結束の強化を同時に進める包括的な取り組みであり、経済的回復と対立予防を結びつける実践的な平和構築の取り組みとして位置づけられます。

社会的結束・ジェンダー平等に関する啓発セッションに参加するカフラマンマラシュ県の住民
プロジェクトの内容
トルコ南東部で事業を行う背景
トルコ南東部は、2023年に発生した大地震により、住宅やインフラだけでなく、人々の仕事や地域のつながりにも深刻な被害を受けました。もともと農業への依存度が高く、雇用機会が限られていた農村地域では、地震後に失業や貧困がさらに深刻化しています。特に、女性、若者、難民や国内避難民といった立場にある人々は、仕事や社会参加の機会を失いやすく、孤立や地域内の緊張が生じやすい状況にあります。
カフラマンマラシュでの活動内容
今回リアルズは、FAOと連携し、1月26日~30日にかけてトルコ南東部カフラマンマラシュ県において、以下2つの活動を実施しました。
1. 働く人のためのライフスキル研修(民間・公共部門向け)
公共・民間部門から計114名が参加しました。
労働倫理やジェンダー平等、労働安全などをテーマに実施し、参加者の理解度は平均約15%向上しました。
研修では、新聞紙を使ったタワーづくりなどの体験型演習を通じて、協働や非言語コミュニケーションの重要性を学びました。当初ジェンダー平等に懐疑的だった参加者が、対話を通じて理解を深める姿も見られました。
2. 地域住民向け社会的結束・ジェンダー平等セッション
地域住民114名を対象に、社会的結束とジェンダー平等に関する対話型セッションを実施しました。
参加者同士が経験を共有しながら相互理解を深め、多文化環境における支え合いの重要性を確認しました。
日本文化の紹介として「千羽鶴」の物語を共有し、参加者とともに折り鶴を制作しました。震災後の不安の中で折られた鶴は、健康や平和への願いを込めた希望の象徴となりました。
震災後の不安の中で、「健康」「平和」「家族の未来」への願いを込めて折られた鶴は、単なる文化交流を超え、参加者にとって希望の象徴となりました。

新聞紙を使った言葉の壁に関する演習に取り組むライフスキル研修の参加者
参加者の声
活動終了後、多くの参加者から前向きな声が寄せられました。
「労働法や社会保障について知ることで、将来への不安が減りました。自分の権利を知ることは安心につながります。」(シリア人女性)
「以前はジェンダー平等に疑問を持っていましたが、具体例を通して説明を受ける中で、自分の価値観とつながっていることに気づきました。」(トルコ人男性)
「この研修を通して、職場でのコミュニケーションの大切さを初めて理解しました。仕事だけでなく人生にも役立つ内容でした。」(シリア人男性)
「子どもが病気で不安な日々を過ごしていますが、千羽鶴の話を聞いて希望を持つことができました。」(トルコ人女性)
特に印象的だったのは、当初ジェンダー平等に否定的だった参加者が、研修を通して考え方を変え、最後には積極的に議論に参加するようになったことです。
また女性参加者の発言機会の増加や、参加者同士の自然な支え合いも確認され、自己効力感と相互信頼の向上が見られました。
対話を通じて理解を深めるプロセスそのものが、平和構築の実践となりました。
FAOとの連携開始と今後
カフラマンマラシュでの活動は一区切りとなりましたが、2月末に今度はキリスにて、地域の農村イニシアティブ(農業協同組合や生産者グループなど)の構成員や従業員を対象に、組織として持続的に活動していくための能力強化研修と、地域住民向け啓発活動を実施予定です。今回得られた学びと成果は、今後の他地域での展開にも活かされます。
震災復興においては、インフラや農業支援だけでなく、
「人と人との関係を再建すること」 が不可欠です。
リアルズは今後も、雇用支援と社会的結束を両輪とした平和構築活動を続けてまいります。
認定NPO法人Reach Alternatives (REALs) について

認定NPO法人REALs(リアルズ)は1999年に創設 。紛争地域において、「争いを防ぎ平和をつくる活動」と「いま危機にある命をつなぐ緊急支援」に取り組む。現在はガザ、シリア、トルコ、アフガニスタン、南スーダン、ケニアなどで活動を展開。紛争地の人々を育成し、争い予防と平和の担い手としての知見と志を磨くことで「人」が変わり、その人々が問題解決のため役割分担・連携しコミュニティの「しくみ」を変え、政治・政策、他地域、次世代に波及効果を生むことで「社会」を変えることを見すえた活動を実施している。2024年度は、世界各地の紛争地で計403人の平和の担い手を育成。地域の争いの兆候を早期発見し、紛争を未然に防ぐ人材を育成することで、コミュニティ内の争いの93%を予防。すべての事業に次世代育成とジェンダー視点を導入し、より包括的で持続可能な平和の実現に取り組んでいる。
所在地:東京都新宿区
代表理事:瀬谷ルミ子
ウェブサイト:https://reals.org
X(旧Twitter):https://x.com/NPO_REALS
Facebook:https://www.facebook.com/NPOREALs/
Instagram:https://www.instagram.com/npo_reals/
活動報告書は年次でウェブサイトに公開しています:https://reals.org/about/document.html
理事長 瀬谷ルミ子 紹介

国連や防衛省の訓練も担う紛争解決の第一人者
紛争解決専門家として国連や外務省などで25年従事し、アフガニスタンで軍閥の司令官の交渉をリードし旧国軍の元兵士5万人を武装解除に導く。紛争とテロ予防のための早期警戒・早期対応手法を構築したほか、2021年アフガニスタン危機において命を追われるアフガン人1600人以上の退避支援を実現、国連や地域機構の軍・警察・文民職員の能力強化をになう紛争解決と平和構築の第一人者として世界で高く評価される。
戦後70年安倍内閣総理大臣談話の有識者会議委員、女性・平和・安全保障(WPS)の国内行動計画評価委員。「世界に足跡を残す10人の女性」(The New York Times)に選出。「第32回読売国際協力賞」を受賞。
Xアカウント:@Rumiko_Seya(https://x.com/Rumiko_Seya)
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活動報告書は年次でウェブサイトに公開しています:https://reals.org/about/document.html
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特定非営利活動法人(認定NPO法人)REALs(リアルズ/リーチ・オルタナティブズ )
広報担当:新居左由吏
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