カメラ・LiDARで棚や保管エリアを巡回し、VLMが業務判断に必要な在庫情報を画像から読み取る
株式会社アトラックラボ(所在地:埼玉県入間郡三芳町藤久保16-37、代表取締役:伊豆 智幸)は、レール上を自動走行する「レールドローン」と、自社開発のAI自律制御システム「AT-SYNAPSE」、VLM(Vision Language Model/画像言語モデル)を組み合わせ、倉庫内の在庫状況をタイムリーに把握する自動巡回システムを開発しました。
本システムでは、倉庫内に設置したレール上をレールドローンが定期的に巡回し、搭載したカメラで棚や保管エリアを記録します。取得した画像やセンサーデータをAT-SYNAPSEへ連携し、VLMが商品の有無、保管場所、棚の使用状況、空きスペース、仮置きされた荷物などを読み取り、自然言語で報告します。
本システムの目的は、すべての在庫を厳密に計数して確定することではなく、入出庫、補充、在庫探索、保管場所の調整など、日々の業務判断に必要な情報をタイムリーに提供することです。
バーコードで管理されている在庫だけでなく、コードが見えない荷物、未登録品、商品名が書かれた箱に入っていない工具や機材なども、外観や形状から品目候補を推定します。倉庫内を面的に捉えることで、バーコード読み取りを補完し、現場の状況をより網羅的に把握します。

言葉で聞いて、言葉でわかる
開発の背景
物流倉庫、工場内倉庫、レンタル会社の機材倉庫などでは、担当者が倉庫内を巡回し、在庫の有無や保管場所を確認しています。
しかし、広い倉庫から必要な商品や機材を探すには、多くの時間と人手が必要です。商品の移動や一時置き、登録漏れなどにより、在庫管理システム上の情報と実際の保管状況に差異が生じる場合もあります。
バーコードは、個々の商品やパレットを正確に識別するうえで有効です。一方、コードを一つずつ読み取る必要があり、コードが荷物の裏側にある場合や、ほかの荷物に隠れている場合、コード自体が付いていない場合には情報を取得できません。また、棚の空き状況、仮置きされた荷物、通路上の障害物などをまとめて把握することも困難です。
アトラックラボは、決められた経路を安定して走行できるレールドローンと、画像から物品や周囲の状況を理解するVLMを組み合わせ、倉庫内を継続的に巡回し、業務に必要な在庫情報を提供するシステムを開発しました。
システムの特長
■ レールドローンによる倉庫内の自動巡回
レールドローンが、倉庫内に設置されたレールに沿って自動巡回します。
同じ経路を繰り返し走行するため、撮影位置や画角をそろえながら、棚や保管エリアを定期的に確認できます。
レールには市販の30mm角アルミフレームを利用でき、棚の配置や確認範囲に応じた走行経路を安価に構築できます。
■ カメラで棚や保管エリアを記録
搭載したカメラで棚や荷物の画像を取得するとともに、周囲の形状や対象物までの距離も推測します。
画像に加えて空間情報を取得することで、棚、パレット、コンテナ、工具、機材、通路などの位置関係を含めて倉庫内を記録します。
■ VLMが業務に必要な在庫情報を読み取る
VLMがレールドローンのカメラ画像を解析し、棚や保管エリアにある商品、荷物、パレット、空きスペースなどを認識します。
商品ラベルや文字情報を確認できる場合は、品目や保管場所の特定に活用します。担当者は自然な言葉で在庫について質問でき、VLMが巡回時の画像をもとに、該当する物品が確認された場所や保管状況を回答します。
■ 外観や形状から品目候補を推定
VLMは、バーコードではなく、商品名や、物品の形状、色、部品、付属品、置かれている場所などを組み合わせて画像を理解します。
商品名が書かれた箱に入っていない工具や機材でも、外観上の特徴から「何である可能性が高いか」を推定します。ラベルのない物品や開梱済みの商品など、バーコードだけでは把握しにくい在庫の探索にも活用できます。
VLMによる認識は在庫や品目を確定するものではありません。類似した形状の物品や一部が隠れた物品については候補として提示し、担当者による確認を支援します。
■ バーコード読み取りを補完し、倉庫内を面的に把握
バーコード管理では、商品やパレットごとにコードを読み取ります。これに対し、本システムは棚や保管エリア全体を撮影し、画像に含まれる物品や周囲の状況をまとめて認識します。
バーコード情報に加え、コードが見えない荷物、未登録品、仮置きされた物品、棚の空きスペース、通路上の障害物なども確認できます。
個々の在庫を識別するバーコードやWMS(倉庫管理システム)と、倉庫内を面的に把握するVLMを組み合わせ、日々の業務判断に必要な情報を網羅的に提供します。
■ AT-SYNAPSEによる認識・判断・制御の連携
AT-SYNAPSEは、MCP(Model Context Protocol)対応のLLMエージェントとROS 2を連携させる、アトラックラボ独自のAI自律制御システムです。
レールドローンのカメラから情報を取得し、VLMによる画像理解、巡回状況の判断、走行制御、利用者からの質問への回答を一つのシステム上で連携します。
■ Webブラウザから倉庫内を遠隔確認
LTEまたはWi-Fi経由でレールドローンへ接続し、PCやタブレットのWebブラウザからカメラ映像、機体状態、AIによる解析結果を確認できます。
事務所や離れた拠点からでも、倉庫内の在庫や保管状況を把握できる環境を構築します。
システムの利用イメージ
・ レールドローンが設定された経路を自動巡回
・ カメラで棚や保管エリアを記録
・ 取得データを日時や撮影位置とひも付けて保存
・ VLMが物品、棚、空きスペースなどを認識
・ 担当者が自然な言葉で在庫について質問
・ AT-SYNAPSEが巡回画像を参照し、該当する物品の候補や場所を回答
・ 必要に応じて担当者が現物を確認
想定する情報活用
本システムは、以下のような情報をタイムリーに提供します。
・ 指定した商品や機材が倉庫内にあるか
・ 商品や機材がどの棚・エリアに置かれているか
・ 補充や移動が必要と思われる棚はどこか
・ 利用できる棚や保管スペースがあるか
・ 指定場所以外に仮置きされた物品がないか
・ 通路や作業エリアに荷物が置かれていないか
・ 担当者による現地確認が必要な場所はどこか
VLMの解析結果は、在庫数量や品目を確定するものではなく、担当者が業務上の判断や確認を行うための参考情報として利用します。正確な数量管理や入出庫処理については、バーコード、RFID、重量センサー、WMSなどとの併用を想定しています。
レンタル会社の倉庫管理にも活用
レンタル会社の倉庫では、工具、建設機械、計測機器、イベント用品など、形状や大きさの異なる物品を繰り返し貸し出し、返却後に再び保管します。
返却された物品が商品名の書かれた箱に入っていない場合や、所定の棚とは異なる場所に仮置きされている場合でも、VLMが外観や形状から品目候補を推定します。
返却品の所在確認、貸し出し準備、未整理品の把握、保管場所の確認などに必要な情報を提供し、物品を探す時間や巡回の負担を軽減します。
想定用途
・ 物流倉庫や工場内倉庫の在庫確認
・ 商品、工具、機材、パレットの探索
・ レンタル品の返却状況や保管場所の確認
・ ラベルやバーコードが見えない物品の確認
・ 外観や形状に基づく品目候補の推定
・ 棚の空き状況や保管スペースの把握
・ 未登録品や仮置きされた物品の確認
・ 高所ラックや無人時間帯の巡回
・ 複数倉庫の遠隔確認
代表取締役 伊豆智幸 コメント
「倉庫業務では、すべての在庫を常に厳密に数えること以上に、その時点でどこに何があり、どこを確認すべきかという情報をタイムリーに得ることが重要な場面があります。
このシステムでは、担当者が『XXの商品、あった?』と自然な言葉で聞けば、AT-SYNAPSEとVLMがレールドローンの巡回画像を確認し、商品が見つかった場所や、その時点の保管状況を教えてくれます。
VLMの良さは、バーコードや商品名だけに頼らず、物品の形状や外観から、それが何であるかを推測できることです。商品名が書かれた箱に入っていない工具や機材でも、画像に写っていれば候補を見つけられます。特に、多種多様な機材を繰り返し貸し出すレンタル会社の倉庫管理と相性がよいと考えています。
レールドローンとAT-SYNAPSE、VLMを組み合わせ、担当者が確認すべき場所を絞り込むことで、在庫探索や巡回の負担を軽減し、物流・レンタル業界の人手不足に貢献してまいります。」
株式会社アトラックラボについて
株式会社アトラックラボは、「危険な仕事、不快な仕事を、ロボットとAIの手に。」をミッションに掲げ、ドローン・UGV(無人車両)・USV(無人船舶)などの無人機にAIを実装する「Physical AI」を中核技術とするフィールドロボットSIerです。
ロボットの企画・設計・開発から、AIシステム、自律制御、遠隔操作、PoC、現場導入までをワンストップで提供し、建設・インフラ・プラント・物流・防災分野のDXを推進しています。
会社名:株式会社アトラックラボ
所在地:埼玉県入間郡三芳町藤久保16-37
代表者:代表取締役 伊豆智幸
事業内容:フィジカルAIソリューション、ドローン・UGV・USV・アバターロボット開発、AI・ROS 2開発、ロボットシステムインテグレーション、電子回路・組み込みシステム開発
お問い合わせ:sales@attraclab.com
本件に関するお問い合わせ先
株式会社アトラックラボ
E-mail:sales@attraclab.com