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東映アニメーション株式会社 デジモンプロジェクト

TVアニメ『デジモンゴーストゲーム』BD-BOX発売記念!シリーズディレクター・地岡公俊のインタビューを公開!

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東映アニメーション株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:高木勝裕)は、放送5周年を迎えたTVアニメ「デジモンゴーストゲーム」のシリーズディレクター、地岡公俊のインタビューを公開いたしましたことをお知らせします。

デジモンを“怪異”として捉え直した『ゴーストゲーム』
――『デジモンゴーストゲーム』が放送開始から5周年を迎えました。あらためて今、作品を振り返ってどんなことを感じていますか?

もう5年も経ったのかな、という感覚ですね。企画が動き始めた頃は、世の中もかなり特殊な状況にあった時期で。最初の打ち合わせを新宿の貸会議室でやったんですけど、新宿なのにほとんど人がいなかったんですよ。当時は「人っ子一人いない新宿だ」と思って写真を撮ったりしていました(笑)。今振り返ると、あれからもう5年以上経ったんだなと、感慨深いものがありますね。

――本作では、“デジモン×怪異”というこれまでのシリーズとはまた違った切り口が打ち出されました。企画当初、この作品ならではのデジモンをどのように描こうと考えていたのでしょうか?

これまでのシリーズもそうですし、今の『DIGIMON BEATBREAK』もそうですけど、デジモンはアクションものとしての傾向が非常に強いんですよね。デジモンには闘争本能や生存本能があって、戦うこと自体がもともとのゲームとしての面白さでもある。
一方で、『ゴーストゲーム』ではデジモンを“怪異”という方向から切り取りたいという話がありました。そうなると、これまでとは違った見方でデジモンを捉えなければいけない。そこが根底にありましたね。
デジモンは怪獣(モンスター)ではあるんですけど、しゃべることもできますし、人間とコミュニケーションも取れる。パートナーになれば、かわいらしい友達のような存在にもなる。でも、怪獣というものを普通に考えた時には、人間とは違う、怖くて危険な存在でもあると思うんです。そういうデジモンが本来持っている“怖さ”にあらためて目を向けながら、それを怪異と結びつけていく。その部分を重視しながら作っていった作品だったと思います。

――1話完結のオムニバス形式にすることも、比較的早い段階から決まっていたのでしょうか?

僕にオファーが来た時点では、すでにその方向性でした。その前のシリーズではデジタルワールドへ行く物語をやっていたので、今回は人間の世界にデジモンが出てくる話にしようと。その時に、デジモンを単なるモンスターというよりも、妖怪やお化けのように捉えていくことになったんです。
そしてデジモンとしての怪獣バトルを毎回こなすスタイルとして、1話完結という形式が非常に相性がいい。後半ではデジタルワールドへ行きますが、そこでも基本的なフォーマットは変えていません。1話ごとにひとつ区切りがあるという作りは、最後まで続いています。

――怪談や都市伝説を思わせる描写も多く、朝に放送される子ども向けアニメとしてはかなり怖いエピソードもありました。どこまで怖くするか、そのバランスはどのように考えていましたか?

まず、東映アニメーションには『ゲゲゲの鬼太郎』など、怪異を扱ってきたノウハウがあります。僕自身も『ゲゲゲの鬼太郎』に参加していたので、その時代の子ども向け作品で「このくらいまではできるだろう」という感覚はある程度持っていました。
ただ、明確に「ここまで」というラインがあったわけではなくて、実際には作りながらバランスを見ていきましたね。ストーリーを作る側としては、まず「お話として面白いか」を考えるので、こちらが持っていったものに対して、プロデューサーチームから「そこはちょっとやりすぎじゃないか」と止められたり、逆に「もう少しやってもいいんじゃないか」と相談したりしながら進めていました。実際、ちょっとやりすぎということでお蔵入りになったものもあります(笑)。

――企画段階から、視聴者の年齢も少し高めに想定していたのでしょうか?

コアになる年齢は13歳くらいで考えていました。小さい子どもは、怖いものを見ると拒絶反応ではないですけど、見ること自体をやめてしまう場合もあります。それに、怪異というものを楽しむには、ある程度の知識や経験も必要になる。小さい子だけをメインターゲットにすると、なかなか作りづらいところがあるんですよね。
『ゴーストゲーム』の前には『デジモンアドベンチャー:』があって、その前の同じ時間帯では『ゲゲゲの鬼太郎』を放送していました。そこで求められている怖さのボリュームや限界値を考えた時に、「小さい子向けだからここまではできない」としてしまうと前に進まない。なので、企画段階から少し高めの年齢感を意識していました。

――子どもが見たらかなり怖いのではと思うエピソードもありました。

基本的にはきちんとコントロールしながら作っていたので、「怖くしすぎた」ところまではいっていないと思います。むしろ僕としては、「もっとやってもいいのにな」と思いながら作っていた部分もありましたね。

デジモンを単純な“敵”として描かなかった理由
――事件を起こしたデジモンを倒して終わるのではなく、対話によって解決するエピソードも多くありました。デジモンを単純な“敵”として描かないことは、作品を作るうえで意識されていたのでしょうか?

そこは大きかったですね。たとえば『デジモンアドベンチャー』では、敵のデジモンたちが明確に子どもたちを狙って攻撃を仕掛けてくることがあります。でも『ゴーストゲーム』の場合、デジモンたちは人間界にやってきて、「人間に悪さをしてやろう」と悪意を持って行動しているわけではないんです。彼らは彼らなりの理屈でこの世界を読み解いて、この世界でどう生きていくか、あるいはどう楽しんでいくかを考えている。その結果として、人間にとっては怪奇現象になってしまっているだけなんですよね。だから、そういうデジモンを「こいつは悪いやつだ」と追い詰めて倒してしまうのは、少し違うだろうと。
第1話のクロックモンには多少の悪意がありますけど、彼は彼で人間の世界での楽しみを見つけて行動していた。マミーモンなんかは完全な勘違いで、人間のことを理解していないけれど、本人としては善意で助けようとしていたんです。それが人間にとっては怪奇現象になってしまった。そういう相手を必殺技一発で倒すのではなく、「それは勘違いしているよ」とか「そういうことをしちゃダメだよ」と対話することで解決していく。その方向性が根底にありました。
そもそも『ゴーストゲーム』はアクションやバトルに一番の比重を置いた作品ではなくて、怪異やホラーを楽しむところに比重を置いています。そこも、ほかのデジモンシリーズとは少し違うところだったと思います。

「大人にとって都合のいい主人公にはしない」
――主人公の天ノ河宙は、これまでのシリーズの主人公と比べても落ち着いたタイプです。どのような人物として描こうと考えていたのでしょうか?

作品のターゲット年齢を13歳くらいに考えていたので、まずはそのくらいの子たちが見て楽しめるキャラクターにしようということがありました。それと、これまでのデジモンとは違った主人公にしたかった。
これまでのシリーズは冒険的な要素が強いので、冒険を乗り越えるためにどんな主人公が必要なのか、というところからキャラクターを考えることが多かったと思います。でも今回は、ある種の冒険ではありながらも、人間の世界がメインです。その日常の中で起こる怪奇現象をどう扱い、どう乗り切っていくのかが求められる。
だから、みんなを強く引っ張っていくリーダータイプではなくて、日常生活の中でいろいろなスキルを持っている主人公にしようと考えました。宙は料理もできますし、お父さんの生活の面倒も見ている。学校へ行って、帰ってきて、ご飯を作って、日々の生活をきちんとこなしていく。いわば“ライフハックを持っている主人公”ですよね。

――一方で、単なる“いい子”にはしないようにしていた?

そこは気をつけていました。脚本はいろいろな人の意見を入れながら作っていくので、揉めば揉むほどキャラクターが平均化して、どうしても“いい子”になりがちなんです。だから脚本家のみなさんには、ずっと「大人にとって都合のいい主人公にはしないでください」とお願いしていました。
実際に小学生や中学生を見渡した時に、みんな成長途中で「大人にとって都合のいい子」ばかりじゃないでしょう、と。宙も同じで、人に何かを頼まれたら嫌とは言わずにやってくれる子なんだけど、自分が興味を持ったことにはかなり踏み込んでいくところもあって、危なっかしい変なライフハックも持っている。バランスが崩れているようでどこかバランスが取れている、“成長途中の普通にいる子”にしていこうと考えていました。
ただ、やっているうちにガンマモンがどんどん幼くなっていったので、気がつけば宙もすごくお母さんのようになっていきましたけどね(笑)。面倒見のいい兄貴というか。そこは最初から狙っていたというより、作品の中で自然にそう育っていった感覚です。

――ガンマモンも、当初考えていたキャラクターから変わっていったのでしょうか?

そうですね。僕が最初に考えていたガンマモンは、もう少し年齢感が高かったんです。もっと生意気なキャラクターをイメージしてたんですけど、沢城(みゆき)さんのお芝居もあって、どんどん年齢感が下がって、かわいらしいキャラクターになっていった。それはそれで、作品の中でキャラクターが育っていったということだと思います。役者さんと一緒に育てたキャラクターですね。

――宙役の田村睦心さん、ガンマモン役の沢城みゆきさんのお芝居には、どんな印象を持っていましたか?

非常にキャラクターに合っていたと思います。アニメーションって、最初からキャラクターの完成形があるわけではないんですよ。脚本があって、誰かが絵コンテを描いて、そこから何人ものアニメーターによって絵が動いていく。その時点ですでに、いろいろな人のイメージが入ってくるわけです。そこを演出が整えて、最後に役者さんのお芝居が入って完成していく。
役者さんのお芝居を聞いて、「このキャラクターをこういうふうに捉えたんだ」と、こちらも気づかされる。それがまた次の脚本や演出にフィードバックされていくんです。最初の1クールくらいは、みんなでキャッチボールをしながらキャラクターのイメージを作っていった感じでしたね。
沢城さんは特に、オーディションの日から迷いがなかった印象があります。「私のガンマモンはこういう感じです」というものをしっかり出してきた。それが頭ひとつ、ふたつ抜けているように感じました。僕はガンマモンをこう考えていたけど、こういう捉え方もあるのか、と。すごく新鮮でしたし、「これは面白いな」と思ったので、それを作品の中でも目いっぱい活かしていきました。

複数の進化先が生んだバリエーション
――ガンマモンにはベテルガンマモン、カウスガンマモンなど複数の進化先があります。それぞれの進化を描き分けるうえで、意識していたことはありますか?

進化先によって、得意な戦い方やデジモンとしての特性が違います。そこをどう活かすかは、当然お話の見どころになりますよね。
脚本を作る段階から、「どういう怪異を、どのデジモンに起こさせるのか」、あるいは「この怪異を描くなら、どのデジモンが適しているのか」ということと合わせて考えていました。そのうえで、今回はどの進化先を使うのがいいのか。いろいろな条件をパズルのように組み合わせていく感覚です。

進化先がいくつもあるのに、毎回同じものに進化していたら、見ている側も楽しめないと思うんです。「今回は何になるんだろう」ということも面白さのひとつですから、全体のバランスを見ながら使い分けていました。ウェズンガンマモンは比較的登場回数が少ないと思いますが、どうしても四足型なので、それに対してどういう相手をぶつけるのか、どう見どころを作るのかも考えなければいけない。毎回プロットを考える段階で、みんなで頭を悩ませていた記憶があります。
今回はメインのパートナーが3組から始まります。過去のシリーズでは7人、7体といった形もありましたが、人数を絞ったぶん、複数の進化先を用意することでバリエーションを出していった部分もあったと思います。

グルスガンマモンは“暗黒進化”ではない
――その進化先の中でも、グルスガンマモンはかなり異質な存在です。もともとどのような存在として考えていたのでしょうか?

実は最初のデザインは、もっと怪奇色の強いデザインでした。でもデザイナー側から変更の提案があって、上がってきたものを見ると、かなりすっきりして怖いけど格好いいキャラクターになっていた。だったら、これは“ダークヒーロー”として捉えるのがいいのかな、登場すると滅茶苦茶怖いけど(笑)
最初のデザインを見た時には、いわゆる暗黒進化のようなものになるのかなと思っていたんですけど、今のデザインを見ると「これは暗黒進化じゃないよね」と。作中では特に説明していませんが、グルスガンマモンは暗黒進化ではありません。ガンマモンの正常な進化先のひとつなんです。

――“悪に堕ちたガンマモン”ではないんですね。

そうです。ガンマモンの中にあるダークな部分、暗黒面のようなところではありますけど、暗黒進化ではない。ある種、ひとつの使命を持ったヒーローとして作っています。
グルスガンマモンは、同じ成長段階のデジモンよりもかなり強いんです。成長期の段階で成熟期と互角に戦えるし、それを凌駕することもできる。アルケニモンと戦って勝つことができるのも、そういう特殊な扱いのデジモンだからです。
そこで、“怖さ”と“強さ”を結びつけて考えました。日本では、ものすごく強い人を表現する時に“鬼”という言葉を使うことがありますよね。鬼は怖さの象徴でもあるけれど、同時に強さの象徴でもある。怖いということは、必ずしも悪いことではなくて、ほかより突出して強いということでもある。
グルスガンマモンも、とにかく怖く見えるし、邪悪にも見える。でも、本当に邪悪な存在なのかというと、そうではない。ピカレスクロマンではないですけど、あくまでヒーローの枠の中にいる存在として扱っていました。

デジモンと人間を“対等なパートナー”として描く
――今作では戦闘中に、デジモンだけではなく人間のパートナーも必殺技を叫びます。この演出はどのように生まれたのでしょうか?

これは企画のかなり初期から課題になっていたことでした。デジモンシリーズを通して見ると、デジモン同士のバトルが始まった時に、人間のパートナーが少し浮いてしまうというか、やることがなくなってしまいやすいんですよね。もちろん人間がそのまま戦闘に入って何かできるかというと、なかなか難しい。
これまでにも『デジモンフロンティア』のように、子どもたち自身がデジモンになるという形など、いろいろなパターンに挑戦しています。『ゴーストゲーム』でも、まず「戦闘シーンにどうやってパートナーの子どもたちを絡ませるのか」というところから考え始めました。
同時に、今回はデジモンを人間が使役するような描写にはしたくなかったんです。デジモンはあくまで対等なパートナーであって、人間から命令されたから戦うのではない。パートナーを守りたいという気持ちや、相手との心の絆があるから戦う。そのつながりを戦闘の中でも表現するために、必殺技を出す場面に人間側も関わる形にしました。進化もそうですが、デジモンと人間の絆やつながりが力になる。その関係性をどう映像として見せるのかを考えた結果、生まれた演出ですね。

5年経った今も続く『ゴーストゲーム』の世界
――放送開始から5年が経った今も『ゴーストゲーム』を愛しているファン、そしてBlu-ray BOXなどをきっかけに初めて作品に触れる方へ、あらためてどんなところを楽しんでほしいですか?

当時見てくださっていた方には、デジモンたちがその後、人間の世界でどう生きているのかといったところも想像しながら、あらためて楽しんでもらえたら嬉しいですね。
これから初めて見る方には、これまでのデジモンシリーズとは違った味わい方をしてもらえたらと思います。デジモン同士の戦いや、子どもたちが冒険を乗り越えていく物語とはまた違って、怪奇現象が起きて、それをどう解決していくのかを描いている。そういう、これまでとは違うデジモンの見方を楽しんでもらえたら嬉しいです。
それから、これを見てくれているファンのみなさんが『ゴーストゲーム』を盛り上げてくれたら、また何か新しいお話を作れるかもしれない。まだまだ続きを作れたら嬉しいなと思っています。

▼TVアニメ『デジモンゴーストゲーム』シリーズディレクター 地岡公俊 インタビュー
https://digimon-anime.com/news/2026093001/

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【関連サイト】
■「デジモンゴーストゲーム」BD-BOX特設サイト
https://www.fwinc.co.jp/DIGIMON_GG_BDBOX/

■デジモンアニメポータル
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