隔離状態の中で声をあげられずにいる女の子たち
国際NGOプラン・インターナショナル(所在地:東京都世田谷区 理事長:池上清子 以下、プラン)は、世界中で拡大している新型コロナウイルス(COVID-19)感染の陰で、女の子や女性たちに対する暴力が急増していることに危機感を抱き、各国が喫緊に支援に取り組むべきであると考えます。
プランでは現在、各国の難民や国内避難民などの弱い立場に置かれた人々が暮らすコミュニティを支援し、ホットラインの開設、オンライン診療やオンライン授業、啓発活動を通じ、特に女の子や若い女性たちが様々な困難に遇うリスクの軽減に努めています。
現在、世界90カ国以上で、政府によって発令されたロックダウン(都市封鎖)のため、40億人以上の人々が自宅待機を余儀なくされ、大きなストレスを抱えています。ロックダウンによる社会活動や経済の急速な停滞に伴い、性的虐待や身体的虐待、心理的虐待などの犠牲になっている女の子や女性の数が激増しています。感染が最初に確認された中国湖北省では、家庭内暴力の発生件数が従来の2倍に増加し、そのうちの9割以上はロックダウン、隔離政策に起因していると、現地より報告されています。
現在、多くの女の子や女性たちにとって家は安全な空間であるとは言えず、また声を上げられない状況にあります。近親者による暴力や虐待の危険にさらされている女の子や女性たちは、社会との繋がりがない場合が多いため、電話相談やシェルター、心のケアなどの必要不可欠な公共サービスを利用できずにいます。
大部分の国では、新型コロナウイルス感染対策の中で、女の子や女性への支援は見過ごされています。特に、既存の支援体制が脆弱であったり、感染拡大阻止にのみ注力していたりする国々の事態は深刻です。各国政府が即座に対処しなければ、何百万人もの女の子や女性たちが、栄養、安全、性と生殖に関する健康と権利、能力の向上といった面で十分な支援を得られず、時として暴力や虐待の犠牲になってしまいます。




プランは、2015年に実施した西アフリカ諸国におけるエボラ出血熱支援を含む、これまで世界中で展開した様々な活動から得た以下の4つの学びを今回の新型コロナウイルス感染対策にも生かしています。
[表1: https://prtimes.jp/data/corp/12939/table/134_1.jpg ]
プラン・インターナショナル ジェンダー専門家ティノテンダ ホンドのコメント
多くの女の子たちが、隔離期間中、知り合いや家族から虐待を受けているとの報告が多数寄せられています。東南部アフリカ諸国においては、ロックダウンの期間中に収入の手立てを失った家庭による早すぎる結婚の増加が深刻化しています。
プラン・インターナショナル 危機状況下にある女の子たちに関するプログラム担当シャロン チカヤのコメント
学校や学習センター、子ども広場といった女の子たちを保護する環境を閉鎖してしまうと、女の子たちの教育に悪影響を及ぼすだけでなく、児童婚や性的搾取、児童労働などの他に、ネグレクト(育児放棄)身体的・心理的虐待が増加するなど、女の子の保護の面からもリスクが高まります。
● プランの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への支援活動に関する情報は以下でご覧いただけます。https://www.plan-international.jp/special/coronavirus_info/