株式会社ダイセル(大阪市北区)が開発した、エッチング液からシリコン窒化膜を保護する保護材料「ナノひっつき虫(TM)」が、電子デバイス産業新聞(発行:株式会社産業タイムズ社)が主催する半導体・オブ・ザ・イヤー2023半導体電子材料部門の「優秀賞」を受賞し、5月31日に授賞式とプレゼンテーションが行われました。

今年で29回目を迎える「半導体・オブ・ザ・イヤー」は、電子デバイス産業新聞(発行:株式会社産業タイムズ社)が毎年開催しているもので、1.半導体デバイス、2.半導体製造装置、3.半導体用電子材料、の3部門で、製品・技術の新規性、半導体業界に与えたインパクト、将来性などを基準に、同新聞記者の投票によって受賞製品・技術が選定されます。
「ナノひっつき虫TM」は、天然由来のセルロースを原料にした当社オリジナルの水溶性樹脂を主成分とするシリコン窒化膜選択的な吸着材料です。半導体の製造工程で使用されるシリコン窒化膜に特異的に「ひっつき」、エッチング液と呼ばれる強酸の水溶液からシリコン窒化膜を保護します。一方でシリコン酸化膜には作用せず、エッチング加工の生産性に悪影響を与えません。すなわち、ナノひっつき虫TMにより、エッチング選択比を改善することが可能になりました。半導体をより一層微細化・高積層化していく上で、加工プロセスのエッチング選択比は極めて重要な要素です。今回は、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜のエッチング選択比を改善できる新しい手法であることが高く評価されました。


詳細については、「産業タイムズ社 半導体・オブ・ザ・イヤー2023」をご覧ください。
https://www.sangyo-times.jp/seminarDtl.aspx?ID=515