KARAKURI CXM導入で属人化を解消し、顧客インサイト経営を加速
カラクリ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役CEO:小田 志門、以下 カラクリ)は、王子ネピア株式会社(本社:東京都中央区、、代表取締役社長:森平高行、以下 王子ネピア)のお客様相談室に、生成AIを活用した顧客管理システム「KARAKURI CXM」を提供したことをお知らせします。
多くの日本企業が抱える「ナレッジの属人化」や「応対記録に埋もれた顧客インサイトの未活用」という課題に対し、同社は新規事業(スキンケアカテゴリー)の参入を機に、AIネイティブな顧客対応の体制の設計に踏み切りました。 熟練オペレーターが蓄積してきたナレッジを組織の資産として継承し、電話での問い合わせ音声から「顧客の声(VOC)」を自動抽出して事業戦略に活かす仕組を構築してまいります。

開発背景:2,000行の商品データと「手書きマニュアル」からの脱却
王子ネピアは、ティッシュや紙おむつなど家庭紙の老舗メーカーとして長年にわたり顧客対応を行ってきました。取り扱う商品データは2,000行を超え、同一ブランドでも製造工場の違いで商品特性が異なります。カタログやウェブサイトに掲載されていない製品も多数存在し、お客様相談室の熟練オペレーターは手書きのマニュアルと個人の経験によって高品質な対応を維持してきました。しかし、その一方でナレッジの属人化や後継者への引き継ぎが困難という構造的な問題を抱えていました。
転機となったのは、スキンケア(石鹸)カテゴリーへの参入です。ターゲット層がデジタルチャネルとの親和性が高いことを背景に、KARAKURIシリーズの導入を決意。個人の知見に頼っていたナレッジを組織の資産として共有・継承する体制と、電話音声からVOCを自動抽出して事業に役立てる仕組みの構築に着手しました。

活用方法
STEP 1|生成AIによるデジタルチャネルの構築(2025年3月~)
スキンケアサイトに生成AIチャットボット「GeN」を設置し、顧客が自ら疑問を解決できる導線を整備しました。回答生成に使用するナレッジとプロンプトは内製で運用しており、2,000行超の商品情報を踏まえたQ&A集の整備も並行して進めています。また電話とメールの問い合わせに対しては、オペレーター支援ツール「KARAKURI assist」を導入。過去の優良応対データや最新のナレッジをAIが参照し、最適な返信文案を自動生成する体制を構築しました。これにより、回答の質の平準化と作業工数の大幅な削減を実現。工場から上がってくる複雑な対策報告書の理解や、それに基づく回答文作成が30分から5~10分に短縮されました。AIを「へこたれない万能な新入社員」として業務サイクルに組み込んでいます。
STEP 2|電話音声から「顧客の本音」を可視化するVOC活用(2025年10月~)
生成AIの活用によってオペレーター業務の効率化が進んだ次のフェーズとして、KARAKURI CXMを活用した顧客インサイトの抽出を開始しました。 本ソリューションのVoice Search機能により、電話問い合わせの音声をリアルタイムでテキスト化し、応対ログとして自動記録します。同時にAIがログを要約・分類することで、従来の「申し出分類」だけでは見えにくかった顧客インサイトをVOCとして抽出。担当部署へフィードバックする運用を開始しました。
例えば、「7年間愛用していたのに近所の店での取り扱いがなくなってしまった」という声は、従来は単なる「納入店検索」として分類されるのみでした。今後はVoice Search機能により、その背景にあるブランドロイヤルティや流通への要望を可視化し、商品開発や流通戦略へのインプットとして活用してまいります。
STEP 3|AIによる対応品質評価で、育成サイクルを確立(2026年5月~予定)
2026年5月からは、AIによる応対品質の自動評価機能の活用を予定しています。応対音声をAIがリアルタイムに評価し、対応者一人ひとりへのフィードバックを自動生成。熟練者のスキルをベンチマークとして、新人・中堅オペレーターの育成サイクルをデータドリブンで回す体制を目指しています。人依存になりがちなCS品質の安定化を、ナレッジとデータの蓄積によって持続的に実現します。
王子ネピア株式会社 お客様相談室 藤澤ひろ美様 コメント
多くの相談室は対応件数を目標に置きがちですが、私たちのゴールは顧客体験の向上と『ファン作り』です。長年掲げている『不当な要求などがない限り、全ての人は当社の大切なお客様である』という理念に基づき、お客様の声を会社にきちんと届け、ネピアファンをひとりでも増やすことを使命にしています。そのためには、熟練者が積み上げてきた情報やマニュアルを個人の資産で終わらせず、会社の資産として後の人に残し、組織全体で品質を保ち続ける仕組みが不可欠でした。
このゴールを実現するパートナーとして、複数社に提案を依頼しましたが、カラクリさんはスモールスタートで効果を検証しながら段階的に投資判断ができる現実的な導入設計を提案してくださいました。早期に着手して自社にナレッジとデータを蓄積し、進化するAIと並走しながらノウハウを積み上げていくという、長期的な視点での競争優位の作り方に共感しています 。短期の費用対効果と長期の組織変革、その両立を一緒に描けるパートナーだと感じています。
KARAKURI CXMについて
コンタクトセンター・CX領域に特化したAI活用のCX管理プラットフォームです。電話問い合わせの音声をリアルタイムでテキスト化する「KARAKURI Voice Search」によるVOC抽出・活用、熟練オペレーターのナレッジを組織全体で共有・継承するための知識管理基盤、AIによる対応品質評価・オペレーター育成支援機能を一体で提供します。「人が育ち、品質が安定する」をコンセプトに、担当者個人に依存しない持続的なCX品質の向上を実現します。
https://karakuri.ai/service/cs/cxm
会社概要
カラクリは「FriendlyTechnology」というビジョンを掲げ、大規模言語モデル(LLM)のカスタマーサポートへの実用化を目指すAIスタートアップです。2018年からはトランスフォーマーモデルであるBERTの研究を開始し、2022年からはGPTを含む大規模言語モデルの研究に取り組んでいます。また当社のSaaS事業で提供するカスタマーサポート向けAIシリーズは、高島屋、SBI証券、セブン-イレブン・ジャパン、星野リゾートなど、各業界のトップ企業に選ばれ続けています。
【主な実績】
・2018年 ICCサミット「スタートアップ・カタパルト」入賞
・2020年 Google for Startups Accelerator2020に採択
・2022年 Google for Startups Growth Academy Tech 2022に採択
・2023年 AWS LLM開発支援プログラムに採択
・2024年 生成AI実用化推進プログラムに認定
・2024年 Meta社 完全招待制の生成AI開発者会議に参加
・2024年 経産省「GENIAC」に採択
住所:〒104-0045 東京都中央区築地2-7-3 Camel 築地 II
設立:2016年10月3日
代表者:代表取締役CEO 小田 志門
事業内容:カスタマーサポート特化型AI「KARAKURI」シリーズの開発・提供・運営など
URL:https://about.karakuri.ai/