1930年に第一回が開催されたイタリアの夏の風物詩「プッチーニ音楽祭」。2014年に記念すべき第60回公演が開催され、そこで作曲家 三枝成彰の「Jr.バタフライ」が上演された。これは2006年に続き2回目であった。日本人作曲家によるイタリア語歌詞のオペラ上演は話題となった。そして、今月、いよいよ日本でこの公演が観ることができる。1月23日には富山県民会館と1月27日には東京・渋谷のBunkamuraオーチャードホールで開催される。
本作「Jr.バタフライ」はプッチーニのオペラ「蝶々夫人」の続編にあたり、
太平洋戦争を背景に日本人の母のもとに生まれながらアメリカ人として生きて来た蝶々夫人の息子「Jr.バタフライ」が、日本人女性との真実の愛を貫く姿を描いた作品。三枝成彰が作曲し、作家 島田雅彦が台本を担当。本作の誕生にはどんなエピソードがあったのかを三枝氏が語った。「1998年、新作オペラの構想を話していたときに島田氏が『蝶々夫人』にはピンカートンと蝶々夫人の間に生まれた幼い息子が出てくるが、母が死んだあとどうなったかは語られていない。日本とアメリカの血を受け継いだ彼が、激しく移り変わる時代の中でどういう人生を歩んだのか、以前から興味があった」と。日本とアメリカ、東洋と西洋の違いとは何かを訴えるオペラをいつか書きたいと思うようになり、それが『Jr.バタフライ』につながったのである。このオペラの初演は2004年、偶然にも『蝶々夫人』の完成・初演からちょうど100年に当たる年であった。今回上演されるイタリア語版は、初演時の日本語台本を、2014年のイタリア上演に合わせて全編イタリア語に直したもので、今回が日本初演となる。
本場イタリアでも絶賛されたオペラ「Jr.バタフライ」。日本人の手によるオペラがイタリア語で、イタリア人キャストで上演されることは極めて稀である。その意味でこの機会は、貴重な公演になるだろう。
公演概要
三枝成彰 オペラ「Jr.バタフライ」イタリア語版(イタリア人キャスト、日本語字幕付き)
[富山公演] 2016年1月23日(土)14時開演 富山県民会館
チケット料金 S席8,000円/A席6,000円(B席・学生C席は売り切れ)
[東京公演] 2016年1月27日(水)19時00分開演 Bunkamuraオーチャードホール
チケット料金 S席15,000円/A席10,000円/B席8,000円(C席・D席は売り切れ)他
チケットぴあ、Bunkamuraチケットセンター、アーツナビ(富山公演のみ)他で販売中。
お問い合わせ=メイ・コーポレーション 03-3584-1951
関連サイト http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/kashi/20160127.html