~物流で培った「同時遠隔自動操縦」とAIを活用し、持続可能な営農と地域を支える「空のインフラ」を共同構築~
株式会社エアロネクスト(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長 グループCEO:田路 圭輔、以下「エアロネクスト」)と株式会社ヤマタネ(本社:東京都江東区、代表取締役社長:河原田岩夫、以下「ヤマタネ」)は、AIと遠隔運航技術を活用した次世代農業オペレーションの社会実装を目的として、業務提携契約を締結しましたので、お知らせいたします。
本提携では、エアロネクストが新スマート物流「SkyHub(R)」の社会実装を通じて培ってきたドローン運航技術および同時遠隔自動操縦オペレーション技術*1とヤマタネが有する農業分野の知見、事業基盤およびネットワークを融合します。
両社は、「現地作業」と「操縦・運航」を分離し、遠隔地から複数のドローンを効率的に管理・運航する新たな農業オペレーションモデルを共同で構築します。さらに、将来的にはAIを活用した飛行・運航の高度化や、生育状況の把握、圃場管理などの営農支援への展開を目指します。
本取り組みを通じて、農業現場における担い手不足や高齢化、作業負担といった社会課題の解決に貢献するとともに、持続可能な営農を支え、将来的には農業・物流・防災など複数の用途に活用できる地域の「空のインフラ」の構築を目指します。


■提携の背景と目的
日本の農業では、担い手不足や農業従事者の高齢化が急速に進んでいます。農薬散布をはじめとする重労働や、夏季の高温環境下における作業負担は、離農や後継者不足を加速させる要因の一つとなっています。
農業ドローンの普及が進む一方、機体の導入コストに加え、操縦者の確保、飛行計画の作成、運航管理、各種手続きなど、導入後の運用負担が本格的な普及に向けた課題となっています。
エアロネクストは、新スマート物流「SkyHub(R)」の社会実装を通じて、ドローンの運航、遠隔監視・制御、飛行計画の作成、運航管理などに関する技術とノウハウを蓄積してきました。現在は、1人のオペレーターが複数のドローンを管理・運航する同時遠隔自動操縦オペレーション技術の高度化を進めています。
ヤマタネは、農業分野における事業展開を進める中で、農業現場の省人化・効率化と持続可能な営農の実現に向け、新たなサービスモデルの検討を進めてきました。
一方、ヤマタネは、2024年4月、主に物流領域におけるソリューション展開を見据えてエアロネクストに出資し、両社の技術および事業に対する相互理解を深めてきました。さらに2026年5月には、エアロネクストが物流分野で蓄積してきたドローン運航ノウハウや同時複数機運航の仕組みが、農薬散布や圃場管理をはじめとする農業現場にも展開できる可能性を評価し、追加出資を行いました。
両社は、本提携を通じて、それぞれが有する知見、ネットワーク、運航技術を融合し、農業現場の省人化と生産性向上を実現する新たな農業オペレーションモデルの構築を目指します。
■業務提携の概要
1.締結日 2026年8月25日
2.目的と内容
両社は、以下の取り組みを共同で推進します。
1)次世代農業オペレーションモデルの共同構築
両社は、「現地作業」と「操縦・運航」を分離した、新たな農業ドローンオペレーションモデルを共同で構築します。
農業現場では、農薬やバッテリーの交換、機体の点検など、飛行に必要な現地作業のみを行います。一方、飛行計画の作成、操縦、遠隔監視、運航管理などは、遠隔地のオペレーションセンターから実施します。
これにより、農業現場における操縦者確保の負担を軽減するとともに、運航業務の集約・標準化を通じて、安全性とサービス品質の向上を図ります。
2)同時遠隔自動操縦オペレーションによる省人化
エアロネクストが開発を進める同時遠隔自動操縦オペレーション技術を活用し、1人のオペレーターが複数のドローンを同時に管理・運航する「1対多」の運航モデルの実現を目指します。
オペレーター1人当たりの運航可能機体数を増やすことで、操縦・運航に必要な人員を削減し、農業ドローンサービスの運営コスト低減を図ります。これにより、農業従事者や農業法人が利用しやすい価格で、安定したサービスを提供できる事業モデルの構築を進めます。
3)農業現場における実証と社会実装
今後、ヤマタネの取引先をはじめとする農業現場において、農薬散布などを対象とした実証を実施します。
実証を通じて、現地作業と遠隔運航の役割分担、運航体制、安全性、作業効率、コストなどを検証し、その成果を踏まえて、全国の農業サービス事業者、農業法人、作業受託事業者などへの展開を目指します。
4)AIを活用した農業オペレーションの高度化
両社は、農薬散布にとどまらず、生育状況の把握や圃場管理など、AIを活用した営農支援サービスへの展開を検討します。
また、実証や運用を通じて蓄積する飛行データ、作業データおよび圃場データなどを活用し、飛行・運航の効率化や農作業の最適化につながる機能の開発を進めます。
あわせて、散布、センシング、圃場管理など、複数の農作業に活用できる機体およびサービスの共同開発・運用についても検討します。

<農業オペレーションのイメージ画像>
3. 両社が目指す姿
本提携は、農業用ドローンの機体を提供するだけの取り組みではありません。
ヤマタネが有する農業分野の知見、事業基盤およびネットワークと、エアロネクストが物流分野で培ってきたドローン運航技術および同時遠隔自動操縦オペレーション技術を組み合わせることで、「現地作業」と「操縦・運航」を分離した新たな農業オペレーションの確立を目指すものです。
遠隔地のオペレーションセンターに操縦・運航機能を集約し、複数地域・複数機体を効率的に運航することで、農業現場の人手不足を補い、生産性向上と持続可能な営農を支える新たな社会インフラを構築します。
さらに将来的には、同一の機体、拠点、通信および運航管理基盤を、農業だけでなく、地域物流や災害時の情報収集・物資輸送などにも活用することで、地域を平時から有事まで支える「空のインフラ」への発展を目指します。
4. 今後の展開
今後、ヤマタネの取引先をはじめとする農業現場において実証を行い、「ドローン×AI×遠隔運航」を組み合わせた農業オペレーションの有効性を検証します。
実証結果を踏まえ、運航方法、現地作業、機体、安全管理、サービス価格などの標準化を進め、全国の農業サービス事業者、農業法人、作業受託事業者などを対象に順次展開していく予定です。
また、農薬散布にとどまらず、生育状況の把握、圃場のセンシングや管理など、農業現場が抱えるさまざまな課題に対応できる多用途な機体およびサービスの開発・運用を検討します。
さらに、運航や農作業を通じて蓄積されるデータを活用し、AIによる飛行・運航の効率化、散布作業の最適化、生育状況管理などへの応用を進め、農業オペレーション全体の高度化を目指します。
■代表者のコメント
<エアロネクスト代表取締役社長 グループCEO 田路 圭輔のコメント>
長年にわたり日本の農業を支えてこられたヤマタネ様と、次世代の農業オペレーションの社会実装に向けた取り組みをスタートできることを大変嬉しく思います。
農業ドローンのさらなる普及には、機体の性能向上だけではなく、「誰が、どこから、どのように運航するのか」というオペレーションそのものを変革していくことが重要だと考えています。
エアロネクストが物流分野で培ってきた遠隔自動運航や「1対多」の運航技術と、ヤマタネ様が長年培ってこられた農業分野の知見やネットワークを掛け合わせることで、農業現場の負担を軽減し、持続可能な営農を支える新しい仕組みを社会実装していきたいと考えています。
さらに将来的には、農業で活用する機体や運航拠点、通信、遠隔運航基盤を物流や防災などにも活用し、一つのドローンインフラで地域のさまざまな課題に対応できる「空のインフラ」へと発展させてまいります。
<株式会社ヤマタネ 代表取締役社長 河原田岩夫のコメント>
ヤマタネは、1924年の創業以来100年以上にわたって、コメとともに事業活動を行ってまいりました。現在、コメ産地は様々な課題を抱えており、当社は「産地の『続く』を支える」を合言葉に、産地の課題解決に向けた取り組みを行っております。
エアロネクスト様とは、2024年4月の出資以来、物流領域でのソリューション展開や、同社の技術を活用した農業分野におけるドローンの活用領域の拡大に向けた取り組みの検討を行ってまいりました。今回、次世代の農業オペレーションの社会実装に向けた取り組みをスタートでき、大変嬉しく思います。
今回の両社の業務提携により、産地が抱える社会課題の解決に取り組み、持続可能な営農の実現に寄与してまいります。
資料
*1 同時遠隔自動操縦オペレーション
1人のオペレーターが遠隔監視・コントロールセンターから複数台の無人機体(ドローン、自動配送ロボット、無人運航船など)を同時に制御・監視する技術。
【株式会社エアロネクストとは】
エアロネクストは、「人生100年時代の新しい社会インフラで、豊かさが隅々まで行き渡る世界へ。」をミッションに掲げ、低空域を活用した新たな社会インフラの構築を推進しています。
独自の重心制御技術4D GRAVITY(R)を核とした技術ライセンス事業や共同開発事業に加え、戦略子会社である株式会社NEXT DELIVERYを通じて、地域物流を集約・効率化する新スマート物流「SkyHub(R)」事業およびドローン運航事業を展開しています。SkyHub(R)は国内複数地域で社会実装が進み、平時の物流から災害時の緊急輸送まで対応する、持続可能なフェーズフリー型の地域物流インフラとして展開を広げています。
さらに、この物流分野で培った同時遠隔自動操縦オペレーション技術を基盤に、「フィジカルAI」の社会実装を推進しています。AIモジュールを物流、農業、設備点検、防災・警備など幅広い産業分野へ展開し、多様なドローンやロボティクスを統合的に制御するプラットフォームの構築を進めています。
*会社概要は https://aeronext.co.jp/about/company/ をご覧下さい。
【株式会社ヤマタネとは】
ヤマタネグループは、1924年の創業以来「安全」「安心」「良食味」のお米を消費者の皆様へ提供するため、全国各地の産地と長年にわたり強固な信頼関係を構築してまいりました。コーポレートメッセージ“「続く」を支える。”のもと、すべてのステークホルダーと共に持続可能な社会の実現を目指すことをサステナビリティ方針として定めております。
その方針の実現に向けて、「地域コミュニティ及び生産地と農業の発展」を取組み重点テーマとして掲げ、日本の農業が抱える課題に向き合いながら、持続可能な営農に貢献する事業を積極的に推進しています。中期経営計画「ヤマタネ2028プラン」においては、食品カンパニーとしてのバリューチェーンの拡大を目標に掲げ、川上(生産)への進出戦略を一層強化しております。
*会社概要は https://www.yamatane.co.jp/ をご覧下さい。
*エアロネクストおよびエアロネクストのロゴ、NEXT DELIVERY、「4D GRAVITY(R)」ならびに「SkyHub(R)」は、株式会社エアロネクストの商標です。
*その他、このプレスリリースに記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。