作り直すのではない。標準手順を土台に、条件差・例外・実施結果が生じる仕事から、必要な箇所だけを改善する
980社・33.8万人の働く人のデータを基盤に、組織行動科学(R)の研究・教育開発を行うリクエスト株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:甲畑智康)は、これまで組織が整備してきたマニュアルや手順書を土台に、実際の仕事で得られた判断と結果を継続的に加えていくための図解資料、「判断デザイン|マニュアル継続改善編」全10ページを公開しました。
本資料が提案するのは、既存マニュアルの全面改訂ではありません。
マニュアルを実際に使用したからこそ見えてきた、
- 標準手順をそのまま適用できない条件
- 担当者が判断に迷う箇所
- 作成時には想定していなかった例外
- 経験者が暗黙に確認している事実
- 担当者によって生じる結果の違い
- 実施後に初めて分かったこと
を、必要な仕事・必要な箇所へ加えていく継続改善です。
標準手順によって一定品質を再現できている仕事は、現在のマニュアルを維持します。
条件によって方法が変わる仕事、判断理由が記録されていない仕事、手戻りや例外が生じる仕事から対象を選び、一冊・一仕事・一判断の単位で小さく始めます。
マニュアル整備の成果を否定せず、次の段階へ進める
多くの組織では、各部門が時間をかけてマニュアルや手順書を整備してきました。
その結果、仕事の目的、確認事項、標準手順、役割分担が共有され、品質の安定、引き継ぎ、教育のための基盤がつくられています。
今回の資料は、これまでの整備が不十分だったと指摘するものではありません。
むしろ、マニュアルをつくり、実際の仕事で使ってきたからこそ、次に残すべき判断や学びが見えてきます。

画像1:既存マニュアルを作り直すのではなく、再現・選び直し・結果確認・更新の循環を加える。
図解1では、今回の取り組みが「すべてのマニュアルを変える活動」ではないことを示しています。
標準手順で一定品質を再現できる仕事は維持し、条件差、例外、担当者による結果差があり、手順だけでは対応しにくい仕事から改善します。
マニュアルは、完成した時点ではなく、使った後から成熟する
マニュアルを整備することで、仕事の進め方を共有できるようになります。
一方、標準手順を実際の仕事へ適用すると、
- どの条件まで現在の手順を使えるのか
- どこで判断が必要になるのか
- どのような例外が発生するのか
- 実施後に何を確かめるべきか
が見え始めます。
これらは、マニュアル作成時にすべて予測できるものではありません。
したがって、マニュアル整備を一度限りの文書作成として終えるのではなく、実務と結果を通じて成熟させていく必要があります。

画像2:「つくる→使う→判断と結果を加える」という三段階で、マニュアルを業務基盤として成熟させる。
図解2では、マニュアルをつくったこと自体が、次の改善の出発点になることを示しています。
使って分かったことを加えることで、マニュアルは「仕事の進め方を共有する文書」から、「条件に応じた判断と結果を次の人へ残す業務基盤」へ変わっていきます。
マニュアルを、単独の文書として見ない
マニュアルの記載内容だけを修正しても、仕事全体が改善するとは限りません。
マニュアルは、「その仕事で実現したい成果→ 業務プロセス→ 工程・サブプロセス→ 一つの仕事と判断→ 担当者の能力・権限→ 実行結果→ 次の改善」という流れの中にあります。
そのため、マニュアルを改善するときは、文書表現だけではなく、成果、前後工程、担当者の権限、判断箇所、実行結果とのつながりを確認します。

画像3:マニュアルを、業務成果・仕事・人・判断・結果をつなぐ接点として捉える。
図解3では、マニュアルが業務プロセスのどこに位置するのかを整理しています。
マニュアルを単独で管理するのではなく、どの成果につながり、誰が使い、どの結果を次の改善へ戻すのかまでを一つの流れとして捉えます。
標準手順と判断は、どちらも必要
判断デザインは、標準手順を否定する考え方ではありません。
既知・類似条件では、標準手順によって仕事を再現することが重要です。
一方で、状況、制約、前後工程、関係者への影響などが標準条件と異なる場合には、手順を機械的に適用するのではなく、必要な事実と判断基準を確かめて方法を選び直す必要があります。
重要なのは、手順と判断を混ぜないことです。
- どこまでは標準手順で進めるのか
- どこから判断が必要になるのか
- 何を確認して選ぶのか
- どの条件で相談・承認・停止するのか
を明確にします。

画像4:標準条件では手順によって再現し、条件が異なる場合には判断基準に照らして選び直す。
図解4では、「手順か判断か」という二者択一ではなく、標準手順が機能する条件と、条件が異なるときに必要な判断を分けています。
仕事の知恵を、四段階で深める
成果物や過去事例を残すことは、仕事の継承に欠かせません。
しかし、完成したものだけでは、次の人は「なぜその方法を選んだのか」を再現できません。
そこで本資料では、仕事の知恵の継承を次の四段階で整理しています。
- 成果物を残す
- 目的・条件・行動・結果のつながりを残す
- 問題・事実・選択肢・基準・理由という判断の構造を残す
- 次の人が実際の仕事で判断する経験を設計する
判断結果だけでなく、判断に至った過程と実施後の結果を残すことで、条件が変わったときにも、次の人が選び直せるようになります。

画像5:成果物の保存から、判断の構造と判断経験の設計へ、段階的に継承を深める。
図解5では、過去の答えをそのまま渡すのではなく、次の人が自ら判断し、結果から学べる状態までを継承の範囲として示しています。
経験者の答えを、そのまま正解として残さない
経験者が行ってきた判断には、次の人が学ぶべき知恵が含まれています。
一方で、過去の判断が、現在の条件でも妥当とは限りません。
そのため、経験者の答えだけを保存するのではなく、
- 実際に何を問題として捉えたのか
- どの事実を確認したのか
- 何を判断基準にしたのか
- どの選択肢を比較したのか
- なぜ、その方法を選んだのか
- 実施後にどのような結果が起きたのか
を確かめます。

画像6:「実際に解くべき問題」「確認した事実」「判断基準」の三要素から、その条件に適した判断を整理する。
図解6では、組織の中で実際に行われている判断を、事実と結果に照らして確かめ、次の人が使える形にするための基本構造を示しています。
一冊のマニュアルへ、すべてを書き込まない
判断理由や実施結果を残そうとすると、マニュアルの情報量が増え、日常業務で使いにくくなる場合があります。そこで本資料では、情報の性質に応じて、次の三つに分けることを提案しています。
マニュアル本体
標準的な条件で安定して使用する、目的、手順、確認事項、役割、基本的な例外対応を残します。
判断条件表・判断記録
条件が異なる場合に使用する、問題、事実、守る条件、選択肢、判断基準、相談・承認・停止条件を残します。
実施結果・変更履歴
実施後に起きたこと、想定との差、見落としていた条件、判断基準やマニュアルの変更点を残します。

画像7:安定して使う手順、条件に応じた判断、実施後の学びを分け、相互に参照できるようにする。
図解7では、情報を一冊へ詰め込まず、用途に応じて適切な場所へ残す構造を示しています。
AIは、マニュアルを自動的に作り直すために使わない
AIは、複数文書の比較、情報の抽出、重複・矛盾・不足の候補整理などを支援できます。
一方、AIの出力だけで、正式な判断基準やマニュアル内容を確定することはできません。
AIを利用する前に、
- 対象とする現在の正式版・版番号
- 対象とする仕事と適用範囲
- AIへ入力できる情報
- 出力を確認する担当者
- 正式な更新を承認する責任者
- 変更履歴の管理方法
を明確にします。

画像8:AIは改善候補を整理し、人が事実を確かめ、正式な更新を決定する。
図解8では、現在の正式版を確認するところから、実務との差の確認、改善候補の整理、人による確認・承認、更新後の結果確認までを一つの循環として示しています。
AIの出力は、確認前の仮説です。
正式な判断と更新内容は、実際の事実、組織内の基準、権限と責任に基づき、人が確定します。
マニュアルや本人を、最初から原因と決めない
仕事の遅延、手戻り、品質差、属人化が起きていても、原因がマニュアルにあるとは限りません。
また、すべてを本人の能力や育成で解決できるわけでもありません。
まず、
- 業務プロセス
- 担当者・支援者・責任者
- 必要な知識・手順・判断・経験
- 現在できていること
- 実際に仕事が止まっている箇所
を確認します。
そのうえで、プロセス改善、マニュアル更新、判断条件の明確化、判断経験の設計、配置・設備・システム・AI支援の見直しから、必要な改善を選びます。

画像9:仕事・判断・権限・情報・経験・環境のどこが止まっているかを確認し、改善方法を選ぶ。
図解9では、育成を唯一の解決策とせず、ボトルネックの位置に応じて改善方法を選ぶ考え方を示しています。
全マニュアルを一度に変えず、一つの重要な判断から始める
継続改善を定着させるには、最初から対象を広げすぎないことが重要です。
次の条件が多く当てはまる仕事から始めます。
- 業務成果への影響が大きい
- 繰り返し発生する
- 条件によって判断が変わる
- 経験者の知見に依存している
- 判断理由が記録されていない
- 手戻り、例外、担当者による結果差がある
対象を、「一つの業務成果→ 一つの業務プロセス→ 一つの既存マニュアル→ 一つの重要な判断→ 一人または少人数の判断経験」まで絞ります。

画像10:一つの仕事と一つの重要な判断から始め、個人の遂行、判断の共有、組織学習へ広げる。
図解10では、判断デザイン、判断経験設計、判断構造設計Proをつなぎ、個人の判断経験を組織の学習・更新へ変える最小の実践単位を示しています。
本資料が想定する組織
本資料は、次のような組織を想定しています。
- すでにマニュアルや手順書を整備している
- マニュアルを作成したが、継続的な見直しが十分にできていない
- 条件差や例外が多く、標準手順だけでは対応しにくい仕事がある
- 経験者の判断理由が、次の人へ十分に残っていない
- 担当者によって仕事の結果に差が生じる
- AIを使ってマニュアルを見直したいが、どこまで任せるべきか分からない
- マニュアル改善と人材育成を別々に進めている
- 個人の経験を、組織が共有・検証・更新できる形へ変えたい
目指すのは、文書を増やすことではない
判断デザインを用いたマニュアルの継続改善が目指すのは、文書や管理項目を増やすことではありません。
- 標準条件では、手順によって仕事を再現する
- 条件が異なる場合には、必要な事実と判断基準を確かめて選び直す
- 実施後には結果を確認し、次の判断へ学びを残す
この循環を、一つの仕事から小さく始めます。
これまで整えてきたマニュアルを土台に、
組織に蓄積された仕事の判断を次の人へつなぎ、
実行結果から継続的に学び、更新できる業務基盤へ。
全10ページは以下よりダウンロードできます。
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AI利用上の注意
AIの出力は、判断の確定ではなく、検討と確認を支援するための材料として扱います。
個別の仕事における正式な判断は、実際の事実、組織内の基準、権限と責任に基づき、担当者・責任者が行います。
個人情報、顧客情報、未公開情報、契約情報、技術情報などの機密情報はAIへ入力せず、所属組織が定めるAI利用規程に従ってください。
安全、品質、法令、情報セキュリティ、重大な顧客影響など、即時の停止・報告・承認が必要な場面では、所属組織が定める初動手順を優先してください。
判断デザインについて
判断デザインは、正解や手順を先に渡すことではありません。
本人が実際の仕事の中で、
- 何を事実として確かめるのか
- 何を目的として判断するのか
- どの選択肢を比較するのか
- 何を守る条件とするのか
- どこまで自分で決めるのか
- どの条件で相談・承認・停止するのか
- 実行後に何を確認し、次の判断へ残すのか
を経験できる状態をつくる考え方です。
本資料では、次の三つをつなげています。
判断デザイン:何を確かめ、何を守り、どの条件で選ぶのかを設計する。
判断経験設計:次の人が、実際の仕事の中で判断する経験を設計する。
判断構造設計Pro:個人の判断経験を、共有・検証・更新できる組織能力へ変える。
商標について
「判断デザイン」「判断経験設計」「判断構造設計」は、リクエスト株式会社が商標登録出願中です。
「判断構造設計Pro」は、判断構造設計を組織へ実装するための実務体系です。

組織行動科学(R)について
組織行動科学(R)は、組織で働く人の思考と行動が「なぜ起こり、なぜ続くのか」を、事業環境、歴史、経験から解明し、より善く再現するための手段です。
リクエスト株式会社は、980社・33.8万人の働く人のデータを基盤に、組織で働く成人の研究と教育開発を行っています。


会社概要
会社名:リクエスト株式会社
代表者:代表取締役 甲畑 智康
所在地:〒160-0022 東京都新宿区新宿3丁目4番8号 京王フレンテ新宿3丁目4F
事業概要:リクエスト株式会社は、「より善くを目的に」を掲げ、980社・33.8万人の働く人のデータに基づく「組織行動科学(R)」を基盤に、組織で働く成人の研究と教育開発を行っています。
公式サイト:https://requestgroup.jp/
会社概要:https://requestgroup.jp/corporateprofile
