最大定格荷重38tの新型タワークレーン
総合建設機械レンタルの株式会社アクティオ(本社:東京都中央区日本橋、代表取締役社長兼COO:小沼直人、以下アクティオ)は、フロアクライミングに特化した超高層建築用タワークレーン「パイロクレーンOTA-980HN」のレンタルを2025年12月17日(水)から開始いたします。

「パイロクレーンOTA-980HN」は、超高層大規模建築向けに設計されたタワークレーンです。最大定格荷重は38t、最大定格時作業半径は26m、最大揚程は350mの高性能設計で、最大の特長は、タワー引込式独立型クライミング装置を採用している点です。通常のタワークライミング(※1)では、上面からタワーを取り込みますが、「パイロクレーンOTA-980HN」は、昇降体の側面からの取り込みが可能です。この装置により、自力でタワーを引き込みながら上昇(クライミング)することができます。
クライミング作業では、まず天秤を取り付けたタワーをクレーン自体で吊り上げて待機させます。続いて、昇降体の引き込みトロリに掛け替え、トロリで支えながら、横行装置を操作してタワーを引き込みます。1本あたりの作業時間は約2時間と短く、従来のフロアクライミング方式では2日かかっていた作業を1日で完了でき、大幅な時間短縮を可能にしました。また、上面にタワー取り込み口が不要になったことで、旋回体の構造をコンパクトにできるため、1,000t・m級クレーンでありながら、600t・m級クラスの旋回体サイズを実現しました。旋回体の後部が短いため、敷地外への越境や周囲への干渉リスクも低減します。さらに、クライミング時に使用するアウトマスト上部は脱着式で、取り外すことで最上階でのクライミング作業に必要な台座引き上げの伸びしろが確保できます。クレーン本体とクライミング装置が独立して動く構造により、上昇作業後すぐにクレーンを使用できるのも大きな利点です。また、作業中もジブ方向を360度回転させることができ、ジブの長さも37m・42m・47mの3段階で調節が可能です。建設現場において、作業効率と安全性が大幅に向上し、超高層建築における施工の可能性をさらに広げます。
アクティオは今後も「レンサルティング」のノウハウを活かし、安全性や生産性を向上させる製品やサービスを提供していきます。
※1 タワークレーンが工事の進行に合わせて自力で上昇するクライミング工程を指し、主に2つの方式があります。「マストクライミング方式」は支柱を継ぎ足して上昇する方法で、一般的な高層建築に多く採用。「フロアクライミング方式」は建物の床を利用して台座ごと上階へ移動し、超高層鉄骨建築で主に運用されます。
■「パイロクレーンOTA-980HN」特長
1.1本にかかる時間は約2時間でフロアクライミングの時間が大幅に短縮
2.上面のタワー取り込み口が不要なため旋回体がコンパクト
3.1,000t・m級のタワークレーンで600t・m級の旋回体サイズを実現
4.旋回体の後部が短くなることで敷地外への侵入等のリスクを軽減
5.タワークライミング時に使用するアウトマスト上部は脱着が可能で、最上階フロアクライミングに必要な台座引き上げの伸びしろを確保することが可能
6.クレーンとクライミング装置が独立して動く機構により早期にクレーンの使用が可能
7.クライミング作業時もジブ方向は360度動かすことが可能
8.ジブは37m・42m・47mの3段階で調節可能
9.断面寸法2.3mのタワーを採用し強度を確保




■「パイロクレーンOTA-980HN」クライミング作業工程
・天秤を付けたタワーを吊り上げ待機させます
・タワー自重をタワー引き込みトロリに預けます
・横行装置を操作しタワーを引き込みます



■「パイロクレーンOTA-980HN」の図面

■「パイロクレーンOTA-980HN」の定格荷重図

■スペック

■本商品に関するお問い合わせ先
株式会社アクティオ クレーン事業部
TEL:03-6854-1423