商品を並べて注文を取る商談の場から、世界的大企業が作り手(サプライヤー)に会いに来る「技術共有の場」へのシフトを解説
台湾のビジネス・市場動向調査に精通するワイズコンサルティンググループ(本社:中華民国台北市)傘下のワイズリサーチは、最新インサイトレポート『「売る場」から「集う場」へ ~台湾B2B展示会の役割変化~』を公開いたしました。
COMPUTEX(コンピューテックス)やSEMICON Taiwan(セミコン台湾)など、台湾のB2B国際展示会が近年記録的な活況を呈している一方で、「出展したが会いたい相手に会えなかった」と悩む日系企業も少なくありません。本レポートでは、AI・半導体の供給網が集積する台湾において、展示会の役割が「商品を並べて注文を取る場」から「技術を交わし業界が集う場」へといかに変化しているかを独自の視点で解説しています。
■ レポートのハイライト(台湾B2B展示会における3つの変化)
1.かつての展示会は「商品を見せて注文を取る場」
輸出主導で成長してきた台湾において、展示会は長らく輸出を後押しする商談の場として機能してきました。COMPUTEXも当初は、PCや周辺機器のOEM/ODM(受託製造)の商談が中心であり、台湾企業がブースに製品を並べて海外バイヤーからの受注を待つスタイルが主流でした。
2.今は「技術の方向性を共有する場」へ
AI・半導体ブームにより、この構図は大きく変わりました。現在のCOMPUTEXでは、世界の大手IT企業のトップが基調講演の主役となりAIの技術ロードマップを示し、それを製造する台湾のサプライヤーが同じ会場で協業の具体化を進めます。世界を代表する企業が、自社の製品を支える作り手に会いに来るようになり、展示会の主役は「並べられた商品」から「交わされる技術」へと移っています。
3.産業集積が展示会を「業界の集まり場」に変えた

(図1)COMPUTEXおよびSEMICON Taiwanの専門来場者数の推移(2023~2026年)。AI・半導体ブームを背景に、技術共有の場として来場者が年々急増している。(資料:ワイズリサーチまとめ)
この変化を支えているのが台湾の産業集積です。2026年のSEMICON Taiwanでは、国家パビリオンが計18カ国に上り、65カ国から海外バイヤーが集まりました。50を超える国際フォーラムには国内外から350人の専門家が登壇し、1万1,000人以上が聴講しています。サプライチェーンが狭い地域に集積する台湾では、参加企業同士が互いに顧客であり供給者でもあるため、展示会は「業界のサプライチェーンそのものが集う場」となっています。
■ 経営へのヒント:「名刺の数」から「誰と、どの技術でつながれたか」へ
こうした変化を踏まえ、在台日系企業には展示会の使い方の見直しが求められます。 ブースに製品を並べて来場者を待つだけではキーパーソンには出会えません。出展する場合は会期前の面談設定や、基調講演・サイドイベントへの参加を含めた計画が欠かせず、視察する場合もフォーラムから業界の方向性を読み取り、自社の中長期戦略に反映させる視点が重要です。 名刺の枚数や商談件数だけで成果を測る時代は終わり、「誰と、どの技術でつながれたか」という物差しを持つことが、出展判断や本社への予算説明の確かな根拠となると提言しています。
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