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株式会社帝国データバンク

熊本「震度5強」以上 被災地域に2.2万社 県外企業が2割を占める 「TSMC」隣接エリアは県外企業が2割超、医療・福祉事業者なども集中

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「令和8年熊本地震」関連調査

株式会社帝国データバンクは、2026年7月28日に発生した熊本地方を震源とする地震(「令和8年熊本地震」)による企業活動への影響について、特に被害が大きい震度5強以上を観測した地域を中心に調査・分析を行った。(2026年7月時点)

SUMMARY
7月28日に発生した「令和8年熊本地震」で、震度5強以上の強い揺れを観測した熊本県内(25市区町村)には2万2193社の立地が判明した。このうち3782社は県外企業の拠点で、TSMC周辺の大津町・菊陽町などでは2割超を占めた。震災の影響は熊本県内にとどまらず、全国のサプライチェーンへ波及する可能性がある。

■調査対象は、「震度5強以上」を観測した熊本県内25市区町村に本社・工場・営業所等を置く企業。単体での所有のほか、100%出資子会社の設備分も対象
震度7 :熊本県:宇城市、氷川町
震度6強:熊本県:熊本市(西区・中央区・東区・南区・北区)、八代市、宇土市、美里町、益城町、嘉島町、甲佐町※
震度6弱:熊本県:上天草市、合志市、大津町、西原村、御船町、芦北町
震度5強:熊本県:水俣市、山鹿市、菊池市、天草市、菊陽町、津奈木町
※嘉島町、甲佐町は観測データ未入手だが、報道資料等から推定震度6強以上と見做した 
熊本「震度5強」以上 被災地域に2.2万社
7月28日に発生した「令和8年熊本地震」で、震度5強以上の強い揺れを観測した熊本県内・25市区町村に本社や事業所、工場などが立地する企業 は、2026年7月時点で累計2万2193社判明した。このうち、域内に本社を置く企業は1万8257社、営業所や支店、工場など企業の拠点=事業所が1万1356社だった(両者の重複を含む、1社で複数拠点を有する場合はそれぞれ1社として集計)。

市区町村別にみると、最大震度7を観測した「宇城市」では本社・事業所合わせて940社、「氷川町」では139社判明し、両市町合わせて計1077社が判明した(重複除く)。企業数が最も多いのは「熊本市中央区」で4578社だった。このうち、本社が2882社、事業拠点が2912社だった。以下、「熊本市東区」(3532社、本社:2533社、事業所:2012社)、「熊本市南区」(2417社、本社:1759社、事業所:1403社)となった。県内外の企業を含め、多くの企業が熊本市内に本社や活動拠点を構えている。

熊本県内では、特に県外からの事業所の展開も多い。震度5強を観測した熊本県内25市区町村に、熊本県外から同エリアに進出している企業は3782社を占め、全体(企業総数)の17.0%を占めた。このうち、多くは営業所や支店・支社など「営業拠点」(2120社)としての進出だったほか、「店舗」(450社、本店含む)も多かった。また、生産拠点など「工場」(195社)、配送センターなど「物流・倉庫」(52社)といった形態での進出も多い(拠点名等に基づく集計)。

市区町村別にみると、企業数でも多い「熊本市中央区」(27.7%)が最も高く、約3割が県外企業の事業所で占めた。他方で、「大津町」(25.0%)、「嘉島町」(20.9%)、「菊陽町」(20.8%)といった自治体では、2割超が県外企業による拠点で占められた。いずれも半導体の受託製造で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が設立したパワー半導体の製造拠点に隣接しており、関連する企業の事業所も多い。なお、最大震度7を観測した宇城市・氷川町に本社・事業所を有する企業計1077社のうち、県外企業の事業所はあわせて118社が判明し、両市町全体の約1割を占めた。

また、熊本県内25市区町村に県外から事業所を展開する企業を都道府県にみると、最も多いのは「福岡県」(1038社)だった。以下、「東京都」(946社)、「大阪府」(347社)、「鹿児島県」(185社)が続いた。熊本県を除く全46都道府県の企業が、震度5強以上の市区町村に拠点を構えていることが判明した。九州外からの進出が2220社となり、熊本県外全体の約6割を占める。

「サービス業」が最多の6441社
業種別にみると、「サービス業」が最も多い6441社で、約3割を占めた。サービス業では、老人ホームなど「老人福祉業」(568社)をはじめ、「非営利団体(NPOなど)」(513社/法人)、「無床診療所」(473社/法人)など、総じて医療・福祉関係の業種で多く見られた。次いで多いのは「建設業」(5724社)で、「土木工事業」(1013社)のほか、ハウスメーカーや工務店など「木造建築工事」(704社)も多かった。「製造業」(1807社)は全体の約8%と規模は他業種に比べて小さいものの、「印刷業」(87社)や「一般製材業」(42社)、「半導体製造装置製造業」(40社)と幅広い産業でみられるほか、九州外から被災地エリアに生産拠点などで進出している企業が多いのも特徴となる。

県外からの進出も多い熊本県、今後の影響に注視必要
熊本地方では、水道や電気設備などインフラ網が被災していることに加え、燃料や食料供給など生活ライフラインの復旧見込みが立たない地域もある。報道などによれば、熊本県内に工場や物流施設などを構える企業では、生産設備に被害を受けたことで稼働の見通しが立たないケースや、被害は少なかったものの、余震が継続していることなどを踏まえ、安全が確認されるまで当面の間稼働を停止する企業も出てきている。

今回、強い揺れに見舞われた地域では、半導体大手・TSMCを中心としたエレクトロニクス産業の集積が進み、九州一円のほか東京都など関東圏からの拠点進出も多い。今後、復旧・復興が長期化すれば、熊本地方の企業と取引を行う全国の企業にも影響が広がる可能性があり、支援体制の構築が急がれる。

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