～仕入コストを最大50%削減し、水産業における販路拡大と収益性向上に貢献～
TISインテックグループのTIS株式会社（本社：東京都新宿区、代表取締役社長：岡本 安史、以下：TIS）は、過疎化や漁業従事者の減少といった社会課題を抱える水産業の出荷業者、輸送業者と発注業者向けに、生きたまま扱われる活魚・締められたばかりの鮮魚・水産加工品の受発注から精算管理までを一元化するBtoB型流通プラットフォーム「トトスマ」を2025年12月18日より提供開始したことを発表します。
「トトスマ」は、中間流通業者を介さずに受発注から精算管理までを一元化することで、発注業者が仕入の際に負担するコストを最大50%削減します。また、アプリ上で全国の取引業者とマッチングできるため、販路が全国に拡大し、出荷業者、輸送業者、発注業者ともに収益性の向上が見込めます。
「トトスマ」による流通スキーム
背景
水産業界では、高齢化・過疎化の進行、漁業就業者数の減少、世界的なインフレによる魚価の高騰など、複数の要因から厳しい経営状況に直面している事業者も少なくありません。また、地球規模の気候変動の影響により海水温が急激に上昇し※1、この環境変化は日本近海における水揚げ量の減少にも直結しています。
従来の水産業における流通構造では、出荷業者の販路は特定の数社に限定されることが多く、水揚げ量減少による収益低下に対応するために新たな取引先を開拓することは容易ではありませんでした。さらに、燃料やエサ代の原価高騰と相まって水産業界全体をひっ迫させていたことから、水産業における流通構造の簡素化と、新たな収益源の確保を目的とした販路拡大は喫緊の課題となっていました。
「トトスマ」の開発は、三重県の漁村生まれで、地元で活魚仲卸業を兼業するTISの社員により、この水産業の厳しい現状を打破すべく企画が開始しました。TISがこれまで培ってきたIT技術によって流通構造を自動化することで、新たな収益源の確保と販路拡大につなげることができると考え、社内の新規事業提案制度にエントリーし、PoCを経て事業化に至りました。
※1 2024年8月の環境省調査によると、日本近海における年平均海面水温は100年換算で約5度上昇傾向。
環境省「モニタリングサイト1000」https://www.biodic.go.jp/moni1000/
概要
「トトスマ」は、水産業における発注業者と出荷業者の受発注、輸送手配、精算管理までを一元化するBtoB型流通プラットフォームです。
主な特長は以下の通りです。
＜特長＞
1. 受発注から精算管理までを一元化し、仕入コストを最大50%削減
見積書や請求書などの帳票類を自動生成することで、中間流通業者を介さずに受発注から精算管理までをアプリ内で完結。これにより、発注業者が仕入の際に負担するコストを最大50％削減。
2. 既存の流通網に縛られず販路が全国に拡大
アプリ上に登録された多数の業者とマッチング可能。また、発注業者はアプリ上で欲しい商品を検索することができ、出荷業者もアプリ上で出品するだけで全国の事業者からの引き合いが発生することから、販路拡大、利益の最大化に寄与。
3. 独自のアルゴリズム技術により活魚の混載輸送を実現
活魚の混載輸送を可能にする機能を2026年度中に追加予定。※2水槽ごとの活魚の積荷要領を自動で生成する機能により複数の出荷業者と複数の発注業者のニーズを瞬時にマッチングし、活魚の混載輸送を実現。また、「ルート計画」機能による輸送効率の向上により、発注業者にとって輸送会社1社あたりの輸送費負担額を約60％削減見込み。
※2 活魚の宅配輸送は本サービス提供開始と同時に利用可能
ルート計画機能と積荷要領
4. チャット機能により取引にかかるコストやコミュニケーションストレスを削減
これまで複数の卸売業者や連絡手段を介していた取引をアプリ内のチャット機能で完結し、商品に関する迅速な問い合わせ対応や、当日・直前の数量調整に対応。また、スケジュール機能により、事業者の業務可能時間帯にのみ業務依頼が割り当てられるため、空き時間の有効活用に寄与。
＜提供価格＞
登録料および利用料無料
詳細は以下URLをご参照ください。
https://about.totosuma.com/
今後について
TISは「トトスマ」について、活魚・鮮魚・加工品を扱う出荷業者・発注業者を中心にシェア拡大を図り、まずは2030年度までに売上高10億円、導入社数1,000社を目指します。
また将来的には、デジタル通貨との連携による決済手段の多様化や、天候を考慮した受発注量の調整による商品のロスト防止、自動運転技術の応用による無人トラック輸送を実現し、「トトスマ」の流通プラットフォームとしての価値最大化を図ります。
TISは今後も、ITを活用した持続可能な水産業の仕組みづくりの醸成と地域活性化に貢献していきます。
TIS株式会社について（https://www.tis.co.jp/）
TISインテックグループのTISは、金融、産業、公共、流通サービス分野など多様な業種3,000社以上のビジネスパートナーとして、お客さまのあらゆる経営課題に向き合い、「成長戦略を支えるためのIT」を提供しています。50年以上にわたり培ってきた業界知識やIT構築力で、日本・ASEAN地域の社会・お客さまと共創するITサービスを提供し、豊かな社会の実現を目指しています。
TISインテックグループについて
TISインテックグループは、国内外グループ2万人を超える社員が『ITで、社会の願い叶えよう。』を合言葉に、「金融包摂」「都市への集中・地方の衰退」「低・脱炭素化」「健康問題」を中心としさまざまな社会課題の解決に向けてITサービスを提供しています。デジタル技術を駆使したムーバーとして新たな価値を創造し、人々の幸せと持続可能な豊かな社会の実現に貢献します。
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本サービスに関するお問い合わせ先
TIS株式会社 トトスマ営業窓口
E-mail：totosuma-sales@tis.co.jp
HP：https://about.totosuma.com/
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