UHF帯によるサプライチェーン管理と、NFCによる消費者への情報提供を1枚で実現
TOPPANホールディングスのグループ会社であるTOPPAN株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:野口 晴彦、以下 TOPPAN)は、アパレルブランド向けに、サプライチェーン管理と消費者へのトレーサビリティー情報提供を両立する小型デュアルRFIDタグを開発しました。2026年度内の提供開始を目指します。
本製品は、長距離通信での一括読み取りに優れたUHF帯と、近距離通信で安全性に優れたNFCの2つの通信規格を統合したデュアルタイプのRFIDタグです。UHF帯により物流や店舗におけるサプライチェーン管理を一括読み取りで効率化するとともに、購入後はNFCにより消費者のスマートフォンでトレーサビリティー情報が閲覧可能となります。また、トレーサビリティー情報の提供だけでなく、真贋判定やキャンペーンへの参加などにも活用でき、顧客体験価値の向上に貢献します。
なお本製品は、2026年9月9日(水)から11日(金)まで開催される「第28回 自動認識総合展」(会場:東京ビッグサイト)のTOPPANブース(南3ホール・A-75)にて展示します。

織ネーム(ブランドタグ)
小型デュアルRFIDタグ
■ 開発の背景
現在、欧州におけるDPP(※1)規制をはじめ、原材料調達から製造、流通、廃棄に至るライフサイクル全体を通じたトレーサビリティーの法制化が世界的に進んでいます。アパレル業界においても、事業者だけでなく消費者からサステナビリティ対応やサプライチェーンの透明性確保が強く求められており、2027年以降DPPの導入が予定されるなど、製品ライフサイクルを通じた確実な情報開示と管理が急務となっています。
しかし、従来のアパレル向けUHF帯タグは、長距離一括読み取り式のため在庫管理やレジ業務を主目的としており、消費者が個人の端末で利用するのには適していませんでした。そのため、購入後は切り離されて捨てられることが多く、消費者に対する情報開示やリサイクル時の追跡に活用しにくい点が課題となっていました。
TOPPANは、これらの課題を解決するため、UHF帯とNFCの両規格に対応した本製品を開発しました。衣服の織ネーム(ブランドタグ)への実装技術に加え、洗濯や摩擦に耐えうる高い耐久性を実現する構造設計を確立しました。
■ 特長
・UHF帯とNFCに対応したデュアルタイプで、ライフサイクル全体のトレーサビリティーを強化
製造・物流・店舗などの現場ではUHF帯を用いた長距離一括読み取りによる業務効率化を行い、購入後はNFCにより消費者が手持ちのスマートフォンでトレーサビリティー情報を直接読み取ることができます。本製品を織ネーム(ブランドタグ)へ実装することで、購入後の製品追跡や廃棄・リサイクル時の情報参照が可能となり、トレーサビリティーの強化に繋げます。
・導電糸の活用により、小型でありながら長距離通信を実現
衣服に取り付ける際、縫製に使用する糸の一部を導電糸にすることで、導電糸にRFIDの電波を結合させる構造を開発。これにより、小型でありながら5m以上の長距離通信を実現しました。
・改ざん・外部共有不能なセキュリティを実現
TOPPANが提供するID認証プラットフォーム「ID-NEX(R) NFC セキュアID認証サービス」を活用することで、既存システムやブロックチェーン(※2)と柔軟に連携でき、DPP情報などを改ざん不能な形で追跡可能です。また、購入者限定の特典付与やキャンペーン施策などを提供することで、安全な環境下で顧客体験価値の向上に貢献します。
・家庭用洗濯機100回のテストをクリアした高い耐久性を保持
ICチップおよび実装部を補強した高耐久な設計を施しています。これにより、家庭用洗濯機での100回洗濯耐久テストをクリアしており、着用や洗濯を繰り返してもタグの機能を維持します。
■ 価格
約100円/枚~(10万枚一括手配時)
※織ネームは含まれません。導入数量に応じて価格は変動します。
■ 今後の目標
TOPPANは、本製品を2026年度内に提供開始し、欧州展開を行うアパレルブランドへ向けて積極的に提供していきます。2029年度までに関連受注を含み10億円の売上を目指します。
■ TOPPANのIoTソリューション事業について
TOPPANは、1997年のRFID事業開始以来、あらゆるモノ・コトにIDを付与することで、製造・物流・医療・社会インフラなど幅広い業界のDXを支援してきました。中期経営計画においても「IoTソリューション」を戦略的注力事業と定め、さらなる事業成長と社会課題の解決を目指しています。
同事業では、安全・安心なIoT基盤と高度なセンシング・通信技術を強みに、お客様の課題抽出から技術設計、導入後の伴走支援までワンストップで対応しています。業務効率化や品質保証、トレーサビリティーなど多彩な価値創出を通じて、お客様の継続的なビジネス成長に貢献します。
※1 DPP:
デジタルプロダクトパスポート。欧州を中心に導入が進む、製品の生産から廃棄に至るまでの情報をデジタルデータとして記録する仕組み。EUの規制によって、欧州市場で販売される特定の製品カテゴリーの全ての製品が対象となり、消費者が製品の真正性やサステナビリティ情報を確認できるほか、サプライチェーン全体の透明性向上に寄与します。テキスタイル(繊維製品やアパレル)分野では、2027年より導入が予定されていますが、今後、化粧品や香水をはじめ、様々な製品カテゴリーでも2030年頃を目処に導入が拡大する見込みです。
※2 ブロックチェーン:
ネットワーク上の取引履歴を暗号技術で「ブロック」と呼ばれる単位で管理し、鎖のように連結して保管する技術のこと。
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以 上